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シリーズ「大学生のための自己分析のススメ」その15

2017-09-30 | 仕事

就活が楽しくなる!そのカギは、私たちが日々”無意識”に行っている自己分析を早期に”意識化”することです。

「大学生のための自己分析のススメ」と題して、簡単にできる自己分析の手法と活用法を、分かりやすく解説してゆきます。
自分を知ることは周囲や世間とつながってゆくことを意味します。あなたにしかできない就活を楽しんでください。

就職活動の型と仕事の仕方の共通点

今回は、就職活動に見られる特性の話です。
私は前職のハローワークで、日々就活生や早期離職者と関わる中、就活には本当に個々の特性が繁栄されることを実感してきました。それと同時に、個々の就活の仕方と仕事ぶりには相関関係があるのではないか?と思い始めました。
それを意識し始めて以降は、担当した学生の多くに就職後しばらくして来所するようお願いしたり、離職に悩んでいたり、既に離職して転職活動をする若者たちに、一体どんな就活をしてきたのか詳しく聞いたりもしました。

実際、平日に休みが取れる人や、昼休みや営業の外回り中に会いに来てくれた若者も多くいました。
さらに、社会人と学生の交流会に参加しては、入社間もない元学生にもインタビューするなどして、自分なりに耳情報を集めているうちに、就活には6つの型があるのではないかということに気づき、その型にはまる人が、近い将来どんな仕事の仕方をするのかを推測してみました。
今回は、それを紹介しようと思います。
但し、あくまでも私の経験則からの考察ですので、統計上の裏付けなどないことをご了承下さい。

Ⅰ:他力本願、個性不明型 「従順さと責任転嫁は表裏一体」

自分の考えが曖昧でまとまらず、ひたすら誰かに頼って就職活動をした人は・・・

・大事な決断を人に委ねる事が多い。
(貴方ならどうする?どっちが良いと思う?)
・断るのも人を介して断る事が多い。
(直接断るとトゲが立つので・・・)
・自分で判断する場面を避ける、拒む、はぐらかす。
(私に聞かれても分かりません。)
・責任の所在が不明確な仕事には手を出さない。
(誰の責任ですか?と後で言われないように・・・)
・他者のアイデアや考えに合わせる。
(私もそう思っていました。)
・会社の風習には順応し易いので、その場に馴染む能力は高い。
(言われた通りに従います。)
・上司の命令や約束事には忠実に従い、期日もしっかり守る能力も高い。
(怒られるのが嫌だから。)
・色々な意見を聞くが、基本的に権威のある人の意見に同調する。
(貴方のおっしゃる通りです。)
・周囲に振り回され易いので、本来の自分の仕事が疎かになる。
(・・さんに頼まれたのが先!)
・本当の自分を見失いやすい。
(私は誰?ここはどこ?あなたは何?もう分かんない!誰か教えて!!)

この型にハマる人の多くは、一言で表現すると「幼い子ども状態」です。

従順で素直な側面を持っている半面、自分の意見や考え方を主張すると、他者から否定されるかもしれない、或いは非難を受けて仲間はずれになるかもしれない、などと考える傾向も秘めていると思われます。

一方、意識的にこの様な型を取る人は、計算高く用心深い人と言えます。

従順を装い、まず周囲の反応を確認してから自分の言動を選択するといった強かさを秘めています。社会人として生き抜くためには、ある意味必要な能力と言えますが、度が過ぎると責任転嫁に繋がり、人の信用を失うことにもなりかねないので、注意が必要です。

Ⅱ:自信満々、自力突破型 「自信は確信に、過信は課題に」

何事も自分の力で乗り越えるタイプ。就活も自力で乗り切った人は・・・

・大事な事でも人に聞かずに決めて、後で報告する。
(自分なりに良かれと考えての行動です。)
・周囲に自分の考えを力説し、理解や同意を求める。
(分かってくれとは言わないが、俺はこうだ!)
・周囲に合わせるより、周囲を巻き込む事に熱心になりやすい。
(俺のアイデアについて来い!)
・勝手にライバルを決めて勝負したがる。
(仕事は実力の有る物が勝つと信じて疑わない。)
・たやすく人に聞かないし聞けない。だから誰も教えてくれない。
(知らないことは自分で調べよう。)
・自分を高めるための努力は惜しまないが、自分のペースも崩さない。
(自分のやり方でやる。)
・頼まれ事には寛大ですぐに引き受けるが、原則「貸し」と受け止める。
(頼りにされる自分が好き。)
・何にでも「ハイ、出来ます。」と答えてしまう。
(出来る気がする、いや自分なら必ず出来るハズ!!)
・周囲に、気配り目配り思いやりを持って接する能力が高い。
(人に誉められるのが素直に嬉しい。)
・場の空気を読む力は高い、しかし自分の都合に合わない空気に読まない。
(自分の世界が一番好き!)

この型にハマる人の多くは、いわゆる「自信家」です。

自意識が高く、人の評価を気にする人が比較的多く、常に自分の実力以上の相手や仕事に挑戦したいという欲求も内包しており、時に攻撃的な言動がアダになることもあります。

自分がこの型にハマりやすいことを自覚しているか否かが肝心です。

自覚している人は、自身の性格を把握し、謙虚さを持って仕事に打ち込む事で、グングン成長する可能性を秘めていますが、自覚がない人は自己中心的となり、成長どころか周囲の信頼を失う危険性があります。

Ⅲ:お手本通り、情報重視型「情報管理のつもりが、振り回されていませんか?」

周囲の人がしているようにしたい。自分だけ違う動きをすることに抵抗がある人は・・・

・仕事は常に正しいやり方で進めたがる。
(間違うのは嫌!皆はどうしてるの?)
・仕事だけでなく、会社での出来事は全部知りたい。
(え、知らないの?と言われるのが屈辱的。)
・自己主張は身内や親友のみ、基本的に柔軟姿勢を取る。
(敵は作りたくないので・・・)
・人の動向がすぐに目に付く。
(○○さん今日機嫌悪いね。○○課長また同じネクタイだ。)
・雰囲気に合わせて臨機応変に対応する「適応力」は天下逸品。
(火の粉がかからないのはこっちだよ。)
・上司や先輩には従順だが、人柄よりも権威に仕える傾向が強い。
(部長、課長は自分の味方。)
・チームワークを重視するが、自分が置き去りにされるとキレる。
(私を置いて行かないで~!!)
・プロジェクトリーダーは嫌、でも主要メンバーには入りたがる。
(責任持つのはイヤ、でも早く情報はほしい。)
・その場を盛り上げる能力は高いが、頼まれるまで決して動かない。
(誰か自分を指名して。)
・会社の規律や習慣は厳守するが、守らない人に注意まではしない。
(自分はちゃんとしていますので・・・)

この型にハマる人の多くは、温厚さと強かさを併せ持つ「日和見人間」です。

その日の天候で動向を決めるように、その日その日の会社の雰囲気や成り行きを見極めて、自分の態度を明らかにする傾向が強く、良く言えば「全天候型適応タイプ」、悪く言えば「八方美人タイプ」です。また、観察力や分析力に優れているにも関わらず、上手に使い切れない人が多いようです。

自分がこの型にハマりやすいことを自覚しているか否かが肝心です。

自覚している人は、自身の役割や立場に即した情報収集に留め、本来の能力を遺憾なく発揮して謙虚に仕事に打ち込む事で、周囲の信頼を得て成長する可能性を秘めていますが、自覚がない人は、文字通り八方美人な人と言われる事になる恐れがあります。
今回はここまでとします。
後3つの型は、次回につづきます。


シリーズ「大学生のための自己分析のススメ」その14

2017-09-19 | 仕事

就活が楽しくなる!そのカギは、私たちが日々”無意識”に行っている自己分析を早期に”意識化”することです。

「大学生のための自己分析のススメ」と題して、簡単にできる自己分析の手法と活用法を、分かりやすく解説してゆきます。
自分を知ることは周囲や世間とつながってゆくことを意味します。あなたにしかできない就活を楽しんでください。

就職活動のパターン別対策

就職活動は千差万別。実に様々な手法がありますが、ここでは幾つかのパターンに分けて考えてみたいと思います。
まずは、今の自分が就職活動にどんな考え方を持っているのかという観点を、AからHに分類し、その対策などをまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。
勿論、全ての人が必ず当てはまるというものではなく、あくまでも傾向として捉えて下さい。

A:家族や知人のコネクションがあるので大丈夫。(だから就活しない)

親の紹介や、家業を継ぐなどの理由で就職活動をせずに社会人になる学生がいますが、その多くは入社後に対人関係で大変苦労する可能性が高いと言えます。
特に身内の会社に就職した人には、入社後に既存社員とのコミュニケーションに問題が生じるケースが少なくありません。
従って、就職活動を社会人になるための準備期間と捉えて、マナーや表現法の練習のつもりで、ある程度の数の会社に応募し選考を受ける事をお勧めます。
学生のうちに、選考に落ちたり、内定を取るという経験を、一度は味わった方が良いと思います。

B:コネクションは有るが使いたくない、でも最後の手段で考えている。

この様に考えている人の多くは、コネクションを利用する場合、お世話になった人への気遣いや義理などが生じる事を負担に思う一方、最終的には受け皿があるという安心感もキープしたいと考える傾向があり、後で板挟になることもあります。
また、自分の方向性が定まらないまま、「たまたまコネがあったからこの仕事にした」という人も多く、実際に仕事に就いた後で、やっぱり自分には合わないと言ってすぐに辞めたくなるケースも多くあります。
いずれにしても、後で悩む事のないよう、家族や知人としっかりと話し合い、自分の考えを明確にしておく必要があります。

C:就職は簡単に行かないが、早めに準備をしっかり行えば大丈夫だ。

この様に考える人が一番多いと思われます。しかし、問題は「準備の仕方」と「協力者の有無」です。
勿論、協力してくれる人達の力を借りながら適切な方法で就職活動を行うのが理想ですが、実際に就職するのは自分なので、人の言いなりでは話になりません。
何より大事なのは、まず自己分析を行い、自分に合った活動法を早めに見つけることです。
また、良き協力者を得るために必要なのは謙虚さと素直さです。自分だけで悩まずに周囲に協力を呼びかけ、納得のいく活動をしましょう。

D:自分は就職できない訳がない。自分の力だけで就職する自信がある。

この様に考える人の多くは、苦しい時でも「何とか自分だけで乗り切ってやろう!」と頑張るタイプの人か、傲慢で自意識過剰な人のどちらかです。
いずれにしても、人の助けを必要としない、または助けを乞うことをマイナスに思う傾向が強いので、自分のやり方を押し通して空回りするか、情報の波に呑まれて方向性を失うという結末を向かえる可能性が高い人です。
この様な人は、まずは謙虚になり、適切な就活に切り替えるよう忠告しておきます。
仮に就職出来たとしても、入社後に人間関係が原因でトラブルに巻き込まれるといったケースには、この様なタイプの人が最も多いのも事実です。
また、自分の弱みを人に見せたくないといった感じの人も、この様な考えに至る場合が多い様ですが、就職活動は、弱みも何も、初めての人にとっては訳が分からないのが当たり前です。強がらずに、素直に知っている人に尋ねることです。

E:根拠はないが、必ず就職出来るという漠然とした自信がある。

この様に考える人は、他力本願の人、超楽観的な人、非現実的な人、現状を直視できない人、自己認識が甘い人、などなど、就職活動に集中できない、又は活動そのものを軽く見ている人と言えます。
しかし一方では世間体を気にして「皆と同じように就職しなければいけない」と思っている人も多くいる様です。
今までは誰かが何とかしてくれた、又は気付けば何とかなって来たことが多い人でも、就職だけはそうは行きません。
この様な人は、まず自分の考えを改め適切な就活に専念するため、良き相談相手を探して下さい。

F:就職はしたいが、卒業までに決まらなくても良いと思う。

この様に考えている人は、さらに次のタイプのいずれかに分類されます。
①就職に対する意欲が乏しい人
②自分のやりたい事や方向性をっかり持っている人
③卒業が危うく就活どころではない人
④病気や怪我の治療に専念している人
以上の4つのタイプです。
どのタイプにしても、この様な人には良き協力者が必要です。自分の事を理解し適切な助言をしてくれる伴走者となってくれる人を早く見つけましょう。
特に①のタイプの人は、なぜ意欲が乏しいのか、その原因を明確にすることが急務です。早急に誰か信用できる人に相談して下さい。
また②のタイプの人は、起業する事を考えている人など自分がやりたい事を明確に分かっている人と言えます。
この様な人は、その仕事に就く時期よりも、それを実現させるための手段に重点をおくべきです。
やりたい仕事に就くために今習得すべき事や、必要な資格取得など、計画性を持って着実に進む事を念頭において、人脈作りに励んでください。
そして③④の人は、焦らずに一歩一歩が鉄則となります。長い人生、卒業後に就職できなくても、どうってことありません。むしろ良い思い出にするくらいのつもりで頑張ってほしいとおもいます。

G:就職は運だと思う。だから頑張ることに意味はないと思う。

確かに一理あると思います。しかしこの様に考える人は、実は自分では気付かないうちに現実逃避に陥っている可能性があります。
特に就活をする前からこの様に思う人は要注意で、日頃から自分の事なのに、どこかいつも他人事の様な冷めた態度を取ったり、自分の本音をひた隠しにしたり、表面だけの付き合いを好むなど、「自分を見せない人」が多い様です。
しかし、周囲には「いつも明るく元気な人」などと言われ、本当の自分と付き合い上の自分にギャップがある人かもしれません。
ぜひ早い時期に自分を理解してくれる協力者を得て、自分に向き合う事をお勧めします。
確かに、就職は運という考え方は否めませんが、私はよく「縁」という言葉でそれを説明しています。
それは「良縁は、それを求め行動をしている人にだけ訪れるご褒美です」というものです。
運も同じだと思います。どうせ報われないから何もしないという人には、何も起こらないのです。そして、運も縁も、実際に現れる時は、必ず人が登場します。
人が運や縁を運んでくれるので、自分もそんな人に会おうと行動していなければ、永遠に会えません。
少しだけ考え方を変えて、具体的に行動を起こしましょう。それが一見無駄に思えても、遠回りに思えても、向いている方向さえ間違っていなければ、必ず良縁は訪れるものです。
その方向性を決めるのが、自己分析なのです。 

H:就職したくない。出来ないと思う。いや、どうせ無理。

この様な状態の人は、理由により対策は様々ですが、共通して言える事は、自分に向き合える様になるのを待つことです。
一見、自分をよく知っているからこそ、そう思いたくなると捉えがちですが、実は”自分を遠ざける何か”を持っているかもしれません。
実は、これまで紹介してきた中で、最も協力者が必要なのが、Fの①の人とこのタイプの人です。
就職は自由意志です。だから自由な発想で考える方が良いと思いますが、このタイプの人にとっては言うほど簡単ではないと思います。
なぜなら、この様に考える人の中には「人は皆、働かなくてはいけない」「卒業したら就職すべきだ」という強迫観念に似た考えを持っている人が多く、活動する前から「出来ない自分」を想像してしまい、その結果意欲が低下し、さらには活動そのものをしなくていい状況にするために「どうせ無理」という理由付けをしているかもしれないからです。

何事も「○○しなくていけない!」より、「○○出来たらいいな~」の方が自然で現実的です。
従って、就職も「しなくてはならない!」よりも「したいな~」あるいは「出来たらいいな~」といった程度の方が極めて「まともな考え方」だと知って下さい。
就職をするかしないかは、あくまでも自分の意思で決めるものです。大学を卒業する人は、絶対に就職しなくてはいけないという法律がある訳でもないのです。
しかし、人生において、就職した方が様々な恩恵や”やりがい”などを得る事が出来るのも事実です。
出来れば「就職できればいいな~」と思えるよう努力してみて下さい。
その一歩となるのが、自分の素直な思いを誰かに話すことです。今は就職したいと思わなくてもよいので、その不安な思いを話すことの出来る協力者を早急に探してみて下さい。

また、周囲にこのような人がいると気付いた時は、まず貴方が相談相手になってあげて下さい。

夢をかなえる研究所では、就職に前向きになれない人でも求職者登録ができます。
決して、就職しろ!なんて言いませんよ。
相談も受け付けていますので、気軽にお問合せ下さい。

www.kanaeruken.com


シリーズ「大学生のための自己分析のススメ」その13

2017-09-12 | 仕事

就活が楽しくなる!そのカギは、私たちが日々”無意識”に行っている自己分析を早期に”意識化”することです。

「大学生のための自己分析のススメ」と題して、簡単にできる自己分析の手法と活用法を、分かりやすく解説してゆきます。
自分を知ることは周囲や世間とつながってゆくことを意味します。あなたにしかできない就活を楽しんでください。

情報発信の演出(企業研究とのリンク)

前会の自己PRの解説で、2つのケースを例に上げたように、情報発信の演出とは、何を軸に自分を表現すべきなのかを戦略的に考えることを指します。(伝えるべき情報を、どの視点から表現するか)

そこで重要な意味を持つのが、応募先企業の情報収集、つまり企業研究です。

自分が志望する会社はどんな人材を求めているのか、誰に、何を、どの様に提供しているのか、などの情報が無ければ、戦略も何も立てられないので、的外れの情報発信となってしまいます。

例えば、成果主義の考え方を取り入れている販売会社への情報発信としては、前回のケース①の方が妥当となるし、チームワークや協調性が求められる、製造業にはケース②の情報発信の方が妥当となります。

この例えは極端な例かもしれませんが、どの会社にも同じフレーズでは、伝わるものも伝わりません。

インプットで収集した自分の情報の中から、応募先の情報と重なる部分を整理するのが企業研究であり、その応募先に合わせて、伝える視点や表現法を選択する行為が、ここで言う演出という意味です。

自己分析と企業研究の関係

企業を知ることも大変重要ですが、やはり肝心なのは「知って、その後どうする?」という問いに対する回答です。
企業研究は、図に示した、「発信する情報」を探す行為とも言えます。
企業を一人の人間と捉え、その人と、自分の共通点を探すといったイメージです。
勿論、研究に必要な情報は、自分だけでなく、周囲の協力も得ながら収集していくのが効率的です。
これも、分析の3つの型をそのまま活用できます。(但し、上から目線、人任せは論外です)

それでは、企業研究のポイントについて説明します。
法律上、企業は「法人」と呼ばれ、一個の人格として扱われているように、「企業=人」という見方ができるのです。
したがって、企業研究の進め方も、その人(企業)の人柄や考え方、さらに得意分野などを調べて行くこととなり、まさに自己分析と同じ手法を用いることができるのです。

これまで説明して来た手法を、対象を企業にして応用すると以下の様な関係性となります。

【自己分析】→【企業研究】
● 性格特性 → 事業内容・提供品目
(商品・サービス・技術・アイデア・機会など)
● 行動特性 → 事業展開・設備環境
(生産・製造・販売・開発・調査・教育・など)
● 価値観  → 事業目的・経営理念
(地域社会への貢献・経済的影響力・企業価値など)
★ 未来の私 → 事業目標・求める人材
(能力・人柄・適性・将来性・期待感など)

この様に考えると、企業研究のポイントがある程度整理され、少しやり易くなるのと、後で自己分析との相違点を把握し易くなるのではないでしょうか。

対人力アップに繋がる企業研究

企業研究は、自己分析の一貫でもあると同時に、対人力の強化にも繋がることを、ほとんどの学生が気付いていませんが、それは研究方法を知らないからだと思うのです。
これまで説明してきた自己分析は、元々自分の心の中や周囲にある情報を収集し整理し発信するというものなので、自分が主体とります。
しかし、企業研究の場面で自分が主体となるのは、PCで求人サイトの求人情報を閲覧し、「好き嫌い」「興味のあるなし」「条件の良し悪し」などの、判断基準を決める場面だけで、「仕事の内容」「その仕事の醍醐味」「達成感」「面白さ」といった、感性に触れる部分は、単に情報を見るだけでは、(実際にやるまでは)想像がつきにくいのが現実です。
だからこそ、経験者に聞くのです。未だやっていない事を、あれこれ考えても永久に答えは出ないし、自分では分からないことだからです。

「企業研究こそ、経験者に聞け。」が私の考え方です。

そして、人に聞くための行動を起こし、どんな聞き方をするのかを考え、実際に聞いた情報を自分なりに整理して行くといった行為が、対人関係の強化に繋がり、やがては伝達力向上になるのです。

質問の上手な人は、伝達力の能力も高いのです。
誰に聞くのかは、インプットの他者の声の部分で説明した内容を、そのまま応用できます。

「人に聞く」という一見簡単な行為は、実は大変奥が深く、単に情報を得るだけではなく、質問力、会話力、語彙力、豊かな表情、言葉使い、気遣いなどのトレーニングにもなります。

特に、初対面の年長者に聞く方が効果的です。学内の就職支援課や、ハローワークをはじめとする公共機関、さらに民間の就職支援窓口など、幅広く利用して欲しいと思います。


シリーズ「大学生のための自己分析のススメ」その12

2017-09-02 | 仕事

就活が楽しくなる!そのカギは、私たちが日々”無意識”に行っている自己分析を早期に”意識化”することです。

「大学生のための自己分析のススメ」と題して、簡単にできる自己分析の手法と活用法を、分かりやすく解説してゆきます。
自分を知ることは周囲や世間とつながってゆくことを意味します。あなたにしかできない就活を楽しんでください。

【3-2】情報の統合と演出(自己PR)

いよいよ、情報発信に向けての最終段階である、話題(ネタ)作りに入って行きます。

前回までの3つの項目(性格特性・行動特性・価値観)の整理ができたら、次は情報の統合と演出という、最も厄介で悩ましい分野に突入します。まさにこれからの領域が冒頭に述べた「自己分析を難しくしている部分」です。
しかし私は、これから説明する内容は、自分なりのやり方とペースを掴むことさえできれば、きっと社会人となってからの方が役に立つことが多いと思っています。なので、どうか諦めずに、最後までやり遂げて下さい。
最初は難しいことでも、慣れてくると徐々にスピードも増し、最終的には楽しむことが出来れば、もう一生ものの表現法を身に付けることができると信じています。

情報の統合 

ここでは、自己表現の中でも特に自己PRの基になるネタ作りに焦点を当てます。

自分の中の性格特性、行動特性、価値観の3つの項目で作ったアウトプット情報を統合し、最も自分を的確に説明できるネタにして行く手法を説明して行きます。

下記に、2つの例を上げますが、ケース①は仕事に対する姿勢という視点、ケース②は組織に対する姿勢という視点の場合です。どちらも、同じ人物という設定とします。

ケース①:仕事に対する姿勢を軸に考える場合

性格特性:「熱くて責任感が強い性格です。」
行動特性:「忙しい時こそ、帰って冷静な行動を取ります。」
価値観:「熱くならきゃ仕事じゃない」が私のキャッチフレーズです。

統合し、ネタにすると・・・

「私は、熱くならなきゃ仕事じゃない!をモットーとして仕事に取り組みます。どんなに忙しい時でも、仕事に手を抜かない責任感が強みです。何事にも積極的にチャレンジする反面、冷静さも忘れない、熱さと冷静さのバランスの取れた人材を目指しています。」

といった感じになります。

ケース②:組織に対する姿勢を軸に考える場合

性格特性:「前向きでさっぱりした性格です。」
行動特性:「初対面の人には、自分から挨拶します。」
価値観:「私のモットーは自分に厳しく、人に優しく」です。

統合し、ネタにすると・・・

「私は、周囲の人と直ぐに打ち解けることが出来ます。初対面の人には自分から挨拶をし、自己紹介することを心掛けています。私のモットーは「自分に厳しく、人に優しく」です。新しい職場でも、前向きでさっぱりした性格を武器に、誰よりも早く先輩方に名前を覚えていただき、ビシビシ鍛えて欲しいと思っています。目標達成に向け絶えず努力することで、先輩方に信頼される存在になりたいです。」

といった感じになります。

自己PRのPとRって何の頭文字か、知ってますか?

私は、かつてハローワークで出会った若者のほとんどに、この質問をしたところ、たった一人しか答えられませんでした。
「PR=宣伝・広報」と答えた学生は数人いましたが、「Public Relations」と即答したのは、大学で宣伝や広報の研究をしていた学生一人だけでした。

なぜこんな質問をするのかというと、ほとんどの若者が自己PR=すごい自分・優れている側面というイメージが強すぎるからです。
宣伝という言葉が、そのような連想をさせるのかと思いますが、私はPublic=公の Relations=関係という意味を素直に受け止めて「普段の自分」で十分だと思っています。
「誰もが知っている自分こそ自己PRだ」と捉えると、インプットの他者の声で集めた情報がすべて自己PRになると言っても良いくらいです。
つまり、自己PRは、そんなに難しく考えなくてもいいということです。

次回は、自己PRに企業研究の成果を入れる演出方を紹介します。