旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

2500年前の人に出会う

2009-09-07 23:18:44 | 地域魅力
またまた、すごい機会を得た。

大崎市田尻地区にある北小松遺跡(縄文時代晩期の遺跡)から、約2500年前に埋葬された人や犬が見つかった。それも、骨格をほぼそのままの形をとどめた墓10基以上。あわせて、木製品、骨角器や建物跡など。

東北地方は火山灰に覆われて一般的には酸性土壌であることから、骨や木などは残らないケースが多い。今回は極めて珍しいことらしい。

  *

一体の人骨は、足を“あぐら”をかくようにし、組まれた両手は胸の上に置かれ、頭を西方に向けて仰向け状態になっている。これは何を意味しているのか? 西方浄土思想に近いものでもあったのだろうか? とても興味を引く。




別のものは、甕(かめ)が逆さにかぶせられている。一度埋葬され、骨ばかりになった状態のときに掘り起こされ、再び埋葬されたもの“再葬”ということらしい。また、すぐ脇には、三匹の犬がきちんと巴(ともえ)状に埋葬されている。飼い主ととても親しかった犬だろうと推察される。






驚くべきことに、同じ場所の地層からはさらに1000年近くさかのぼる土器などの遺物が出ているとのこと。となれば、少しずつ場所を変えながらも、何千年にもわたって生活が営まれてきたということになる。

  *

この地の豊穣さ、そしてそこに刻まれたとてつもなく長い暮らしの歴史のすごさに、ロマンを掻き立てられるどころか“めまい”がしてくる。


(発掘現場)

(ここ一帯が遺跡)

(秋津=トンボの古称 ⇒ 秋津島=日本)



※参照サイト(宮城県文化財保護課)→ こちら

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山の神に会う。そして小野小... | トップ | 座散乱木遺跡、それから羽黒... »

コメントを投稿

地域魅力」カテゴリの最新記事