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防潮堤が問う減災① 姿現す12.8メートルの壁 高さに戸惑う住民も

2015-12-07 11:39:29 | 震災
岩手日報より転載

防潮堤が問う減災①

姿現す12.8メートルの壁 高さに戸惑う住民も

2015年12月7日

 東日本大震災から4年8カ月余りが経過し、沿岸被災地では津波からまちを守る防潮堤の建設が進んでいる。早期完成が求められる一方、徐々に姿を現す「壁」の高さに戸惑いを隠せない住民もいるのが現実だ。建設をめぐっては住民参画の在り方や将来の維持管理の課題も浮上。ハード整備を過信しないまちを皆でどうつくっていくか。防潮堤を通して「減災」の在り方が問われている。

 大船渡市末崎町の門の浜漁港に、高さ12・8メートルの防潮堤が姿を現しつつある。漁師まちで、海と分断するようにそそり立つ壁。真下に立つと圧倒される。

 「こんなに大きなものが必要だったのか。海が見えないのが怖い」。目の前に鉄工所を再建した自営業鎌田新治さん(76)が防潮堤を見つめる。

 計画延長は約1・5キロで、28億6500万円を投じる大事業。一部は震災前の防潮堤(8・5メートル)にかさ上げして建設するため、巨大さが際立つ。

 碁石海岸に向かう観光客が思わず足を止め、写真を撮る姿も見られるほど。1933(昭和8)年の昭和三陸津波(推定で最大11・8メートル)を防ぐ規模で設計されたが、震災の津波推定高は20メートルだったため、これでも万能ではない。

 門之浜地域は約100世帯のうち4割が被災。住宅地が広がる隣の大田地区も甚大な被害を受け、犠牲者が出た。防潮堤の後背地は住宅の建築制限をかけ、近くの低地に人が住まないようにする。

 鎌田さんは当初から「高い防潮堤で何を守るのか。それより高台に逃げる道路をつくってほしい」と訴えてきた。だが、計画は県が12年7月に開いた2回目の住民説明会で、あまり異論も出ずに承認。「県は最初からこの高さでやるつもりだった。2、3年じっくり考えてもよかった」と振り返る。

 被災地では、津波からまちを守る防潮堤が復興まちづくりの「前提」として位置付けられた。「避難時間を稼げるなら、あるにこしたことはない」という被災者も少なくない。

 だが、門之浜地域公民館の前館長、小松陽市さん(72)は「当時の議論は住宅再建や代替地など今後の暮らしに関心が向き、防潮堤はあればいいとの空気だった。十何メートルと言われてもピンとこなかった」と率直に語る。

 今、防潮堤ができつつある中で懸念されるのは、海が見えないことで避難の初動が遅れること。同地域で被災した村上清一さん(84)は「震災の時、底が見えるくらい湾の水が引っ張られるのを見てさらに上を目指した。まずは高台に逃げることだ」と強調する。

 震災では「万里の長城」とも呼ばれたX形の防潮堤を持つ宮古市田老地区で、181人が犠牲者となった。鎌田さんは「『こんな立派なものができたんだから、津波は来ないべ』と冗談を言ったりもするが、田老の教訓を忘れてはいけない」とかみしめる。

 防潮堤ができ始めて、その高さに驚きも見せる住民。震災で経験した防潮堤の功罪を踏まえながら、地域の実情に合った津波避難の仕方をあらためて考える時期に入った。

 本県の防潮堤建設 復旧・復興工事の総延長は約83.8キロ(市町村所管分含む)、計画高は6.1~15.5メートル。数十年~百数十年に一度の規模の津波を防ぐ想定で、2011年の震災津波より低い設計になっている。9月末現在、134カ所のうち95%に当たる127カ所が着工済み、うち25カ所が工事を終えた。県は18年度内の完成を目指している。

     
【写真=高さ12.8メートルの門の浜漁港海岸防潮堤。

ハード整備に頼らない避難意識の維持が課題だ=大船渡市末崎町】


名ばかり 首相の「介護離職ゼロ」 「50万人拡大」というが…待機者数にも及ばない切り捨ての反省なく

2015-12-07 11:13:20 | 介護
しんぶん赤旗               2015年12月7日(月)
名ばかり 首相の「介護離職ゼロ」

「50万人拡大」というが…待機者数にも及ばない

切り捨ての反省なく

 安倍政権は、「1億総活躍社会」を目指す緊急対策で、介護サービスの整備計画を2020年までに「50万人分以上に拡大」と打ち出しました。「年間10万人超にのぼる『介護離職』をゼロにする」(安倍首相)といいますが、介護サービス切り捨てへの反省もなく、“名ばかり”の内容です。

■数のごまかし

 「50万人分」といっても、すでにある38万人分の計画に12万人分を上積みしただけです。特別養護老人ホームの待機者は52万人にのぼります。4月から入所者は要介護3以上に限定され、要介護1~2の18万人が入所できなくなりました。それでも待機者は34万人もいます。計画は待機者の解消に遠く及びません。

 施策の対象としたのは、34万人のうち自宅待機者15万人だけです。

 その上、上積みした12万人分のうち2万人分は、介護施設ではない「サービス付き高齢者住宅」です。残る10万人分も在宅サービスも含めた計画で、ごまかしだらけです。

 介護離職10万人については、「介護サービスが利用できず離職した人」1・5万人だけを在宅・施設サービスの対象としています。「自分の希望などによる離職」や「やむを得ず離職」の8・5万人には、「相談・支援」「柔軟な働き方」などで対応するとしています。離職者「ゼロ」もごまかしです。

■低賃金も放置

 東京都内の介護職員の有効求人倍率は10・5倍まで急増するなど、介護の現場は深刻な人手不足です。厚労省自身、2025年度に37・7万人が不足すると推計しています。全産業平均より約10万円低い介護職員の平均賃金の引き上げは急務です。

 しかし、安倍政権は「離職者再就職支援」や「介護ロボットの活用による負担軽減」などを掲げるだけで、処遇改善はありません。これでは施設を増設しても職員が確保できないなど矛盾に陥るだけです。

 安倍政権は4月から、介護保険から事業所に支払われる介護報酬について実質マイナス4・48%と過去最大規模の削減を行いました。そのため、事業所の休止・廃業が急増しています。

 利用者にとっても、特養の入所制限、2割負担の導入、施設入所の補助の縮小など負担増が相次ぎ、施設からの“追い出し”が進められています。さらに「骨太方針」では、2割負担の対象拡大、生活援助サービスの見直しなどいっそうのサービス削減が検討されています。

 「介護離職ゼロ」をいうのなら、介護報酬の大幅な引き上げや利用者の負担軽減、骨太方針の中止・撤回こそ求められています。

 (鎌塚由美)

ミス理由に裸で走らせ撮影 少年野球の監督辞任

2015-12-07 09:41:14 | 学校
河北新報より転載

ミス理由に裸で走らせ撮影 少年野球の監督辞任

 徳島県阿南市の少年野球チームで11月、監督だった40代の男性が、練習中にミスをした小学生5人に、罰として全裸でランニングをさせていたことが6日、分かった。男性は保護者らに謝罪し、監督を辞任した。
 男性によると11月28日、市内の小学校での練習中に、「キャッチボールでミスをしたら裸で走ろう」と罰ゲームを提案。練習に参加していた11人の選手のうち、捕球に失敗した小学3~5年の5人に裸でグラウンドを1~2周走らせた。その際スマートフォンで数枚撮影した。
 男性は取材に、「上達してほしいという気持ちもあり、冗談半分でやった。選手や保護者に申し訳ない」と話した。


関連ページ:全国・国外社会
2015年12月06日日曜日

あきらめず声をあげよう

老いも若きも安心して暮らせる世の中を 最低年金月七万円 戦争する国つくりダメダメ 投票に行かなければ何も変わらない