妄想ジャンキー。202x

あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

春一番

2008-02-25 13:50:35 | ○ひとりごと
季節の変わり目には嵐がやってくる。 縦横無尽に空を駆け回り尽し、残った前の季節を吹き散らす。 巨大な空のドームの衣替えの季節。 欠片が空を舞い、地上へ落ちてくる。 上を見上げてみると、薄い雲の向こう側に次の季節が見え隠れしている。 やがて嵐は去って、静かな雨が降るのだ。 小さな塵を、残った季節のカスを洗い流すように。 静かに、静かに雨が降る。 残った気持ちのカスを洗い流すように。 新しい季節を迎え . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉さよなら北海道

2008-02-19 11:45:10 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
最後の日。 今日2時の便で帰る。 朝、Sちゃんちの家の雪かきをした。 一宿一飯の恩義? だけど、やっぱり道産子のほうが手際がよくって。 途中からコーチンで遊んでた。 今日は天気がいい。 昨日は黒く曇っていた空も、目を開けていると痛くなる空気も、今日はすがすがしい。 流氷だ!! 青い海の間に真っ白い帯。 海岸までは到達していないけれど、白と水色のコントラストが美しい。 鳥だ!! あれはオオワシだ . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉知床旅情

2008-02-19 10:42:59 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
【貴重品を腹に巻かないでも寝れる朝】 布団の中では寒さは感じないが1歩外に出ると強烈な寒気が吹き込んでくる。 久々にお酒を飲み、久々に人と話し、久々に足を延ばして寝た。 普段は当たり前のことに、いちいち感動してしまうのが不思議だ。 Sちゃんのお母さんが出してくれたご飯は美味しいものばかり。 特に知床産の魚介や肉豚が美味しかった。 「ありがとうございます」 【知床博物館】 博物館には傷ついた . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉鳥と風と流氷と

2008-02-19 10:34:49 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
汽車を車に乗り換えて、車は知床に向かって走り出した。 吹雪、吹雪、吹雪。 東京が3センチの積雪で大騒ぎしてたのがバカみたいに思える。 朝の天気予報通り、空の色は暗い。 オホーツク海も波が高く、遠くに見える流氷がもりあがったり沈んだりを繰り返していた。 元気なのはウミネコだけらしい。 北浜駅に寄り道。 流氷の見える駅として、観光客に大変人気のある駅である。 駅とはいえ列車アクセスがあまりよくないの . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉石北峠

2008-02-19 10:28:55 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
朝5時、札幌。 『行きつけ』のネットカフェから外に出ると、まだ雪が降り続いていた。 駅前のコンビニでカップラーメンをいただく。 静かな大都会を目の前に、しょっぱい味が染みる。 7時半。 さすがにラッシュ時らしく人が多い。 重い荷物を引きづり、半ばフラフラしながら待合室を目指す。 石油ストーブの周りには人が集まっていて、折りしもはじまったNHKのニュースに見入っていた。 ──天気予報のチェックしな . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉北の果て

2008-02-15 22:57:30 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
改札を通って早速観光案内へ。 「宗谷バスターミナルはどこですか」 観光案内のおばさんは優しく教えてくれた。 「相当寒いですよ、風も強いから。飛ばされないように気をつけてね」 13時45分、定刻。 バスターミナルを発車した最強バスは北の果てを目指す。 市街地、南稚内駅を通り過ぎ、いよいよ車窓に海が映ってきた。 荒れ狂う日本海。 これくらいしか表現する言葉が浮かばない辺り、まだまだ読書体験が足りない . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉北へ、北へ、ひたすら北へ

2008-02-15 13:56:32 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
抜海まできた。 札幌を出て5時間が経とうてしている。 稚内まで5時間、さらにバスに乗り換えて1時間。 とんでもない長旅だ。 ──しかし稚内まで行って本当に宗谷岬までいけるだろうか。 外の吹雪は強さを増し、時折車窓全体を白が覆う。 不安になり、車掌に聞いてみた。 「あの、稚内から宗谷岬まで行きたいんですけど、宗谷バスが運行してるかどうかってわかりますか?」 すると車掌、ニッコリ笑って言った。 「大丈 . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉広い!

2008-02-15 10:37:19 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
旭川から列車は北に向きを変えた。 目指すは稚内。 今だかつて見たことのない雪の量だ。 信号、標識、公衆トイレ、全てすっぽり埋まっている。 真夏の風景を知っているだけに、ひどく驚かされる。 空はすっかり晴れあがっていた。 水色と白色の世界。 なんともメルヘンチックだが、屋外はとんでもなく寒いのだろう。 ――このまま晴れといてくれないかな。 青空をじっと眺めているうちに、スーパー宗谷は士別を発車し . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉北国の大都会

2008-02-15 08:40:25 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
昨日網走からオホーツク82号に乗って、今朝は札幌へ。 過去に何度もお世話になっている札幌駅。 スーパー宗谷1号は8時半に札幌を出て、稚内到着は13時半。 ――特急のくせに4時間て! ぼやきたくもなるが、北海道の広さからしたら仕方ないことだとは充分承知だ。 旅も中盤となると、疲労の色が見え隠れしてきた。 。 悪天候で最北端を目指すのだから体力を残しておかなければ。 旭川までは二度寝をすると決めこみ . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉川湯温泉の温もり

2008-02-14 19:53:34 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
網走に早く着き過ぎてもやることがないので、せっかくだから川湯温泉で降りてみることにした。 駅から温泉街まで、バスで10分。 駅行き最終に間に合わせるには滞在時間が30分もない。 ――しかたない。 それに待ち時間は2時間もあるのだ。 駅構内に足湯があるとはいえ、幹線道路から離れた無人駅で、しかも真冬――ちょっと怖いなあ。 小銭がないというアクシデントもあったがどうにかこうにか、温泉街行きのバスに乗 . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉湿原ラプソディー

2008-02-14 19:22:39 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
14時、釧路湿原に到着した。 夏季のみの営業だったが今年は列車を限定して停車する。 降りたのは二人だけだった。 情緒ある駅舎を後にして、細岡展望台へ急ぐ。 釧路行きSL冬の湿原号が、湿原駅に停車するのは20分後だ。 とはいえくれぐれも転ばないように。 細岡展望台。 誰もいないので本当にここで正しいのか判らなくなるが、看板が出ている、間違いない。 湿原には低気圧の影響もあってか、強い空っ風が吹いて . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉最東端へ

2008-02-14 18:43:35 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
2月14日、木曜。 朝5時、釧路。 最高気温は0度と、一応道内で一番暖かい場所である。 日本海側は吹雪一色であるのに対し、釧路と帯広には晴れマークがならんでいる。 ……だが、これは寒い。 早々にチェックアウトを済まし、釧路駅で待つ快速はなさきに乗り込む。 目指すは日本本土最東端。 根室本線、花咲線。 雪は狩勝峠ほどはないものの、川は凍てついている。 6時をまわり少しずつ空が明るくなってきた。 . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉道東へ大移動。

2008-02-14 15:43:16 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
2月13日、水曜。 12時を回り、ようやく終点が見えてきた。 5時に大宮を出て18時間。 思っていたよりの長旅になってしまったが、そのぶん北斗星を満喫することが出来た。 今まで北海道には何度も上陸したことけれど、北斗星は初めて。 高校時代から大宮駅で眺めていたブルートレイン。 「ああ、あたし今旅してるんだ」 吹きすさぶ雪に呟き、不意に旅情が湧いてきた。 南千歳駅に到着した。 色々教えて頂いた車 . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉まさかの4時間遅れ

2008-02-13 08:35:31 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
昨日の停車が朝まで響いていたらしい。 目覚めるとまだ外は真っ暗で、しかし時計を見てさらに外の轟音を聞いて、それは違うとすぐに気が付いた。 午前6時、ここは海の下。 定刻では3時に通過していたはずの青函トンネルだ。 目が覚めたら北海道の銀世界を想像していただけに、なかなか拍子外れである。 しかし仕方ない。 「ごらんあれが竜飛岬~」 なんて歌っていたら、耳がキィンと痛くなった。 不意に明るくなる。 海 . . . 本文を読む

〈08冬、北海道・果ての岬〉何もしないをする

2008-02-13 08:35:13 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
22時を回り、列車は急停止した。 盛岡の手前、車窓にボンヤリと「鹿島台」の駅名標が浮かんでいる。 しばらく隣に停車していた普通列車が離れてから随分経つが、この寝台特急は動く気配をいっこうに見せてくれない。 まだ宮城だろうか、それとも岩手に入ったのだろうか。 街灯に照らされた雪が眩しい。 さっきまで見えていた駅のコンクリートは、気が付いたら真っ白に塗り潰されていた。 窓に額を押し付けてみると、あまり . . . 本文を読む