示玄

日々の雑感

ツリーハウス

2023-06-16 15:53:26 | Weblog
 ずいぶん前のこと、樫の大木のてっぺんに一坪ほどの「ツリーハウス」を建てた。屋根が傷み腐れがでだした、元気なうちににと解体し片付をした。元気だった、野鳥の巣箱もつけた「連山を望んで山並みまた遙か」この高さまで多くの資材を担ぎあげたもの、我ながら感心する。孟宗竹で床を作り屋根葺きにも難儀をしたが・・・。


ツリーハウス工事の完成時の写真がこれ・・・男の隠れ家、ここでの尺八の音、クロマチックの音色、この緑のなかのハウスで感じるといい、緑の風と山の空気の美味さを、春の風が木の葉をゆらす、この空間、無心がここにある。木に荷重をかけずに、出来るだけ枝を切らず自然のままにした・・・。

 当時の「天声人語」に民俗学や博物学に通じていた南方熊楠は、100年近く前にエコロジーにあたる言葉を記している。ある講演で述べた。「鳥の渡りの中には、真実の美が表現されております。それはまた、潮の満ち干の中にも、そして春の訪れを待つ芽のふくらみの中にも」。そして、続けた。「自然のくり返し、夜の次に朝が、そして冬の次に春が訪れるといった確かさの中から、なにかしら限りない柔らぎが生れてきます」(ブルックス『生命の棲家』新潮社)の一節。



 今年もまた、春の足音が聞こえている。それが永遠に繰り返されるかどうか、こんなことを日記に書いていた。
重さに耐えた木が軽くなり喜んでいるようにも見える。






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