Youth worker Support【未来を創る若者たちへ】

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シリーズ「魔法の添削」その7~印象アップのテクニック~

2017-05-31 | 仕事

今回は、ちょっとした工夫で印象をアップさせることができるテクニックについて解説します。

過去形ではなく現在進行形を使おう

多くの人が無意識に過去形を使う質問の代表が「志望動機」です。
例えば「私は○○なので貴社を志望しました。」「私が貴社を志望したのは○○がしたいと思ったからです。」といった表現のことです。

いずれも間違いではありませんが、”過去に思った”より”未来への思い”を印象付けるには、現在進行形の方が伝わりやすくなります。
つまり「私は○○なので貴社を志望いたします。」「私が貴社を志望するのは○○がしたいと思うからです。」といった表現にすると、少し感じが違って伝わるという訳です。 

「言い切り」や「期限設定」を活用しよう

「○○がしたいと思う。」→「○○をします。」または「○○を3年以内に行います。」

「○○のような社員を目指します。」→「1年後には○○のような社員になります。」

「私の強みは○○だと思います。」→「私の強みは○○です。」さらに強調して「私は○○には自信があります。」

この様に、特に強調したいフレーズは、目標の期日を示したり、語尾を強くする工夫を加えるとインパクトが増します。

肝心なのは、「言い切る事」です。
多くの人が、出来なかった時の事を想像するためか、または無意識に言い切りの表現を避けてしまいがちですが、実は読む方には、言い切るくらいで丁度良いのです。
なぜなら、貴方の事を何も知らないからです。
普段の貴方の人柄や言動を何も知らない人が読むので、少し大袈裟な表現でないと伝わりにくいものです。(過大評価はだめですが・・・)
勿論、全てにおいて強調や言い切りを使う必要はありませんが、曖昧な表現や必要以上に控えめな表現は、分かり難い上に自信の無さを想像させてしまうので、少し大袈裟かな?と思う位の表現で丁度良いと考えましょう。

但し、言い切った事には責任を持つ事も忘れてはいけません。「3年以内に」と書いたら、実際にそうする事です。「○○をします。」と書いたら、実際にすればよいだけです。

クローズクエスチョンを上手に活用せよ

クローズクエスチョンは既に説明した通り、事実を端的に確かめる場合に使われる質問法ですが、そのほとんどは回答枠が小さいため、文章というより単語や短いフレーズでの回答となるのが普通です。
だからこそ、読み手にインパクトを与え印象をアップするチャンスにもなるのです。

勿論、回答枠の大きさにもよるので注意しましょう。(マーク方式や選択式には使えません)
幾つか具体例を上げると以下の通りです。

 
質問例 普通の回答例 インパクトのある回答例
希望職種 営業職(です。) 営業職で成果を出します。
希望勤務地 福岡支店を希望(します。) 福岡支店で活躍したいです。
健康状態 良好(です。) 心身共に丈夫です。
趣味 旅行(です。) 国内旅行(です。) 仲間との小旅行を楽しんでいます。
登山(です。) 自然を満喫できる登山です。
読書(です。) 推理小説が好きです。
特技 ピアノ演奏(です。) ○○のピアノ演奏に自信があります。
英語(です。) 英会話(です。) 洋画を字幕なしで鑑賞します。
POINT

企業側が単に確認したい内容でも、少し言葉を添えるだけで印象は変わるものです。
多くの人が、文字数の多い質問ほど力を注ぐ一方、簡単な回答には手を抜く傾向があります。
どんな簡易な質問にも手を抜かず、読み手の受け止め方を考えて記入しましょう。
勿論、普通の回答が悪いと言う訳ではありません。大切なのは「自分の何を伝えたいか」です。
ここで知って欲しいのは、クローズクエスチョンでも個性を発揮できる場合があるという事です。

次回は、エピソードの使い方について解説します。


シリーズ「魔法の添削」その6~基礎的な質問の攻略法~

2017-05-29 | 仕事

志望動機・自己PR・趣味・特技などはよく登場しますが、一味違うアピールをしたいなら、あえて飾らず媚びず、素の自分を開示することをお勧めします。

(1)志望動機に関する固定観念を捨てよう

「企業理念」は的外れ

ほとんど全ての企業が様々な表現で志望動機を尋ね、多くの人がその回答に悪戦苦闘します。
それは、志望動機が、その答えによって採否を左右する程の重要な質問である事を誰もが認識しているからです。
しかし、多くの人が志望動機に「企業理念」を取り入れており、採用担当者をガッカリさせている事を知りません。
実は、志望動機に企業理念を取り入れるのは的外れだからです。
では、どのように攻略すべきかを紹介します。
そもそも、企業はなぜ志望動機を尋ねるのか?志望動機とは何なのか?との問いに明快な答えを持っている人はほとんどいません。
単に「志望動機は重要だ!」と思うだけでなく、なぜ重要なのかを考える事が、攻略のカギなのです。

では、志望動機について説明して行きます。
まず”志望”とは「望みを持って志す事」ですが、言い換えると「自分はこうなりたい(こうしたい)」という意味です。
そして”動機”とは「行動を起こす直接の原因または目的」ですが、言い換えると「なぜなりたいの?(なぜしたいの)」という意味になります。
この二つを合わせると「自分は○○になりたい、なぜなら○○だからです。」となります。
つまり、志望動機は貴方の未来を尋ねるための質問なので、貴方が応募するに至った経緯(過去の出来事)ではなく、入社後の貴方は何がしたいか、どうなりたいかを尋ねる質問だという事です。
多くの人が「貴社の○○という経営理念に感銘し・・・」という旨の回答を書きますが、実はこのフレーズは的外れな回答という事になります。企業理念は多くの人が感銘するような語句で書かれているので、それを伝えるだけでは、貴方の未来姿は分からないので、結局何も届かないのと同じ事になります。
ほとんど全ての企業は、貴方が思った「この会社を受けよう。」という”過去の思い”より、「この会社に入社して○○がしたい、○○になりたい。」という”未来への思い”の方を重要視します。
従って、企業が志望動機を尋ねるのは、「貴方はちゃんと先の事を考えて当社に入りたいと思っている人なのですね。」という確認をしたいからです。
言い換えると、「一時的な衝動で応募した人かも知れない。」または「とりあえず内定が欲しいからという理由だけで応募した人かもしれない。」だから、志望動機を尋ねて本気なのか確認しよう、という意図があるのです。

但し、質問の中には「貴方が当社を志望した”きっかけ”は何ですか。」「貴方が当社を知った経緯を教えてください。」などという明らかに過去を問う質問もありますが、この場合は質問に従って、過去の思いを回答すれば良いのです。しかし、企業理念は出来るだけ避けた方が良いでしょう。
または、「貴方は将来どんな仕事がしたいですか。」「10年後の貴方はどうなっていますか。」などという、明らかに未来を問う質問には、そのまま未来への思いを回答します。
しかし、分かりにくいのは、「貴方はなぜ当社を志望するのですか。」あるいは単に「志望動機」という場合ですが、この場合もやはり未来への思いを回答すべきです。
本来、動機とはこれから行動を起こすという未来に向かっての方向性を意味する言葉でもあるからです。

志望動機は「立派」でなくても良い

志望動機においてもう一つ重要な事は、志望動機は必ずしも立派でなくても良いという事です。
また、単純明快な程、他者に理解され易いという事です。どんなに立派で高尚な志望動機でも、その説明が難解で相手に理解されなければ、単なる宣言や標語になってしまいます。ましてや、志望動機が立派過ぎて実現できないとなれば本末転倒です。
志望動機には立派さや高尚さよりも、実現性や期待性の方が重要です。
言い換えると志望動機は思想や夢ではなく、実行・実現だからです。
従って、貴方がしたい事(なりたい自分)、なぜそうなのかを純粋に表現する事だけで良いのです。
未来に向けた、実際の貴方の姿を示し、相手に期待させるために書くのが志望動機です。

志望動機には「手法と期限」が必需品

最後に、志望動機にはどのようにしてそれを実現するのかという手法(手段)と、それを何時までに実現するのかという計画性が必要不可欠です。
前述の通り「自分は○○になりたい、それは○○だからです。」と言うのが志望動機ですが、どの様にして何時までにという説明がなければ、単なる”意気込み”に過ぎないからです。
どんな質問もそうですが、まず相手に理解されて初めて判断材料となります。
採用担当者は単なる意気込みだけでは判断できないので、それが意気込みだけではなく、実現可能な未来図だと知ってもらうために「手法と期限」を入れて伝えるのです。
以上をまとめると、志望動機には、①単純明快な表現②具体的な目標や期日③手法(手段)の3つの観点が必要となります。

(2)自己PRで「宣伝」すべき事

自己PRの意味

自己PRは志望動機と同じく、ほとんど全ての企業が様々な尋ね方をします。また、企業にとっても、貴方にとっても、大変重要な質問と言えます。PRとは、単に宣伝(広告)と訳されます。
従って自己PRは「自分を宣伝する事」と言う意味となります。
しかし、多くの人は自分の宣伝をする時に「自分の実績や誇りとなる出来事」あるいは「自分の強み」などを探します。確かにそれはそれで間違いではありませんが、採用担当者の多くが知りたがっているのは「貴方が周囲の人々に、それについてどの様な評価を受け、どんな印象を与えている人か。」です。
本来、PRとは「Public Relations」の略語で、直訳すると「公的な関係性」という意味になります。
つまり、自己PRとは「自他共に認める(公の)自分を開示する」という意味になります。
人は誰でも、普段の人付合いの中で、互いに影響し合います。そして、様々な印象や評価を受けます。
“実績”や”誇りとなる出来事”や”強み”などは、そのほんの一部に過ぎません。
ましてや、自己PRは自慢でもなければ、謙遜でもありません。さらに言及すると、人に誇れる実績だけが、自己PRのネタではなく「自分が人にどの様に評価され、どんな印象を与えているのか。」を表明する事が主題でなければなりません。そして、実際に周囲の人に聞いてみて下さい。
人に確認し、自分でも振り返り、自他共に認め知っている自分を探す事が自己PRの攻略法です。
これから関わりを持つ人々に、貴方がどんな影響を与えて行きたいのかがアピールすべき内容です。

長所と短所の答えは自分の外にある

自己PRには、長所・短所を先に尋ねた上でPRさせる方法や、単に長所・短所だけを尋ねる場合、さらには、そのどちらか一方だけを尋ねて、長所なら仕事に活かせる場面を、短所なら改善努力などを尋ねる方法もあります。いずれにしても、この質問は「自分の価値」を問われていると捉えましょう。
実は、長所・短所というのは「誰にとっての・・・」という視点が重要です。
ほとんど全ての人が「自分にとっての」長所・短所を考えてしまい、結果的に「好きな自分が長所、嫌いな自分が短所」というような判断をしがちですが、それは半分間違いです。
先述に“自分の価値”と大袈裟に表現したのは、単なる「好き・嫌い」で決めて欲しくないためです。
この質問で、採用担当者が本当に得たいのは、「周囲の人にとって・・・」という視点に立った情報です。
貴方の本当の長所・短所は、貴方の周囲の人が既に気づき、知っています。
本来、人の価値は他者が決めるものです。
勿論、自分を客観的に見るのは大切ですが、他者が貴方を必要とするか否かは、貴方が他者にそうするように、貴方と関わりを持つ人が決めるのです。
つまり、自分の長所・短所は自分だけでなく、周囲の人がそう思っているのかが重要なのです。
前述の「公の自分」をさらに分類し、良い影響を与えている部分が長所、何も与えていないか、迷惑となる部分が短所という解釈をしてみて下さい。やはり、実際に人に聞いて確認するべき質問です。
そして、周囲に良い影響を与える部分の長所を、今後さらに磨きをかけて成長する自分を魅力としてアピールし、短所は課題意識を持って改善に向けて努力している自分をアピールすれば良いのです。

自己PRに大切な方向性

これまで、自己PRは「公の自分」という視点で説明して来ましたが、もう一つ大切な視点があります。
それは、「未来の自分(だれも知らない自分)」の創造という視点です。
「今の自分が将来どんな自分になっていたいか。」あるいは「将来自分はどうあるべきか。」という未知の領域を想像し、実現させるプロセスを考えなくてはなりません。
応募書類に書く未来なので、単なる夢や希望ではなく現実的でなければ相手に理解されません。
自己PRの回答で、貴方が最も力を注ぐべき宣伝要素は「期待感」だと言えます。将来の自分の価値を企業に期待させる事が「宣伝する」という事です。
そして、期待感を伝えるために必要なのが、準備作業です。ただ単に「○○になります。」と書くより、
「卒業までに○○の資格を取得します。」「既に○○を始めています。」など、○○になるための、未来に向けた準備行動を示して期待感を与えることが、宣伝の要です。
この点は、志望動機と同じです。単に表明するだけなら誰にでも出来ますが、何時までに何をするのかを明確に書く事で強い意志や熱意が伝わりやすくなります。

(3)趣味・特技・資格は自己PRの補足と捉えよう

趣味を尋ねる意図

企業の多くが趣味を尋ねますが、それには2つの理由があります。
1つ目は、貴方の価値観・興味嗜好・交友関係・知識レベル・行動範囲・運動能力・性格などの、内面的な人柄や普段の貴方を探るのに非常に都合の良い質問だからです。
2つ目は、ストレス発散や、気分転換の方法や環境を持っているか否かの確認です。
一方、回答する方は「素の自分」を表現できるメリットがあると捉える方が良いでしょう。
自己PRでは、どうしても”仕事をする自分”という観点になりますが、趣味なら、自分の交友関係や熱中している物などを通して、自分の感性などの内面的な部分を知ってもらう事が出来るからです。
また、どんな仕事にも、ある程度の身体的、精神的負荷がかかるものですが、それを自分でリセットできる手法や環境を持っている、心身の管理能力という点でもアピールが出来るからです。

特技は”自慢”にあらず

趣味と同様に、特技を尋ねる質問にも、貴方の内面的な部分を知りたいという意図がありますが、さらに付け加えると、貴方の自信の源、または努力の証しなどを問う質問です。
特技は?と聞かれて、即座に答えるには、ある程度の自信が必要です。また、その特技が時間をかけて努力して習得したものなら、なおさら貴方の自信や誇りとなっている事でしょう。
しかし、企業が本当に知りたがっているのは貴方の自慢話ではありません。
特技を尋ねるのは「自分らしさを表現する手段」「自分の好きな能力の一部」を持っているか否か、またそれを、他者に言えるのか、という事です。
単に、人と比較し、競い合った結果、優れているから、勝るから特技とする。という考えは間違いではありませんが、それだけでは”浅い”という事です。
特技とは、技術的に優れているものだけではなく、個性の表現に役立つものという見方もあるからです。
例えば「ものまね」などが良い例です。決して上手ではなくとも「ものまねが特技です。」と言えば、ものまねで自分の個性を発揮し、周囲を和ませる人として、自分を宣伝できます。
問題は「どんな事を書けば良いか。」「特に際立った特技などない。」などと思っている人です。
先に言いますが「特にありません。」は書いてはいけません。
例えば、「漢検1級を目指して勉強中」「習字の猛特訓中」など、現在特技を習得中という情報や、「人の顔を覚えるのが得意」「臭いだけで誰だか分かる」などの”本能的な特技”でも良いのです。
さらには、これから身に付けたいと思っている特技を書くのも良いでしょう。
ここで分かって欲しいのは、特技=自慢ではないと言う事です。

「資格があれば安心」は迷信

多くの人が勘違するのが、資格を尋ねる質問への回答です。
「たくさんある方が良い。」「無いよりあった方が良い。」「資格がないのでどうしよう。」などと考えている人は、もう既に勘違いモードに入っているので、魅力的な回答が書けません。
資格の回答が重要な意味を持つ場合は下記の2つしかありません。
1:有資格者しか従事出来ない専門業務に応募する場合。(保育士・看護師・薬剤師・栄養士など)
2:企業が有資格者を求めている場合。(運転免許・簿記・医療事務・TOEIC・MOSなど)
企業は、単に貴方の資格の有無や数を知りたいのではなく、やってもらいたい仕事に必要な要件を満たす人か否かを確認したいので、資格を尋ねているのです。
上記1の場合は当然ですが、2の場合は企業の求めている資格を持っている事を明確に伝えるだけで回答となります。この場合はクローズクエスチョンと同じという事です。
問題は、求人情報には資格不問と書かれているのに、資格を書く時です。(履歴書など)
この場合はオープンクエスチョンなので、自己PRの補足として自分の興味のある事や、これから勉強したいと思っている事などを書くと良いでしょう。
または、自分の勉強方法や物事を記憶する手法などを紹介して”学習に対する姿勢”という観点で自分を宣伝するという手もあります。
勿論、企業は求めていなくても、自分自身が仕事に必要だと思う資格を有していれば、それを書くのも良いでしょう。
しかし、その場合はどんな場面で役立つと思っているかまで書ければ尚良いでしょう。

多くの資格を持つ人の宣伝法

前述の通り、資格は単なる数の問題ではありませんが、多くの資格を持つ人、中でもその資格を懸命に勉強して取得した経験のある人なら、尚更アピールしたいところとなるでしょう。
企業側が何も求めていなくても、資格の回答欄に書ききれない程の資格名を記入している人は多くいますが、実は単に列記しただけの資格情報は、読む側に取ってはそれほど重要な意味を持ちません。
いかに多くの資格を持っていても、職務上(実践で)使えるかどうかの方が大切だからです。
ではどのようにすれば、上手くアピール出来るのかを紹介します。
前述のように、資格も自己PRの補足であり、自分の内面的な部分を表現しやすい項目でもあります。
例えば、資格の多さに的を絞って、勤勉さや好奇心旺盛な部分を強調する手法、難易度の高い資格取得に的を絞り、その勉強法を披露するなど、資格名よりも、その資格の取得に至った経緯を軸に自分をアピールする手法、さらに資格取得のために日々の努力が実った一つの成功例としてアピールする手法などが挙げられます。
または、資格取得の実績を、物事に取り組んできた「証し」と捉えて”成果にこだわる自分”をアピールする事も有効な表現法と言えます。多くの資格を持つ人は、単に書き連ねるだけでなく、自己PRの一部として上手く用いる事をお勧めします。但し、どの程度で多いと判断されるのかは、人によって違いますので、周囲の人に相談すると良いでしょう。

次回は、印象をアップさせるテクニックについて書きます。


シリーズ「魔法の添削」その5~質問から読取る企業の意図~

2017-05-29 | 仕事

前回は時の流れで質問を分類するという話でしたが、今回は質問内容から企業側の意図を推測するという話です。

質問内容の分け方と、その意図は以下のようになります。

①自分自身についての質問

自己理解力・自信の度合い・客観的分析力・説明力など

②交友関係についての質問

円滑な人間関係が築けるか・周囲から吸収し学ぶ姿勢があるか・社風に馴染むかなど

③学校についての質問

自分の学校に誇りを持っているか・主体的に学校を選択したか・組織に対する帰属意識など

④学生生活についての質問

主体的な活動をしているか・目的を持っているか・人間的な広がりが感じられるか・身に付けた事

⑤志望動機についての質問

仕事に対する意欲の度合い・企業研究、業種研究の度合い・仕事観・自己実現への意欲など

⑥スキルについての質問

主体的に身に付けたのか・即戦力として使えるレベルか・資格という肩書に頼っていないかなど

⑦一般常識(時事)についての質問

社会に興味を持っているか・問題意識・自分の主義主張を分かりやすく説明できる能力など

⑧その他、ユニークな質問

想定外の出来事にも冷静に対処できるか・柔軟性があるか・臨機応変な対応力など

POINT

質問の分類は、応募書類だけではなく、面接の事前準備にも有効です。あらゆる場面を想定して、回答を用意しておく事です。但し、あまり型にはまらず「自分らしい表現」を優先して下さい。また、行きあたりバッタリの対応では限界があるので、キーワードや登場人物などで整理しておくと良いでしょう。

企業側の意図が分かりやすい質問の具体例

質問は無数に存在します。しかし、企業が何を知りたいのかという意図は、ある程度限られます。
以下に、企業側の意図別に具体的な質問を上げてみましたので、参考にして下さい。
大切なのは「的を外さない回答」を心掛ける事です。
採用担当者が、貴方の何を知ろうとしているのかを、質問をよく読んで推測してみて下さい。

主に、意思の強さや明確さを確かめるための質問例

・貴方の目標を具体的に表現して下さい。(未来)
・貴方は当社でどんな仕事をし、何を残したいですか。(未来)
・貴方の描く”仕事”のイメージを自由に表現して下さい。(現在・未来)

主に、企業研究の度合い(志望度の高さ)を確かめたい質問例

・当社を志望した理由を、同業他社との比較をした上で述べて下さい。(過去・現在)
・なぜこの業界なのか、なぜ当社なのかを教えて下さい。(過去・現在・未来)
・10年後の貴方はどんな仕事をしていますか。(現在・未来)

主に、仕事に対する価値観やイメージを確認したい質問例

・貴方の企業選択の基準は何ですか。(過去・現在)
・貴方は何のために就職するのですか。(過去・現在・未来)
・お給料以外に、仕事を通して得たいものは何ですか。(未来)

主に、自己認識の度合いを確かめたい質問例

・貴方は周囲の人からどんな人と思われていますか。(現在)
・自分の性格や特性が、どのように仕事に活かせますか。(現在・未来)
・貴方の課題は何ですか、またそれをどのように克服しますか。(現在・未来)

主に、社会情勢に対する意見や考え(常識度)を確かめる質問例

・最近印象に残ったニュースを教えて下さい。(過去・現在)
・貴方は今後の経済状況がどのように変化して行くと考えますか。(現在・未来)
・当社が、これからの時代にあった事業展開をするためには何が必要ですか。(現在・未来)

主に、度胸や覚悟、自信などを確かめる質問例

・就職活動について当社以外の状況を教えて下さい。(現在)
・入社後すぐに活かせると思うスキルはありますか。(現在・未来)
・貴方の個性はどんな場面で仕事に役立つと思いますか。(現在・未来)

主に、表現力・発信力・発想力を確かめたい質問例

・貴方を自由に表現して下さい。(過去・現在・未来)
・当社商品の○○にふさわしい宣伝文句を15文字以内で提案して下さい。(現在・未来)
・自分を表現する漢字を一文字選んで、その理由も教えて下さい。(過去・現在・未来)

次回は、基礎的な質問(志望動機・自己PR)のより具体的な攻略法を紹介します。


シリーズ「魔法の添削」その4~質問の分類と攻略法~

2017-05-29 | 仕事

オープンクエスチョンの攻略
質問をよく読んで、相手の意図を想像しながら書くには…(長文ですがお付き合いください)

(1)質問を時の流れで分類する

単に質問といっても、その数は無数にあります。なので、一つひとつ想定して行くと果てしなく課題が尽きないので、質問を時の流れで分類する事をお勧めします。
それは、「過去」「現在」「未来」「混合」の4つです。
それぞれの意図や対策は後で述べますが、ここではまず、応募書類の全質問が、それぞれどの部分に当たるかを分類し、その傾向で、会社が貴方のどんな一面を知りたいかを大筋で捉える事が出来るという事を知って欲しいのです。
ここでは、代表的なパターンを紹介します。
1:過去・現在・未来の比率がほぼ同じ(バランス型:幅広い情報が欲しい)
2:現在・未来の比率が高い(自己理解度重視型:課題意識や目標設定の有無を知りたい)
3:未来の比率が一番高い(企業研究重視型:仕事に対する理解度を推測したい)
4:未来の質問だけしかない(やる気重視:強い意志や覚悟の度合いを知りたい)
※「高い」とは質問数だけでなく、答える枠の大きさや文字数が多いものも含みます。
一般的に、規模の大小問わず未来を尋ねる質問に比重を置いている企業が多いと言えます。
それは「実際に起こる近未来のイメージが鮮明に湧いているのかどうか。」という事を知りたいからです。
就職を、単に「卒業するから就職する」と言った進学のような捉え方をしている人は、採用しても現場についてこられない、自発的に向上しない、やる気がないと判断されます。一方就職に強い意欲がある人なら、近未来の自分に夢や希望を重ねてどんな仕事をしているのかを想像しているに違いない、そういう人は未来の事を具体的に表現できるだろう。という論法が成り立つからです。
また、過去や現在を尋ねるのは、未来に対する信憑性(説得力)となり、「なるほど、だからこの仕事をしたいと思っているのか。」など、応募者への理解度が増し、より適正な選考に繋がるからです。
ではそれぞれの質問を、具体例を上げて説明して行きましょう。

(2)過去を尋ねる質問 ~過去の集積が未来を創る~

過去を尋ねる質問には、企業が知りたい情報が大きく3つあります。
1:どんな行動(行為)をしたか
2:どんな考え(感情)を抱いたか
3:その経験から何を得た(学んだ)か
そして、その情報をイメージしやすい「状況説明」として5W1Hを用いた説明も同時に求めています。
「誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように」という説明が、伝えたい情報によって的確に用いられているか否かを判断し、その人の説明力(伝達力)を推測するのです。
※5W1Hは以下に説明する質問でも同じように重要です。

質問の具体例

これまでで最も力を注いだ事と、そこから得た事を教えて下さい。

質問から企業の知りたい情報を読み取る手順

この質問でまず注目すべきは、「力を注いだ事」という点です。この時点で、企業側の求めている情報が、前述の1:どんな活動(行為)をしたか、と読み取る事ができます。仮に「最も感動した事」と聞いている場合は、前述の2:どんな感情を抱いたか、という事になります。
次に注目すべきは「そこから得た事」という点です。これは捉え方により「考え方」「技術」「具体的な品物」「地位や名声」など、様々な解釈が出来ますが、この場合「仕事に役立つ事」という視点で考えるのが無難です。
よって、企業側の知りたい情報は、「その経験がどのように仕事に活かせると思うか。」という事が推測できます。
そして最後に「これまでで最も」という言葉です。多くの人がいつまでの期間なのかで悩みます。
例えば「最も」なのが「小学生2年生のサッカーのシュートの練習」など、遠い過去の場合です。
この場合もやはり「仕事に役立つ事」という視点で考えます。
単に古いとか最近かではなく、その経験がどの程度仕事に活かせると思うのかを重視し、自分が最も相応しいと思う出来事に決めるのが良いでしょう。
いかに古い出来事でも、それが自分らしさを語るのに必要不可な出来事なら、または仕事をする上で欠かせない価値観を得た事なら(大きな分岐点や価値観を変えた事など)、自信を持って伝えるべきです。
但し、質問に「学生時代に」とか「ここ最近で」などと期間指定がある場合は、それに従います。
そして、その期間の中の”最も”なことを選んで書くと良いでしょう。

POINT

過去を尋ねるという事は、単に思い出話しを聞きたいのではなく、その経験がやがて仕事に活かせるという未来の暗示に通じているからです。
「ある成功体験をした人は、仕事においてもそれを再現しようと頑張るかも知れない。」
「苦しい事を体験した人は、心が強く人に優しく出来るので、丁寧なサービスが出来るかも知れない。」
「一生懸命努力を重ねて来た人は、目標を持って真面目に仕事に取り組む社員になるかも知れない。」
「人の上に立つ経験をした人は、組織の和を重んじ、人に従う事も出来るかも知れない。」
「クラブ活動を頑張った人は、チームワークを意識して集団行動に直ぐに対応できるかも知れない。」
など、このように過去の情報は企業側の欲しい人材になる要素があるか否かの判断材料となります。
ここで気付いて欲しいのは、如何に過去の事を尋ねていても、それは必ず未来(就職後)の貴方を想像するために聞いているのだ、という事です。

(3)現在を尋ねる質問 ~今は過去と未来の架け橋~

現在を尋ねる質問で企業側が知りたいのは、「自信の度合い」と「課題意識」です。
一見、相反する事のように思えるかも知れませんが、これは自己理解度の中の2大柱です。
ここでいう自信とは、自己満足ではなく、客観的に自分を分析し、自分の性格や能力、さらに興味を理解した上で、他者にそれを開示・主張出来る状態にある事を指します。よって、内に秘めているだけの誰も知らない自慢話や、勝手な妄想で作り上げた幻想の自分を装うのではなく、自他共に認める、ありのままの自分という事です。言い換えれば「自分を受け入れている人」「自分が好きな人」となります。
自分の事をどの程度分かりやすく表現できるかという技量を確かめる事で、自信の度合いを判断します。
また、課題意識とは、向上心とセットになっているかが重要です。単に自分の短所や嫌いな所を知っているだけではなく、それを課題として捉え克服しようと努力している人か否かを知りたいのです。
課題克服力は社会人として重要な要素と言えます。

質問の具体例

自由な表現で自分をアピールして下さい。

質問から企業の知りたい情報を読み取る手順

この質問で誰もが悩むのが、「自由な表現」という点です。文字通り自由なので、文章だけでなく、絵図やグラフ、更に色を付けるのも良いという事になります。
ここで重要なのが、自己分析です。「自由」と言う言葉にどのような反応をするか、と言う事です。
自分をよく理解している人は、あまり迷わず自分が得意な表現法を選ぶでしょう。しかし大半の人は「自由ってどの程度?」、「どんな風に書けば好印象を与えるのだろう。」などと考えてしまいます。
これは、自分の意思の前に、相手の趣味嗜好に合わさなければいけないという暗示に掛っているからで、まさに企業側の仕掛けた細工なのです。答えは無限にあり正解などないのに、「自由」という言葉だけで見えない制限を与えている質問法です。貴方の発想力を試す質問と言っても良いでしょう。
なので、攻略は簡単です。素直に受け止め、自分が最も得意な表現法を選ぶ事です。
更には、自分が楽しんで書く事です。この手の質問は白紙の枠に書かせるパターンが普通なので、キャンパスに作品を書くという感覚で、貴方の発想力をフルに生かす事をお勧めします。
このような質問をする企業の多くは、そんな貴方の自由な発想力やユニークなアイデアなどを求めています。非常識でなければ、型にはまらない自由さは若さの特権でもあるからです。
勿論、内容も重要で、自分の何を伝えたいのかを明確にしてから、それを最大限表現できる手法を考えるのが妥当です。当然、文章でも構いませんが、どうしても企業側に知って欲しい事を素直に伝える事を心がけて下さい。飾らない素直さも、企業側の求める人材像の一つです。

POINT

今の自分は過去の集積であり、未来に向かう通過点である。という捉え方が出来ますが、企業経営者の多くは「今こそ大事」と言います。今という一瞬を大切に出来ない人に、明るい未来はないという意味です。更には自分の事を大切に出来ない人は仕事も上手く出来ないという事に繋がります。
自信を持つとは、自分を好きになる事です。今の自分を受け入れる事です。人に自慢出来なくても、人より上手く出来なくても、自分が好きな自分を探して下さい。必ず見つかります。

(4)未来を尋ねる質問 ~未来は自分で切り拓くもの~

前述の通り、未来を尋ねるのは鮮明なイメージがあるのかどうかを確かめたいからです。
更に付け加えると、近未来の予想すら出来ない人は、仕事の上でも「次に何をすべきかが分からない人」という風に判断されます。どんな会社にも”仕事の流れ”があり、職場は常に効率を追求し、成果を上げるための工夫を強いられるものです。そこで重要なのが、次に何が起こるか、何を準備すべきか、どのように対処すべきか、といった、先を読む能力です。指示された事だけを淡々とこなす能力ではなく、常に先を考えて行動できる能力が備わっているどうかを判断するのに都合が良いのが、未来の事を聞く質問です。言われた事をするのは当たり前なので、あえてその対応力を確かめる必要度は低いのです。
企業にとって大切なのは、この人は自発的に自分のなすべき事を見出せる人なのか、或いは、多少の時間教育をすれば、そうなれる人なのかを判断する事なのです。
今は、多くの企業が厳しい経済状況の中で切磋琢磨している時代です。そんな時代にこそ、自主的に自分を向上させようという意識の高い「主体性を持った人材」が求められています。
なので、未来を尋ねる質問は選考においても非常に高いウエイトを占めます。
また、企業分析力も重要な要素となり、どの程度研究しているのかによって、志望度の高さを探ります。
いくら希望していても、その会社がどんな事をして何を目指しているのかが分かっていなければ、志望度は低いという判断になります。
企業研究の一番の攻略法は先輩に聞く事です。実際にその会社で働いている人に話を聞くと、近未来の自分がリアルに想像しやすくなり「そこで働く自分」のイメージが湧くからです。
イメージが湧かないのに、未来の事は書けないし、話せません。

質問の具体例

貴方は当社のためにどんな活躍が出来ますか。

質問から企業の知りたい情報を読み取る手順

この質問で重要なのは、「当社のために」という点です。この言葉の意図は、「社員一人ひとりの活躍が会社を生かすのであって、会社は社員のために存在するのではないよ。」という意味です。
裏を返せば、「会社依存の強い人は当社にはいらないよ。」と言っているのと同意語となります。
なので、このような質問をする会社に応募する人は、「自分も会社を支える一員となるのだ。」という強い決意が必要です。また、このような会社は報酬が高い分、要求度も高いかも知れません。或いは実力次第で若くして出世できる会社かも知れません。まさに、企業研究力が試される質問という事です。
もう一つ重要なのは、「どんな活躍が」という点です。多くの人が自分の能力の中で何か良い答えはないものか、と悩むところですが、大事な事を見逃しています。
それは「いつ」とは聞いていない事です。いつまでにという制限がない事に注目して欲しいのです。
現実には、何がどの程度出来るかは入ってみなければ分かりません。それは企業側も百も承知で、ましてや新卒を採用する上で、すぐに使い物になるなど初めから考えていません。
なので、この質問で知りたいのは応募者の自己理解力と計画設計力です。
「自分の今の力量を把握した上で、いつの時点でどんな活躍をすると計画しているのか。」となります。

POINT

未来の事は誰にも分かりません。しかし、未来に希望を持ち想像することは誰にでもできます。
どの企業も、現実の明日がどうなるのかなど分からないまま動いていますが、「どうにかなるさ」という経営をしている企業などありません。どの企業にも計画や目標があり、明確な経営目的があります。
だからこそ、自分の未来を、希望を持って想像し、いかにして実現させるかを考えている人を求めます。
また、その想像の未来を、他者に堂々と自信をもって言える人を探しているのです。
自分がその会社に入ったら、いつ、どんな活躍がしたいかが肝心で、出来るようになる、変われる自分を想像する事です。今の自分には出来ない事が、1年後には出来るようになっているかも知れません。
この質問の攻略は、「何が出来るか(今の能力)」を「何がしたいか(未来の能力)」に発展させる事です。
この考え方が出来るようになると、自然に目標が立ち、どうやって実現するかという手段の選択が出来るようになります。そして、それ自体が仕事に役立つようになります。
しかし、問題なのは「自分は能力なんてない。」と決めつける心です。多くの人が勘違いしていますが、元々能力とは人に自慢するためのものではありません。能力とは、貴方の個性を構成している部品のようなものです。生まれながらに持っている能力もあるでしょう。しかし、ほとんどは後天的に身に付けるものです。なので、仮に貴方がこのような考えがあったとしたら、次のように考えて下さい。
「幸運にも、自分にはこれからどんな能力も身に付けるだけの余力があるのだ。」と。
話の冒頭に戻りますが、この質問は時期を聞いていません。なので、これから貴方が身に付けたい能力をいつ頃身に付け、どの時点で発揮するのかを想像するだけで良いのです。
貴方の未来は、貴方の中にしかありません。自分と向き合い、素直に想像して下さい。


シリーズ「魔法の添削」その3~ESから読取る企業の意図~

2017-05-29 | 仕事

エントリーシートから読み解く企業の意図を理解しよう

質問の数

応募書類の中でも、企業側が作るエントリーシートは、その企業の考え方が顕著に出るので、その質問数だけでも、応募者にとって重要な情報が潜んでいるかも知れません。
多くの人が、質問は少ない方が良いと考えがちですが、実はそうではないのです。
勿論、質問内容と質問数の関係をしっかり分析しなければ、企業側の意図は掴みにくいと言えます。
しかし、書類選考を行う企業の中で、質問数の少ない(3問以下の)企業は、初めから的を絞った採用選考(落とす選考)を考えているケースか、選考に関わる人数が少ないかのどちらかだと推測できます。
逆に質問数が多い(10問以上の)企業は、様々な情報を集め、その人の色んな側面を推測しながら判断したいという意図が伺われます。よって、書類選考の段階では通過が前提となるケースが多いと言えます。加えて、選考に関わる人数が多い事も予想されます。
全てとは言いませんが、企業が質問数を決める過程で考慮するのは、処理時間と必要な情報収集の2点に集約されます。処理時間とは、実際に読んで判断し、分類し整理し返信するといった、いわゆるマンパワーに掛かる時間の事で、情報収集とは、単に書類選考のためだけでなく、次の選考(面接やグループ討議など)を意識した情報も含んでいるという事です。
応募者の割に採用に関わる人手が少ない企業は、より効率的な選考を考える必要がありますが、一方では適正な判断もしなくてはなりません。そこで、最初の入り口となる書類選考を大きなフルイと位置付け、企業が前もって想定している人材像に近いと思われる人だけを厳選して次に進めるといった具合になる訳です。よって、最初から的を絞った質問を選び、その答えに企業側の欲しい情報を書いている人のみを選ぶといった手法となり、質問数も少ないという事になります。

クローズクエスチョンとオープンクエスチョン

質問には大きく分けて2つのタイプがあります。
一つはクローズクエスチョン(閉ざされた質問)、そしてオープンクエスチョン(開かれた質問)です。
クローズクエスチョンとは、答えがイエスかノーか、又は答えに制限がある質問です。
例えば、「転勤は出来ますか。」「福岡と神奈川のどちらの営業所を希望しますか。」「運転は出来ますか。」などです。どの質問も、理由は様々ある事でしょう、しかし答えそのものには制限があります。
履歴書の中では住所や学歴などを記入する右側に相当します。
一般的にクローズクエスチョンが使われるのは、応募者の意思の確認のため、或いは統計上必要な情報を得るためという目的が多く、後日、面接などの選考時に念押しや再確認をされる事があります。
なぜなら、そこに書く答えは事実しか書けないからです。例えば、「転勤出来ますか。」という質問に対して、自分は転勤したくないと思っているのに、転勤出来ると答えた方が、評価が高いと勝手に思って「出来ます。」と答えても、それはウソを書いている事になるだけです。勿論、その答えを見ただけでは、嘘か否かは相手には分かりませんが、やがて面接など別の選考で念押しされるので、いつかは分かってしまいます。また、顕著な例としては学歴です。これは嘘の付きようがなく、事実を有りのまま書くしかありません。資格などの記載も同じです。
この様に、クローズクエスチョンは、事実を端的に答えさせるのに有効な質問なので、応募書類の中にも多く使われています。率直に事実を書く事が最良の手段です。
一方、オープンクエスチョンはその逆で、答えに制限がない質問という事です。
例えば「自己PR」「当社で挑戦したい事を教えて下さい。」「10年後の自分はどうなっていますか。」
「当社を志望した理由は何ですか。」「学生生活で最も力を入れた事は何ですか。」「趣味は何ですか。」
などです。どの質問も、常識の範囲であれば答えに正解などはなく、応募者の人柄や意欲、目標など、内的な部分を明らかにさせる質問です。履歴書では左側の自己紹介書に当たります。
オープンクエスチョンは、ほとんどの応募書類で選考に対する重要度が高い質問として使用され、応募者の個性や能力などを判断するのに用いられます。
多くの人が悩み苦しむのは、ほとんどがオープンクエスチョンです。
しかし、「何をどう書けば良いのか」と悩むのは当たり前です。初めからスラスラ書ける人などいないのが自然です。
次回は、どのようにして攻略すればよいのかを説明して行きます。