就活に付き物の履歴書やエントリーシートを書く時、いったい誰が読むのか?と考えたことはありませんか。
履歴書添削の時などに実際に聞いてみると、「えっ、人事の人?」「会社の人?」といった答えが多いようです。
次に、何人の人が、貴方の書いた文章を読むのでしょうか?と質問すると、「沢山の人?」「分からない」といった答えになります。
どちらもうなずける回答です。
私は、そこに「むずかしさ」を感じるのではないか?と考えています。
つまり、だれが読むのか分からずに書こうとしている。または、なんとなくのイメージで誰にでも受け入れられる内容にしなくてはならないと思っている。さらには、誰が読んでも納得してもらえる文章が良い。なんて考えてしまうのではないか、と思うのです。
履歴書やエントリーシートは、自分の意思を伝えるための大切なツールであることは、誰にでも理解できることでしょう。しかし、具体的な相手が想定し難い、または全く想定出来ない場合がほとんどです。
読む相手が分からずに、架空の人に宛てる手紙を書くようなものです。
例えば、このブログもそうです。いったいどんな人が読んでくれているのか、どのくらいの人が目にするのか、全く分かりません。
他にも、本や雑誌、手記、新聞、会報誌、SNSへの投稿など、不特定多数に向けて発信する文章は星の数ほど存在します。
反対に、読む相手がはっきりしている手紙やメールなども、やはり星の数ほど存在します。
では、履歴書やエントリーシートに書く文章は、いったいどちらになるでしょうか?
私は、まずそれを決めてから書くことをお勧めします。どちらか一方に決める必要もないと思っていますが、応募書類によって自分で決めるのが良いのではないかと考えています。
例えば、就活開始と同時にリクナビの「オープン・エントリーシート」を作成する場合などは、広く大勢の人に自分をアピールした方が良いと考える人もいれば、最初からターゲットを絞って、一部の人だけに理解されたいと考える人もいるでしょう。当然、その内容は違ってきます。
また、特定の会社に提出する書類なら、その職種や業界のことをよく調べておいた方が、的外れなアピールをしなくて済みます。
つまり、履歴書やエントリーシートは、不特定多数を想定するのか、または特定の誰かを想定するのかによって、書く内容も、表現も変わってくるのです。
不特定多数の人向けに書くのなら、少なくともターゲットの想定が不可欠となります。どんな業界・職種の人に向けるのかくらいは当然です。
言っておきますが、万人に納得される文章など存在しません。例えば村上春樹ほどの文豪であっても、全人類に指示される訳ではありません。
問題は、特定の誰かを想定する場合です。
応募先は決まっても、提出する応募書類を「私が読むからね~」なんて言ってくれる人は殆どいないでしょう。
だから、自分で想像するしかありません。
多くの人は、会社の人事関係者や社長さんたちが読むのでしょうね?といった感じで書いていることでしょう。
しかし、それでは不十分です。何となくのイメージしか湧かないからです。
私がよく提案するのは、今までに出会った、最も苦手な先生を想定して書くという方法です。
例えば、気難しくて細かい所を指摘するような人なら、誤字脱字は当然ですが、辻褄が合っているか、おかしな表現はしていないか、など最新の注意を払うものです。
しかも、そういう人に自分の意思を伝えるとなると、明確な説明力も必要となるでしょう。
何度も何度も書き直して、何回も見直すことが、心に届く文章に変えるコツです。
是非、お試しください。