口腔ケアに関してはわりと勉強しているほうだと思う。
前の職場のケアマネさんが歯科衛生士出身で、あらゆる口腔ケアのうんぬんを叩き込まれたせいもあり。
今日は看護学校にて、口腔ケアの講義。
色々と聞きながら、
「Aさんの口ん中、バイオフィルム全開だったな」
「Bさんのケアしてたらスポンジがすっぽ抜けたんだっけ」
そんなことを思ったり。
思い出すのはケア自体だけじゃなくて、他にもいろいろ。
確か後 . . . 本文を読む
いつだったか元同期と話した記憶がある。
「19の『熊じいちゃん』は泣けるよね」
恐らく歌詞は長崎に住む実の祖父の話なんだと思う。
しかし『僕の中であなたは生きてます』という歌詞は、高齢者介護という仕事をして、何人かの死を見つめて、初めてグッとくるものがあった。
「私の中であなたは生きてます」
そう呟くときが今でもある。
「入居者の死を忘れられない」
と上司に言ったことがある。
「感情移入し過ぎ . . . 本文を読む
死臭、と言うのも嫌なのだけれど。
「もうすぐ(亡くなる)かもしれない」
といった状況くらいは判る。
活気がなくなり、便、呼吸に異常が見られる。
早番で朝食の介助をしようとしたら、1人の入居者さんが顔面蒼白だったもので驚いた。
近くにあった血圧計でバイタルをとる――低い。
夜勤の社員さんに伝え横になってもらったあと、
「Aさん、顔面蒼白だったので臥床して頂きました。バイタル○○の○○です。チアノー . . . 本文を読む
これは以前の職場で使っていた仕事道具たち。
合否はまだ出てないけどとりあえずバイト探しだけでもしておこうと。
病院にしたって介護施設にしたってメモ帳は必須道具です。
それで退職してから初めて開いたノート。
この小さなノート。
同じフロア担当の先輩から
「これ一冊ちょうだい!」
と言われた代物です。
ナースからも
「これステーション(待機場所)に置いといて、ケアさん全員見られるようにしといたほう . . . 本文を読む
朝起きたら雨が降っていて。
気持ちが良かった。
そういえば入社式も雨だったっけな。
朝御飯を買いにコンビニに行く。
たかだか500mを歩くくらいだけど、霧雨が気持ちよかった。
土手には素敵な偶然も待っていて。
――埼玉帰ったら毎朝散歩しよう。
そんなことを考えた。
昼過ぎになって本降りになってきたから。
傘を買いに出た。
雨なら傘を持って、晴れたら上着脱いで、そうやって生きていけばいいんだよね . . . 本文を読む
もう大きな荷物は運びだして。
リサイクル業者の予約も済んで。
掃除も大体終わっていて。
でも何から整理すればいいのかわからない。
「寂しくなるよ」
「本当に帰ってくるんでしょうね?私待ってるからね」
「形見。あんたにあげる」
「少しだけでも一緒に夜勤組めて本当によかったです」
「あの元気なかけ声が聞けなくなるのか」
「もうちょっと、一緒に働きたかったな」
「でも昨日の夜勤、あんたでよかっ . . . 本文を読む
〔赤とんぼ〕
夜勤明け、別件で残るため仮眠をとっていたらイベントにかりだされる。
……というかもう見てられないオペレーションだったためもあり。
「あれっ、まだいたの?」
と先輩社員さん。
「別件で残っていたんですが……こうてんやわんやな状況をみるといてもたってもいられなくなるのが私の悪い癖なもので」
「なんか右京さんみたいな台詞だなあ」
ここんとこ全身状態がイマイチなおばあちゃんを、バイタル . . . 本文を読む
今日の休日プチ出勤は引継業務のため止むを得なかったのだけれど、それでも気心知れた人たちとの仕事で楽だった。
「大丈夫?」
と上長に聴かれ、
「大丈夫です!」
とは言い切れなかったけど、
「今日は調子がいいです」
と素直に言えた。
そのあと同僚と昼ご飯を食べた。
美味しかったのはきっと、誰かと一緒に食べたからなんだろうと思う。
久しぶりに普通の休日を過ごした。
病院をハシゴするか、もしくはずっ . . . 本文を読む
眠れないなら起きていればいい。
食べられないなら食べなければいい。
そんな状況だったから限界まで追い詰めてみた。
人体とはなかなか不思議なものだ。
素直におにぎりを食べたいと思えたし、横になった途端着替もせずに眠ってしまった。
少しだけ、光が見えてきたような気がした。
「今日はあまり食欲がなくて」
「なんだか眠れない」
そう訴える入居者に
「そういう日もありますよ」
と言うのが仕事なのだ . . . 本文を読む
ミスチルの一番新しいアルバム『Supermaket Fantasy』。
『HANABI』が名曲なのは言わずもがな、『水上バス』と『東京』が気に入った。
ケツメイシの『東京』も好きだけれど、ミスチルの『東京』はまた全然違う感じがして良かった。
『水上バス』は「こんな恋したいな」って思った。
◇◆◇◆◇◆
今更ながら小悪魔女を目指す春。
「今月中に運命の人に出会えるでしょう」って言われたもんだ . . . 本文を読む
もう何を卒業したりするような歳でもないのだけれど、桜の季節になると笑いころげながら大泣きしていた頃を懐かしく感じる。
普段は思い出す暇さえない人たちに会いたいと思う。
あの頃のあたしに何を言おうか考える。
◇◆◇◆◇◆
10歳近く離れた中途入社の社員さんにアドバイスを求められた。
あたしが教えられることなんて大体が『いかに楽をするか』、悪く言うところの『サボり方』くらいなのだけれど。
夜勤中 . . . 本文を読む
先日、社員旅行で箱根に行ってきました。
社員旅行はともかく、箱根も何気に人生初です。
夜勤明けで参加のくせにやたらとテンションが高い。
登山鉄道に涙したり。
超絶景の大涌谷に涙したり。
宴会芸に頑張る本社の偉い人に涙したり。
……杉並木に涙したり。
2日目は同じ夜勤当番にあたった人たちと箱根観光。
「かれこれ50時間近く一緒にいますね」
仕事の話からプライベートの話まで、世代も生まれも全然違う . . . 本文を読む
伊豆土産の桜蕎麦も、スタンダードなかつおだしの味に飽きてきた。
シーチキンと一緒にバターで炒めて、ペペロンチーノの粉を合えてみた。
『春色ペペロンチーノ』の完成。
パスタじゃなくて焼きそばだけどまぁいいか。
「春なんて来るのかなあ」
そんなことを呟きながら、桜の味を満喫してみる。
◇◇◇
江ノ島に行ってきた。
海をみたくなったから。
トビに煎餅を狙われながら、龍恋の鐘を目指してみた。
カッ . . . 本文を読む
給料日の次の休みにやることは決まっている。
都市銀行で今月分の生活費を下ろして、まとまった額は郵貯の預金に移す。
都市銀行で通帳記帳したときは
「低い……」
と深い溜め息をつくしかないのだけれど。
郵貯銀行で記帳して、毎月少しずつ増えてく数字を眺めると
「あとちょっと、あとちょっと」
少しずつ夢に近付いている気がする。
おろしたばかりの生活費を封筒にいれて、ポケットにつっこんだ買い物メモを取り . . . 本文を読む
春は嫌いだ。
頭がずっとボンヤリしていて、四六時中車酔いしている気分になる。
過去だか未来だか、夢だか現実だか判らなくて、でも何でもよくて、白く霞んだ世界に不意に泣き出したくなる。
1ヶ月ぶりの故郷だなんて言うとやけに近しいものに感じるけれど、それでもあたしは待ちどおしかった。
激務を片っ端から処理出来たのは「今日は絶対埼玉帰るんダ」と決めていたからだと思う。
秋を過ぎてからはそういうふ . . . 本文を読む