
新生児期からほぼ完全母乳で育てていたのだが、2歳半を超えたあたりで授乳回数や時間がガクンと減った。
卒乳は本人に任せることにしていたが、身体も大きくなり食事の量も増える中、授乳0回の日も増えてきた。
そろそろ卒乳か。
長かったな。
呑気に思っていた矢先のある寝かしつけの夜だった。
「オッパイバイバイなの」
2歳児、唐突に言い出す。
「本当にバイバイなの?」
「うん」
「オッパイもう飲まないの?」
「うん、バイバイ」
「そっか」
『そろそろ』『そういや最近減ったな』と思っていたものが、ある日突然終わる。
哺乳瓶や抱っこ紐もそうだった。
そういえば最近出番が少ないなと気づいた瞬間、もう君は一歩も二歩も先をスタスタ歩いている。
その後ろ姿に成長の喜びと、ほんの少しの寂しさを感じながら、慌てて追いかける。
長い付き合いだったオッパイも、お別れの挨拶を済ませたら君はまたひとまわり大きくなるんだろうなあ。
きっと抱っこもしなくなるし、手を繋いで歩かなくもなる。
自転車の後ろに乗らなくなって、自分で自転車を漕いでいくんだろうな。
おふろもひとりで入るんだろうし、着替えも1人でできる。
寝るときだってひとりで寝るって言い出して、そのうち自分の部屋を持つ。
お母さんやお父さんと一緒にいるより友達と過ごす時間の方が長くなる。
乳幼児期に肌を触れ合わせ手を繋いでいた日々は、渦中にいるとそれが当たり前のように感じてしまう。
でも実際は乳幼児期のほうが特別で、肌と手が離れてからの時間のほうがもっと長い。
思春期も越えれば目も離れていくんだろう。
それは嬉しいことだってわかってるけど、少し寂しい。
そんな嬉しさも寂しさも、全部ひっくるめてとても愛しい。
「気持ちはずっとそばにいるからね」
寝顔にそっと声をかける。
寂しさと愛しさを行ったり来たりしながら、私も少し心が強くなれる気がする。
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