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『真田丸』20話「前兆」 殿下、そこから何が見えていますか。

2016-05-23 19:51:13 | 大河
2016年大河『真田丸』20話「前兆」のネタバレ感想のようなものまとめ 

  

名探偵源次郎からの寧様&三成殿の株爆上げ回。


※眺め、じゃなくて長めの作りです。




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■おさらい副音声


「京、聚楽第。」
「三成を見る信繁。平伏す信繁。出ていく三成。出ていく大蔵卿局。続く信繁」
「座り直し、平伏す信繁。信繁に近づく秀吉」


二度目だってのに怖い怖い…

「信繁の前に座る茶々。信繁の顎に手を添え顔を上げさせ、目を見る茶々」
「茶々を見つめる信繁」


信繁その目見ちゃだめえええええ。

「押し花を見ている信繁。押し花をつまむきり。口に入れる」

きりちゃん口に入れたけど、『のみこんで』はいないの……



■おこうちゃん


記憶を取り戻した松さんが帰ってきた。

 
「また皆で一緒に暮らせるのですね」

笑うこうちゃんと、苦いもの噛んでるようなお兄ちゃん。
ああお兄ちゃん。

そしてお兄ちゃんが離縁を告げます。


「一体…何がいけなかったのでしょうか」

こうちゃん、こうちゃん……


「真田は徳川に逆らったら生きてはいけぬ」

お兄ちゃんの涙を受け止めるこうちゃんが……
信幸にこれを言わせる脚本が……
ネタ要員だったはずのこうちゃんを涙展開に使う三谷さんが……



そういえばこうちゃん、誰よりも真田の一族を思っていた嫁さんでした。
源次郎と梅の祝言が行われた11話『祝言』では、梅ちゃんの婚礼衣装の着付けをしたり。
隠密に事を運ぶために源次郎たちを宴会場にひきつけたり。
お兄ちゃんの本音を聞いてあげる膝クッション役だったり。


ごめんねごめんね。
渾身の雁金踊りを『死霊の舞』とか『交霊儀式』とか『エクソシスト』とか言ってごめんねえ……




■昌幸パッパのライフ回復


ところで信濃に帰ってライフ回復した昌幸パッパ。


「実はわしも断るつもりでおったのじゃ。しかし源三郎がどうしてもと」

あっパッパ、やっぱり人のせいにした!!!


「これ、やめるか?」

どの口が何を言っておるのか。

でも知ってる。
パッパはきっと上洛回のとき、息子たちにまた別の思いを抱き始めたんだろうって。
パッパ本当は優しいって知ってるもん。



で、こうちゃんは離縁ということになり里へ帰ることに。
佐助に書状を託すのですが、唇をわなわなさせて受け取ろうとしない佐助。



佐助、気づいてるんだ。
これ信幸の本心じゃない、昌幸の策だって気づいてるんだ。


でもお兄ちゃん「わきまえよ!」って。

ああもしかして佐助、3話で信幸騙してたの引きづってんのかなあ(涙



■「生きていれば必ずいいことがあります」


 
「ぶっちゃけおこうさんのこと覚えてねえんだけどね」
「わざわざ言うなし」


松姉ちゃん絶好調。


「でもめげずに生きていてくださいね。生きていれば必ずいいことがあります」

生きていればいいこともある、とつぶやいていた昌幸パッパでしたが。
記憶を失くして行方不明になっていた当人である松さんからこういう言葉が出るのはいいなあって。



真田の郷を守り続けてきた女性たちが暖かいなあって。




■稲が来た。


信幸と稲が婚礼を挙げることに。
と、そこに存在感出し過ぎる家来衆が。


「せっかく化けておるのじゃ、そっとしておこう」



娘に涙を流す存在感抜群の忠勝パッパ。
それを優しく見守る昌幸パッパよ。



■これは大泉洋。



さて、どうにかこうにか2人になった稲と信幸。


「なんでも言ってくれ」
「よろしいのですね?」
「構わぬ」

「寒い!!!!」


ああ、忠勝パッパがいないから寒いんだ稲様……
忠勝パッパ、見るからに体温高そうだし、いるだけで暑そうだもんな……
(いや多分純粋に寒いんだと以下略

じゃあ羽織るものを、とそこにいた侍女に声をかけたら。
薫さまの計らいで、稲つきの侍女になったというこうちゃんが。


「おいおいおいおいおいおいおい」
「無理だ!無理だ無理だ理だ!!」

今嫁のお手伝いさんが前嫁。
3人は一つ屋根の下で暮らすっていう。


確かに無理な案件www
「騙された」な信幸が完全に『大泉洋』www


このあと昌幸が信幸に「素直に喜べ」と言うのですが、稲と離れることになった忠勝とかけているんですね……



■徳川家康という男




ここ最近、家康くんのキャラがえらく変わってきてる気がする。
それも自然な形で。
家康が力をつけているんだなあと。

前にも昌幸の策に気づいてたのあったけど。
豊臣家のお世継ぎ問題に気づいてるあたり、なんだかメタ的な存在感……




■海の底の都


 

……おや?
海の底の都がザワザワと……


『平清盛』の話です。



■正室側室のマウンティング大会



さりげなーくマウンティングする寧様。


さりげなーくマウンティングし返す茶々様。


その勘には自信がある阿茶様。
(家康から何か聞いてたんだろうな)


なんか心の中の舌打ちが聞こえるきりちゃん。



真田の女性たちと同じ4人なのに、なんでこっちはこんなに張り詰めてるんじゃ。




■聚楽第落首事件


茶々様やっぱりご懐妊。
テンションたぎって廊下を駆け抜ける殿下。



いつも思うんだけどよくこの衣装で猛ダッシュできるよねって。


ところがどっこい。
その茶々様ご懐妊を揶揄する落書きが発見されました。

門番が見つけて、三成に報告。
三成は「さっさと消しておいて」とするも。

偶然通りかかった片桐殿が、「あああーーー」とすぐ殿下に報告。
で、秀吉は「おいこらふざけんな」と激おこ。


「(マジ片桐ぃ、この抜け作……)」

平野のおっちゃんの目線がもう。
(片桐のこの報告癖もまた「伏線」なんですね……)




■名探偵源次郎


三成から調査を命じられた平野と信繁。

 

来週から新番組はじまりそう。
『見た目は青年、中の人は堺雅人!その名は名探偵信繁、真実はいつもひとつ!』


いや『古畑源次郎』でもいいかな。


どっちでもいいんですが、最近大坂城しんどかったもんね。
なんか久しぶりに「命の危険がない業務」に信繁楽しそう。



「何だかおまえすごいな」

若干引き気味の平野のおっちゃんの警部感。
(回を重ねるにつれて平野のおっちゃんがツボ)



■ウィキ三成、大谷大辞典


いったん報告に来ました。

 

ウィキペディア三成大谷大辞典による刀狩りの解説。

ってそれ算木じゃね?算木……やっぱり算木だよね……
……おや、また海の底の都がざわざわと……


『平清盛』の話です。

集めた刀はいったん溶かして釘にして、方広寺の大仏様に使うという。
これなら百姓たちも刀出しやすいでしょ、と大谷大辞典。

刀を奪われた百姓は……?
戦乱の世を生きてきた人たちは……?
なんとなく昌幸の姿が重なりました。



源次郎の頭がいいので、次々と報告するんですが。
「ちょっと、俺も言いたい」風な平野のおっちゃん。



平野のおっちゃんのポンコツっぷりいいなあwww



■生きて役に立つべき人


「本願寺がフリーダムすぎるから治部殿どうにかして!」と頼んだ源次郎。
……治部殿がじわじわと景勝様に近づいてるのは気のせいか……

源次郎に頼まれた三成がやってきたのは、病床に臥せっている秀吉の兄・豊臣秀長のもとでした。
本願寺に一筆書くと話す秀長。


「病になんぞかかってる場合ではないな」

秀長おじさん、ほんとだよ……

残された豊臣家の良心。
歴史にたらればは禁物だとは承知ですが、「この人が生きていれば」と思わざるをえません。




■生きてても役に立たない人


本願寺の道休を問い詰める源次郎と平野。(主に源次郎)
道休はその身の上と心持をあかしました。


「どうせ生きてても何にも役に立たねえ男だ」

野良仕事には向いていない。
刀も取り上げられて、喧嘩もしてはいけない。
やっとありつけた警備の仕事だけれども、何もすることがない。

『刀を奪われた百姓』と前述しましたが、ここにいました。
道休が秀吉政権(秀吉本人ではなく)の暗部なのかなと。

笑顔で優しく刀狩りを説明していた大谷殿の裏側にいる、秀吉の治世の影。
前回『恋路』で、「秀吉は光?」と書きましたが。
光があれば必ず影が出来る。
それがどんなに明るい治世でも、そこに人がいる限り必ず暗部がある。



それにしても「生きていても役に立たない」とは。
「生きていればいいことがある」と話していた松さんに随分対比的。



道休は真実を告げます。
「落書きをしたのは俺じゃない」と。


「俺は字が書けねえのさ」



■石田治部と大谷刑部


で、またこれを報告に行ったとき。
「落書ごときに騒ぎ過ぎだ」と大谷殿。



「殿下に一言いってくるわ」と立ち上がる大谷殿を止めたのは、三成でした。

大きな声や動きを出すわけでもなく、切実に何かを訴えるような目線で引き留める。
その迫力よ……


大谷殿なら殿下に諫言することができるってわかってるんだけど、でも大谷殿は三成にとって「大事な人」。
そんな大谷殿に死なれたくない。


ならば殿下に諫言するのは自分しかいない、と。



……大谷殿、図書委員感パネエ。



■そこから何が見えていますか


誰かどうにかしてくれないか、と源次郎が次に頼ったのはきりちゃん。
きりちゃんと秀次のコネから、秀次に秀吉への諫言を頼むことになります。



ところが……

「何も分かっとらん!」と激昂する秀吉。

自分のことは別に何を言われても構わない。
サルだのハゲネズミだの散々言われてここまで来た。
だが生まれてくる子どものことを言うのは許さない、と。



どこか辛そうに見えたのは気のせいだったんでしょうか。
何も分かっていないのは秀次ではなく秀吉。
何も見えていない、霧がかって見えているのでは。

確かに耳と鼻を削ぎ落すってサイコパスな発言だけど。
狂っているというより苦しんでいるように見えました。


きりちゃんと秀次の今後が地味に気になる。
絶対避けられないアレとかどうなるんだ。




■北政所


 

50代のおっさんとは思えない子供のようなはしゃぎ方。
その直後に源次郎の「殿下がわからない」をつなげたのが巧いなと。


そこに寧様が通りがかりました。


「殿下が恐ろしゅうございます」
「殿下はお変わりになられた」


正直過ぎるきりちゃん。

それに対して

「殿下は昔と少しも変わっとらん」

諭す寧様が、また複雑な表情。


「明るく振る舞ってはいるけど実はそりゃあ冷たいお人。信長公よりず~っと怖いお人。そうでなきゃ天下は取れません」

秀吉の笑顔に隠された秘密。

思えば秀吉の初登場は6話『迷走』のワンカットでした。
笑顔で酒を注いでいる猿。
清正たちと一緒に野山を駆け回っていた猿。


(このころ懐かしい……)

野山から戦場へ、百姓から太政大臣へ。
そして信長公をのみ込んで。


その中でサルだのハゲネズミだのどころじゃない屈辱的な言葉は散々言われてきたことでしょう。
屈辱をひとつひとつ覚えていて、でもそれを力に変えていく。


その力はきっと明るく笑い飛ばすような光ではなく、じめっと根に持つような冷たさ。
きっと白い闇。


そんな冷たさがないと天下はとれない。
「あの人は闇堕ちしたんじゃない。元から闇だった」
にゾッとします。

秀吉は光じゃない、白い闇。



■「見つからなければいいことです」


三成、大谷、源次郎のもとに知らせが届きました。

17人の門番が磔にされた夜、もうひとりの門番・尾藤道休が死んだという。
……もしかして、殺された…?

ちょっと話反れちゃうんですが、落ち着いて考えると、規定18人の門番のうち、半分の9人はその日は非番だったんですよね。
でも非番だろうが出勤だろうが関係なく、磔っていう…



で、源次郎が思いついた策。
死人に口なし、道休に罪をかぶってもらおうというものでした。


「これ以上、無駄な死者を出さないための策でございます」

おもえば8話、『調略』のとき。
春日信達暗殺の時、策を使いこなす昌幸・信尹兄弟に「俺はあの人たちが怖い」と言っていた源次郎。

その後、梅ちゃんに「少数の犠牲は厭わない、守りたいものを守る」「そういう侍になればよいのだな」と答えを出した源次郎。

犠牲は仕方がない。
でもそれは最小限に。
守るべきものは守る。


梅ちゃんの言葉がここに生きてくるとは。
梅ちゃんきっと喜んでるよ、TBSで。
『重版出来!』の話



じゃあ源次郎は何を守ろうとしてるんだろう?と考えると。
それはもしかして尾藤道休の『生きた意味』なのかなと。


刀を奪われ、生きる意味も術も失った道休。
その姿に、「どこで間違えた」と問いかけた父の姿が重なったのかもしれません。

生きていて役立たないのなら、死んでから役に立ってもらう。
死んでからこそ生きることがある。


『日の本一の兵』と言われた真田源次郎信繁本人の姿も重なります。


殿下を欺くことになる、と躊躇する三成。
にやりと笑った源次郎は。


「露見しなければよいのです」

『見つからなければいい』。
前回の冒頭で茶々も同じことを言っていました。
この大坂城において生き残るためのキーワードなのかもしれません。




■佐吉と秀吉


三成が秀吉に報告に行きました。
が、秀吉の怒りは収まっておらず。

さらなる犠牲が出そうになったとき。
「これ以上の殺生は無用でございます」と諌めた三成。


 
「血迷うたか、佐吉」
「佐吉は正気でございます」


冒頭、「風呂でもひゃーるか」と懐かしい郷里の言葉でやりとりしていた2人。
(三成はダダ滑り感あったけど)

幼名で「血迷うたか」と問う秀吉。
「正気でございます」と佐吉自身も自分の幼名で返す。

「あなたにずっと仕えてきた佐吉がこの命を賭して言っているのですから、どうか聞いてください」と聞こえてきたような気がして……


それにしても、切腹を命じらたとき。
「石田三成はまだまだ先」とはわかってるのに、すっげえ怖かった。





■「秀吉様は耄碌なさったんか」


しかし暴走する秀吉を止めたのは、佐吉ではなく寧でした。

 
「いい加減にしときゃーよ!」
「そんな道理ものみ込めんほど、秀吉様は耄碌なさったんか!」


この力強さよ。
秀吉にとって『戦友』たる寧の言葉。

三成の言葉が届かなかったのは辛いところですが、ここで一旦熱を冷ましてくれたのはよかった。




■源次郎でーっす☆


一番疑っているのは秀吉自身。
でも聞くのは怖い(だって鳥羽院も……ねえ)

じゃあ私から言いますね、と現れたのは茶々。

 
茶々「この子供の父親は源次郎です」
源次郎「うぉい!!」

源次郎の胃壁が剥がれ落ちた!!

というか源次郎の胃に一気に穴があくような冗談飛ばす茶々様。
「んなわきゃねえだろ!殿下に決まってんだろうが!!」
と続けるのですが。

あえての源次郎を冗談に使うのが、一周回って秀吉に対しての説得力をもたせるのかなと。



三成には「お前は黙っていろ!」と庇われて(庇われたというか止められて)。
茶々には「源次郎との子でーっす」なんて冗談言われて。

まあみんな源次郎大好きなんだろうけど、でも源次郎こりゃ生きてる心地しないだろうな。

とにかく寧様も茶々様もGJ。
(GJなのか…?本当にGJなんだろうか……)




■そこからの眺め


ところで、落首事件。
真犯人像が明かされます。

それは秀吉の治世への不満を抱く民であったと。




匿名である大衆の恐怖。
これまで誰も味わったことのない天下、誰も観たことのない眺め。

それは、誰も感じたことのない恐怖。


「生きていても役に立たない」と話した道休のが映した時代の暗部。
「何も分かっていない」と秀次に激昂した秀吉自身が感じている迷い。

それは秀吉にとって、すべて恐怖だったのかもしれない。
その恐怖が怒りに変わって、この事件を起こしたのかもしれない。


 

ラストカット。
捨が誕生し、あやす秀吉で終わります。

いやー、「いかがにござりますか…そこからの眺めは…」っていう聖子ちゃんの声が聞こえてくるかと思ったわ。



■北条征伐くるー?



「これは戦じゃ(ドスッ)」
「(ゲホゲホ)」


予告のパッパ何してんwww





■上杉主従不足の方へ


定期的に無性にやりたくなるこれ。













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