すべては闇に さらわれて

最近読んだ本のご紹介。












横溝 正史「本陣殺人事件」
角川文庫



金田一（じっちゃんの方）強化月間。
月間ではないな。
夏の内に金田一シリーズを読破する所存。


記念すべき金田一初登場作品。
金田一の登場するの遅いな。笑
これは映画化されている有名作品。
でも映像では観ていない気がする。

オチとしては物足りない部分もあるんだけど
（実は○○だったって落ちはあまり好きではない
←ネタばれにつき伏せ字）、事件を起こすに至った思考の
狂いっぷりが良い。
事件解決をややこしくする要因がまた狂っていて良い。

トリックは勿論なのだけれど、横溝作品の
おどろおどろしい雰囲気が堪らないです。

同時収録されている「車井戸はなぜ走る」の悲劇性も良い。
「黒猫亭事件」のトリックには見事騙されました。
見事。
これも綿密に練られた計画、そして執念が凄い。












横溝 正史「獄門島」
角川文庫



こちらも有名作品。
映画化もしておりますね。


常軌を逸した動機がグッド。
閉鎖空間での因習は大好きですよ。

彼の作品に登場する、ちょっとイっちゃった
女の子は良いですね。
心底ゾッとさせられる。

ちと犬神家に通じる部分があるけれど、
その発想はなかった的な犯人が良いですね。











今野 敏「イコン」
講談社文庫




今野作品はST以外読んだ事がありませんでした。
最近よく書店で警察小説コーナが出来ていて、
今野作品が目に触れる事が多かったので、
思い切って買ってみました。

ドラマで警察ものを観るのは好きなんですが、
本というか、ミステリになるとあまり惹かれないんですよ。
島田作品でも御手洗シリーズは読んでいるのに、
吉敷シリーズに手を付けていない程。


基本的に「いい話」は好きではないとはいえ、
警察内部ってキャリアとノンキャリ、キャリア同士の
間でも胃が痛くなるような派閥を争いしてる様が
読んでられなくて。
それ以前にミステリはファンタジィだからさ。笑
館ものていうか嵐の山荘もの陸の孤島なシチュエイション
が好きな身としては、不倫とか何とかって興味ないんです。


でもねえ、流石今野作品。
警察屋さんの間の結び付きというか、
信頼関係が堪らないね！
男同士の友情ともまた違うんだけど、
いいねいいね。


事件がバーチャル・アイドルとの事で、痛々しく
おたくが描かれているのかと思いきや、真面目に
アイドル論が語られており、面白かったです。
まだネットが普及していない時代に書かれた
作品なので、色々ギャップが；









「暑いな。」
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51336538.html