今回はインドネシア語担当のイッザ ディナルハック プラナタサリ講師とミャンマー語担当のマーナンシュイヌエ講師に、それぞれの国の生活習慣と日本の生活習慣がどんな点が異なるのかについて語っていただきました。
Q:生活習慣の違いについて気づいたことを教えてください。
イッザ:日本ではあいさつするときに握手することはあまりなく、お辞儀をすることがほとんどですが、インドネシアではあいさつのときには握手するのが習慣になっています。握手の仕方も決まりがあって、両方の手を自分の顔の前で合掌し、相手の合掌した手と軽く合わせ、その後右手をゆっくり自分の胸に当てるのが一般的です。
マーナンシュイヌエ:ミャンマーでもあいさつのときにお辞儀をすることはなく、タイのようにあいさつのときに合掌する習慣はありません。以前はミャンマーで握手をする習慣はあまりありませんでしたが、最近は外国人と接する機会も増えてきたため、握手することも珍しくはありませんし、相手が親しい人であるときは抱き合って背中をたたくこともあります。
Q:食事の習慣で違いはありませんか?
イッザ:日本では食事のときに箸を使うことが多いですが、インドネシアでは左手にフォーク、右手にスプーンを持って食べるのが一般的です。そのほか、一部の地域では手で食べる習慣も残っているので手で食べる人も結構います。というわけで、インドネシアでは箸を使うことはほとんどなく、まれに麺類を箸で食べる人がいる程度です。あと、食べる前に日本人は「いただきます」と言ってから食事を始める人が結構いますが、インドネシアにはそのような言葉はありません。ただ、宗教の祈りの言葉をささげた後で食事を始める人は結構いると思います。
マーナンシュイヌエ:ミャンマーでは以前は手で食べる人がほとんどでしたが、最近はフォークとスプーンを使用して食べる人が増えてきました。それでもミャンマー南部地域では今でも手で食べる人は多く、そのような地域ではレストランなどでも手で食べています。箸については麺類を食べるときに使用する人はいますが、麺類でもフォークやスプーンを使用して食べる人も多く、箸が主流と言うわけではありません。
イッザ:インドネシアでは会社や学校の始まる時間が早いため、朝早くから食事の店が営業をしていて外食する人も結構います。しかもこのような店の朝食は値段も安くて早く提供されるので、時間を急ぐ人にも便利です。インドネシアの朝食はナシゴレンやお粥、ミートボール、ラーメンなどです。また、日本人のなかには職場や学校に弁当を持っていく人もいますが、インドネシアにはそのような習慣がありません。 あと、インドネシア人は食事に白いご飯を欠かすことができないと考えている人も多く、三食ともにご飯を食べる人も結構います。
マーナンシュイヌエ:ミャンマーでも早起きする人は多く、朝からご飯を炊いて家で食事をする人が多いのですが、自分が食べる前にまず仏様にお供えするという習慣を守っている人が結構多くいます。朝食には麺類を食べる人が多く、ヤンゴンではモヒンガーが朝食の定番です。モヒンガーはナマズでだしをとったスープに麺を入れた料理です。私の住んでいたシャン地方ではシャンカウッスウェというヌードルをよく食べますが、これはモヒンガーよりもあっさりした味になります。またミャンマーでも朝早くから朝食の屋台が営業しているので、このような店を利用して外食する人も結構います。
Q:風呂の習慣について教えてください。
イッザ:インドネシアは暑い地域であるため、一日2回、朝と夕方にシャワーを浴びます。また、インドネシアの浴室にはバスタブがないのが一般的で、トイレと同じ部屋にあるので水浴びした後はトイレの床も濡れてしまいます。当然日本のようにバスタブで湯を沸かし、湯につかるという習慣もありません。日本での生活ではほとんどの家にはバスタブが設置されているのですが、日本には四季があって冬は冷えるので熱い湯につかって体を温めることを好む理由がわかるようになりました。
マーナンシュイヌエ:ミャンマーも暑い地域にあるため、日本のようにバスタブに湯をわかして風呂に入るという習慣はなく、ミャンマーの入浴は基本的に水浴びになります。都会では家にシャワーの施設を設置してシャワーを浴びるという家庭も増えていますが、全体的にはまだ水浴びが主流になっています。水浴びは家の庭にあるドラム缶に水をため、この水を利用して体を洗うのですが、このときに使用するのが「ロンジー」という布です。したがって、水浴びするときは裸ではなくこの「ロンジー」を巻いた状態でするのが大きな特徴です。