旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

政治とは~消費税増税と保育・幼児教育の無償化に思う

2018-11-26 00:20:51 | 日々雑感
政府は、消費税の増税に併せて2019年10月から保育・幼児教育の無償化をするという。
このことによって、働きに出ることをためらっていた若いお母さんたちや保育料による家計の圧迫を軽減できるとしている。





今回の保育・幼児教育の無償化の内容を見ると概ね次のようなものになっている。
<0歳~2歳>
       対象世帯:住民税非課税世帯のみ
       内  容:認可施設は無償。認可外は上限42,000円。
<3歳~5歳>
       対象世帯:全世帯(※所得制限なし)
       内  容:認可施設は全員無料(幼稚園保育料の上限額は25,700円)。 認可外は上限37,000円。

これを聞くと、なんかとても歓迎すべきことのように思えるのだが、どうも腑に落ちない。
以下のことは、浅学の私見なので、かなり荒っぽくなるが素朴な疑問を挙げてみる。

Q1.0歳~2歳は、その対象が住民税非課税世帯のみになっていること。
Q2. 認可施設には限りがあり、認可外に入れるしかない現状にもかかわらず限度額が設定されていること。
Q3. 0歳~2歳は非課税世帯のみなのに、3~5歳には所得制限がないこと。
Q4. そもそも認可施設と認可外施設の扱いを区別していること。

何かよく分からん。

ちなみに、先月生まれたわが孫に当てはめてみれば、世田谷区の待機児童は全国一多くて、認可施設には到底入れない。
そこで認可外施設を目指すしかない。
しかし現実はとても厳しく、ここでも入所希望が多くて順番待ち。
にもかかわらず、両親の年収合計は少額(かろうじて住民税が課税になるほどの額)だし、二人の勤務時間帯はまったく異なり、夫の帰りは深夜になっているから、乳児を預けなければ母は仕事にも復帰できない。

ネットや新聞を眺めると、同じような悩みをもつ方々が沢山いて、無償化よりも「待機児童の解消」が先だと訴えている。それはまったく同感。

ここで穿った見方が浮かんできた。

それは、
① 3歳以上の子を持つ世代とその関係者を含む人口と、2歳以下のそれらの人口比は?
② 人口減少が進んでいる地域・地方(もとより待機児童などなく、既存施設の受入れキャパシティーは十分ある筈)と、待機児童の多い地域・地方の分布は?
③ ①、②を国会議員を選出する選挙区と重ねて見るとどのようになるか?

結局のところこの保育・幼児教育の無償化は、自分に投票してくれるだろう選挙民の顔を上目づかいに見ながら作り出された策としか思えなくなってきた。



散歩に出かけると、幼児を自転車に乗せた若いお母さんたちとよくすれ違う。
時間は、夜10時過ぎ。
こんなに遅い時間まで預かってくれる認可保育施設などないだろうから、どこか認可外のところにでも頼っているのだろう。
子どもとて大変! 
「早く無償化を!」、「無償化よりも待機児童解消が先!」という二者択一ではなく、なんとか早くにそれらの調和のとれた”子育てしやすい優しい環境”を実現してほしいものだ。
夜道を走り去るその後ろ姿を、いつもそんな思いで見送っている。
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