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あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

『真田丸』33話「動乱」 旗を掲げる理由

2016-08-23 00:19:59 | 大河
2016年大河『真田丸』33話「動乱」のネタバレ感想のようなものまとめ。



拳を握り理由、解く理由。多分それが関ヶ原への行動原理。




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■(このあと三成辛いから最初くらいテンション高めに)



「いつ?」
「今夜」


夜討ちだ夜討ち!!

保元の乱だ!4年前のリベンジだ!!
(のっけから平清盛の話です。)



佐近さんちぃーっす!!



■暇じゃない江雪斎


信繁がばったり会ったのが、江雪斎。


「北条が滅んだあと各地を転々としましてな。今は金吾中納言様のもとにおります。数奇なさだめでござるよ」



江雪斎様、暇じゃなかったし、夜討ちの話がっつりスパイしてた。
(三成もこれくらいのヒソヒソ感で計画立てればいいのに)



■城下町を見下ろして



「今ここで家康を討ち取ってよいのか、それが豊臣のためになるのか。私には皆目わからぬ。霧の中だ」


「かつては真田のためにとそれだけを考えればよかった。だがやると決まったら討ち漏らすわけにはいかぬ。どう攻めるか……」



もしかして、オープニングのあの雲って。
雲だけじゃなくて霧の中としての演出も込めてるのかな。

ところでこの天守閣から城下町を見下ろす構図は、割とよく見る構図。
中でも11回『祝言』でみた画とよく似ているようで対照的でもありました。



このとき信繁は「私はどこへ向かうのですか?」と、信幸に問いました。
信幸は「悩め、源次郎。それでも前に進んでいくしかないだ」と。



また、12回『人質』でも、横にきりちゃんを置いて「見晴らしがよいということは、逆に言えばどこからでも丸見えと言う事だ」と話していました。


今回、横にいるのは三十郎。
「これほど悩んでいる源次郎様は初めて見ます」と。



■徳川家康の行動原理


 

「まだ死にとうないわ」からの 「面白い」

うーわー、このタヌキ。
というか今週も本多サド守正信。


家康くんの行動原理は『死にたくない』
だから伊賀越えをあんなに必死で乗り越えたし、戦はいやだし。
そんな家康がラスト、大坂夏の陣でどうやって「日の本一の兵」と対峙するのか楽しみです。




「お前たちはここを死んでも守るのじゃ!」
「あとはこの本多平八郎忠勝についてまいれ!」


(ついていけば死なないような気がする)



■直江兼続の行動原理



「これ以上御屋形様を巻き込むのは勘弁してもらいたい。おぬしが頼めばあのお方は出来ぬ約束をされる。わしはもう御屋形様の苦しむお姿を見とうはない」

久々のチベスナじゃない直江殿。

家康くんの行動原理が「死にたくない」ならば、直江殿の行動原理は「御屋形様の苦しむ姿を見たくない」
そういえば12回『人質』でも言ってたっけね。



困っている者をみるとまず先に力になると約束してしまう御屋形様。
そんな御屋形様の願いを叶えて差し上げたい。
でも御屋形様は出来ない約束もしてしまう。
そのことで苦しむ姿をもう見たくはない。

やだもうこのセコム、どストレートに泣ける。

って御屋形様はこのやり取りを聞いていて……



「すまぬ…源次郎」

ああもう、信繁が頼む頼まないの前にもう苦しんでるよこの月9ヒロイン。



■犬伏カウントダウン



「今更徳川のために戦えるか。わしはこないだ刺客を放ったばかりだぞ」

ああ、そうだったな。確かにその通り。

…パッパ、出浦様のこと思い出してちょっと辛そうな目してない?
……もう帰りたい?




「敵味方に分かれて戦うのだけは勘弁してくれ」
「戦にならぬことを祈るのみです」


関ヶ原カウントダウン開始。
ってことは犬伏カウントダウン


……ああこれ辛い。
仲良し兄弟見せといて、喧嘩したけど仲直りしたの見せといて、でもやっぱり犬伏の別れは来ちゃうんだ。




■石田三成の失敗


寧様のところにやってきたのは加藤清正と福島正則。


「佐吉に味方するか、徳川様につくか、どちらが豊臣のためになるのかさっぱりわからんのです」

 

これに対し寧様は、そんなの決まってるじゃないか。
いくら徳川が憎くても三成は頑固すぎ。
徳川に加勢して、回避させなさい。
伏見で戦はしてはいけない。
だってそれは秀吉の願いだから、と。
うわあ先週に、三成が寧様から信用失ったのがもろに響いてる。




■おかしな宵


豊臣の御旗を掲げるため、大坂城にやってきました三成。
前田利家らに相談するのですが……。


「秀頼公ご出馬などもってのほか」
「もし万が一こちらが負けたらどうするのです」


利家には「諦めろ」とダメ押しされてしまい。



ああー、みっちゃんお腹痛い。

そのころ淀殿。
三成が来たっていうけど何をしに来たのか知らない。
伏見で何が起ころうとしているのかも知らない。


「一体何をしにしたのですか?」
「おかしな宵ですね」


『おかしな宵』。
秀吉の遺言を守ろうと奔走してるのに、悉く失敗する今宵の三成の本質を突いてる気がした。

それにしてもこの淀殿は、直前の寧様とはまた対照的。
「争い」から徹底的に遠ざけられて、自ら知ろうとはしない。
逆に寧様は三成や徳川の渦中にいる。

さらにまた別の立ち位置にいるのがきりちゃん。
信繁から「どう思う?」と聞かれて
「石田様、しまったと思ってますよ」と。

大坂にきてからあれこれ経験積んできた田舎のヤンキーが、一番バランスとってる。




■振り上げた拳で心を殴る


寧様言われて徳川屋敷にきたはいいものの、納得がいっていないのが加藤清正(あの「君側の奸」ってものすっごくdisられたことを知らない)。
どうしても、と三成に会おうとします。


「おまえが内府を憎んでることはよーくわかった。だが力づくで倒そうなどとお前らしくなかろう。どちらかと言えばわしだ!」

そうだな、そうだよな。
力づくで主人公を井戸に落とそうとしてたもんなあ。

いや、井戸とかそういうことじゃないんだろうけれども。
「自分の全力でもって何かを守る」というのが加藤清正の行動原理なのかもしれない。


しかし、これに聞く耳を持たないのが三成クオリティ。


「やらねばならぬときはやるのだ!」
「おまえはそういう男ではない!」
「私はそういう男だ!」
「わしにはわかる!」


なんなん?この暑苦しい男の友情。
いいぞもっとやれ、もっと……あっ……(´;ω;`)

 
「よっぽどなんだろ?よっぽどなんだよな?」
「何を言っているのだ?」


ああもう佐吉、コミュニケーションとれよ!!
行間読み取れよ!!

(その前に顔が近い)


「振り上げた拳どうしたらよいのか困っておるのだ。わしと腕相撲しようじゃないか!」

佐吉ぃ!!

腕相撲しろよおお……
それ一番平和的な解決方法だろお……



「まことの戦になったらわしはおぬしを殺すぞ!」
「望むところだ」


もうさ、なんなのこれ。
月9なの?
学園ドラマなの?
喜劇なの?


それとも悲劇なの?




■柿食えば?


こんなことになっちゃってお腹痛い三成。
ああそうだ、細川忠興を忘れていた。

で、ひとりでやってきました。



干し柿をね、持ってきたんですよ。
忠興が「懐かしいなー」ってちょっと言おうとしたら



いきなり本題。
これに怒った細川忠興。

「確かに加藤清正や福島正則みたいなコネ出世は好きじゃないけど、それよりなにより『柿好きだっていうから柿持ってきた。だからこっちの味方について』ってさなんで俺はおまえにガキ扱いされてんの?ふざけんなバカ野郎とまでは言ってないんですが、

 
「それ以上におぬしには怒りを覚えるのよ」


「これより徳川屋敷に向かい内府殿にお味方する」




(「帰れ」って言われたみっちゃんのお腹大丈夫かな)

それにしてもこのコミュニケ―ション能力の低さはエグイ。



■大谷吉継の行動原理


そこでやってきました大親友・大谷屋敷。
そしたら何やら戦支度。

「泣いておるのか?」
ってほとんど目が見えないはずの大谷殿は三成の心をくみ取ったかのように声をかけるのですが……


「徳川内府が要となって秀頼様をお守りしていく。それ以外に豊臣の世を守る道はない」

大谷殿の行動原理は、豊臣の世を守るということ。
そのためにはいくら「殿下の遺言」であろうと、優先すべきことを考えなければならない。


石田三成、おまえもそうだろう?わかっているんだろう?と言い聞かせるように強く言う大谷殿。

 

今ならまだ間に合うから兵を引け。
おまえを咎める者がいればそれは私が抑える。
それで豊臣の世を守っていければそれでいいじゃないか。

そう言う大谷殿に対して、でももう手遅れなんだ。もう遅いんだ、と三成。
三成だってわかってる。
豊臣の世を守りたいのなら、秀吉の遺言「家康を殺せ」を守る必要はない。
むしろ家康を殺してはいけない。


それはわかってる、わかってるけど。
この振り上げた拳をどうすればいいんだと。




今回33回はとにかく治部が辛いんだけど、ここが一番辛かったです。
というかここまでの『真田丸』を通して、私個人的に石田治部に肩入れはしていなかった(というより家康派だった)のですが、
ここで初めて「西軍につきたい」と思いました。

こんなのリアル人間関係の中にいたら「不快にさせる男」そのものだよなーと思っていたんですが。
でも「なんだか応援したくなる」不思議。




■信繁の策略


今すべきことは信繁もわかっていました。
石田三成に加勢して徳川の首を討ち取ることではない。
今は三成を止めるときだ、と。



そのとき、選んだのがこの人。


「石田様ではなく徳川様にお付き頂きたいのです。石田様をお救いいただきたいのです」



あのタヌキ昌幸を利用しようとする信繁。
いやきっと昌幸は利用されているのをわかっているんだろうけど、信繁は昌幸は利用されているのをわかっていることもわかっていそう(ややこしい


信繁のこの時点での行動原理は「佐吉を守ること」なんですね。
三成も信繁も秀吉の遺言に従ってるんだけど、でも違うベクトルに作用している。




■徳川屋敷


徳川屋敷に大谷殿がつきました。

「大谷刑部はひ…秀頼公の家臣でござる」

(ここの声の出し方、控えめに言ってもめちゃくちゃすごかった)



大谷殿が味方になってくれればありがたい、と駆け寄る家康。
反論されてもそれを受け入れる家康。
他の武将が注視している目の前でそれができる家康。

この芸当、どう考えても三成にはできない。



■上田のカリスマ・真田昌幸


徳川屋敷にもうひとりやってきました。
真田昌幸。

いきなり徳川屋敷の地図を広げるのですが……
いやいやちょっと待って、なんでこの人地図持ってんの。



そっかー!
暗殺しようとしてたのこの人だったー☆


……って視聴者には思わせておいて、屋敷の武将たちには
「わ、出た!」
「いやほらこの人第一次上田合戦のカリスマだから」
「あっほらなんか軍議はじめるって!」

って押し通しちゃうのがライフ回復したようなパッパです。



  

「はーい、じゃあ会議はじめまーす」
「ていうかなんで遅刻した真田くんが仕切ってるんですかー」
「意見のある人は手を挙げてくださーい。あと名前も言ってくださーい」
「……加藤っす」
「ぼくはいいとおもいます!伊達です伊達です!
「ぼくもいいとおもいます、細川です




初対面のはずなのに、妙に息のあった自己アピールの強い伊達&細川。
なんだこの軍議コント。



「真田くん、そもそも刺客送ったのも石田くんなんだってよー」
「マジでー?」


ど の 口 が 言 う か 。




■義のためなら命を捨てられる男


細川の旗に次いで真田の旗までもが徳川屋敷に立ったのを目の当たりにした三成。
勝敗はもう決していることがわかっていながらも、拳のおろしところがわからない三成は「討ち死にする覚悟で自分だけで乗り込む」と陣営に告げます。


「これはあくまで石田治部ひとりが引き起こしたことでござる」

ウッキーを止めて、そのウッキーには今後のことを任せる。
辞することで責任取ろうとするなんて、ほんとに官僚三成……

「佐吉は正気にございます」って20回『前兆』で言ってたけれど……
「石田治部」は「佐吉」には戻れないんだなあって。


もうだれにも止められない。
そんな三成を制止したのは信繁でした。


「いけませぬ!石田様にはまだまだ生きて頂かねばなりませぬ」

「どきませぬ。石田様は常に天下安寧のために働いてこられました。時には太閤殿下にさえ逆らった。命懸けで天下万民に尽くしてこられた姿を私は見てきました。あなたにしかなしえないこと!己の欲で動く徳川内府には思いもつかぬことでございます!死んではなりませぬ」


さすがの長台詞。
『リーガルハイ』のコミモンではないけれど、堺雅人さんの長台詞は聞き終わった後がとても気持ちいい。




さらにそこにやってきたのがこの2人。



上杉の御屋形様は直前まで、「義のためなら命を捨てられる男・石田三成」について考えていました。
さらに「ならば自分はどんな男なのだ」と。


「徳川内府はわしが倒す」


「御屋形様は本気になられたのだ」


義のために命を捨てようとする男を守る。
義のために命を守る。それが上杉景勝の行動原理なのかな。
それがいいことなのかどうなのかは別として、いかにも『真田丸』の上杉主従らしいな、と。


石田三成、加藤清正、大谷吉継、直江兼続、上杉景勝、徳川家康、真田昌幸、そして真田兄弟。
他にも多くの『行動原理』が明らかになっていますが、その先にあるのが関ヶ原と大坂の陣。
ここまで丁寧に石を置いて、過去のエピソードに矛盾がないように回収されていく。

控えめに言ってもとんでもない芸当だなとは思いますが、それをやっちゃうのがまたすごい。




「大戦じゃ。我等で徳川に大戦を仕掛けるのだ。そのときは必ず来る。今は命を繋ぎ時を待つのだ」

そう言って三成をハグする御屋形様。



大天使・カゲカツエルのハグだもんな……
みっちゃんの握りしめた拳も解かれるよね……

(信繁も嬉しそう)



三成は軍備を解きました。



それにしてもこのヤマコー三成。
『そのとき』が近いこと、『それから』のこと。
ヤマコーさんはもちろんは知ってるんだけど、三成は知らずに生きてるんだなって思わせるの毎回すごい。

歴史にたらればは禁句だとはいうものの。
石田三成が生き残っていたらまた歴史は変わっていたんだろうな。
それを見たいなあと思わせる。

んな今年の関ヶ原がもうすぐはじまる。




■徳川家康の自信


軍備を解いた三成、それを知った家康。
思った以上に自分のところに武将が集まったこと。
細川忠興、大谷吉継、さらには真田昌幸まで。


「これはいけるかもしれんなあ」

天下を取る。
徳川家康が持っていなかった自信は、三成のコミュニケーションによってつけられたもの。


そのために江雪斎や本多正信を暗躍させる、なんていう三谷サド脚本


「おぬしの真のねらいはこれであったか」
「殿は腰の重いお方故」


どいつもこいつも内臓真っ黒のタヌキだらけだな!

……と思っていたら、こっちにもタヌキがいました。



最後、家康に声をかけて去っていく真田昌幸。

あれだな、きっと最後に一人残って徳川屋敷の図面を完成させてたんだろうな。
隠し扉の位置とか探してたんだろうな。


真田昌幸は先週「帰りたい」って言ってたけど、気持ちはあの上田城に帰った、というかあのときの楽しさを取り戻したんだろう。
そんな力強い背中に見えました。






■次回、34回『挙兵』


もうすぐ関ヶ原。
35回は『犬伏』、36回は『勝負』と控えています。



この崩し将棋は1回『船出』のリフレインかな。



セコム直江の長いお手紙が届くようなのですが、とりあえず御屋形様かわいい。



■おまけ













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