旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

石巻の日和山、女川の大六天山へ

2011-12-18 23:25:38 | 水の道逍遥
伊達政宗の命を受け、貞山運河の開削や北上川の改修などを行い、伊達62万石の基盤を作った川村孫兵衛重吉

その彼を祀った重吉神社、菩提寺が、東日本大震災でどのようになってしまったか自分の目で確認したい思いにかられ、今日出かけてきた。


重吉神社は跡形もない。

菩提寺の真言宗普誓寺は、本堂等は大きな被害を受けているがしっかり残っている。
しかし、墓地の奥にある川村孫兵衛ご夫妻の墓は、墓碑のすべてがなぎ倒され、見るも無残な姿に。
御子孫の方の自宅やその周囲は更地になってしまった。
お墓に供えられた生花は、しおれ、吹きすさぶ冷たい風にさらされている。



▲川村孫兵衛ご夫妻の墓所



日和山。



▲日和山からの眺望:旧北上川の河口


▲日和山からの眺望:旧北上川の中瀬とマンガ館の方向


▲旧北上川を見下ろす川村孫兵衛像


雪の降る中、人々はここから街に襲いかかる巨大津波を見た。
見るしかなかった。

「日和大橋の高さは18m。津波はそれを越えてきた。自分の家も流された。幸い、母と妻と一緒に逃げることができたが・・・。」
展望台にいた年配の男性は、そう話していた。
きっと、毎日ここに来て、かつての生活や景色を思い浮かべながら、眺めているのだろう。




女川町。
“街が無い!!”


コバルトラインを通り、大六天山(だいろくてんやま 440.3m)展望台へ。
女川、牡鹿、石巻という三方向の眺望を確認したかった。
(ここには登山口がある。いずれは登ろうと思っていた。)
 ※ 平成18年10月6日に発生した漁船第七千代丸遭難による16名の方々の鎮魂碑がある。



▲大六天山展望台からの眺望:牡鹿半島側


▲大六天山展望台からの眺望:女川町の出島方向


▲大六天山への登山口


登山道は倒木に覆われ、きわめて悲惨な姿になっている。
尾根筋から、シカ(日本鹿)の鳴く声が聞こえてくる。
海から吹き上げる強い寒風と共鳴し、やけに悲しげだ。


(参考)
大六天とは梵語で天界を指し、この山は漁民が天界(極楽)のような幸せを願って神を祀った山で、山頂から少し離れて三国神社があると紹介されている(『宮城県の山』山と渓谷社)。
ちなみに、ウィキペディアによる「六欲天」の紹介は ⇒ こちら

以下の川村孫兵衛重吉翁に関する記事は ⇒ こちら
 
① 川村孫兵衛重吉像
② 住吉神社と縄張神社
③ 重吉神社
④ 川村孫兵衛翁の墓所


以前の関連記事
●北上川・江合川・迫川の流路変更 ⇒ こちら
●貞山運河の開削・北上川の改修などの総指揮~川村孫兵衛 ⇒ こちら
●北上川河口を望む日和山公園の歌碑 ⇒ こちら





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3 コメント

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石巻緑のハイキングロード (B.C.)
2012-02-21 23:47:30
石巻においでの際は、こちらも歩いてみませんか。
みなさん、がんばっています。ぜひ、応援してください。
★石巻緑のハイキングロード ⇒ 
http://mwaf.jp/Ishinomaki/2012/02/01-1.php
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Unknown (やまぼうし)
2012-02-22 02:19:05
「石巻緑のハイキングロード」は知りませんでした。”すぐにでも”という思いはあるのですが少し我慢。木々が芽吹くころになったら行ってきます。 
返信する
Unknown (B.C.)
2012-02-23 00:52:42
はい、石巻市の市の花は、つつじだと聞いています。ぜひ、つつじの咲く頃、おいでください。
こんな草の根の活動、やまぼうしさんに応援していただきたく思っています。
返信する

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