9月某日、バイト先にて。
以前、自分の葬式を幻視した入居者さんは三途の川を渡らずに帰ってきた。老健待ちの高齢者とは言い難い入居者さんは、無事に老健入所が決まった。
色々と一段落した9月某日。ほっと一息つきながら、日勤に出勤すると妙に慌ただしさに気付く。パトカーがとまっていて、警官と宿直者が話をしていた。
「6時に行ったら体が冷たくて」
短期入所のMさんが亡くなった。その死を発見した夜勤の社員さ . . . 本文を読む
特養の介護バイトにて。
「右麻痺、失語……要介5……」
短期入所の新規利用者フェイスシートにはそんな情報が先行して載ってるので、大体の利用者象を予想しながら介護の絵を展開していく。
しかしあからさまに覆され驚かされることもある。
「……65歳?脳梗塞の発症は半年前?え、なんでここにいるの?!」
私のぼやきを聞いた夜勤者がウンウン頷く。
「……まだ早いよねえ」
「……65歳なんてまだまだ若いですよ . . . 本文を読む
世間はお盆休み真っ最中だが、そんなことは全く関係ない特別養護老人ホーム。むしろ盆と正月は繁忙期。盆だろうが正月だろうが関係なく入浴は週2回だし、オムツ交換やバイタル測定はしなきゃだし、猛暑は相変わらずだから脱水には注意しなきゃならない。
「ケアプランも盆正月仕様作ってくださいよ」
と職員のほうが脱水になりながら、入所者の水分チェックをしつつ夕方の申し送り。ケアマネは苦笑する。
「Aさん、水分量足り . . . 本文を読む