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ブタがいた教室

2009-05-16 | 邦画(な・は)
 ブタがいた教室
 



  あらすじ 
「卒業までの1年間でブタを飼育し、最後にはみんなで食べ
たいと思います」─新任の星先生の提案に6年2組は騒然と
なる。校庭の片隅に小屋を作り、掃除、エサやリなど生まれて
初めての経験に戸惑いながらも、成長してゆくブタに愛着を
抱いてゆく子どもたち。
“Pちゃん”と名づけ、家畜ではなくペットとして慈しむように
なるが、卒業の時は迫り、Pちゃんを「食べる」「食べない」
で教室を二分する大論争が巻き起こる。

【出演】
妻夫木聡
原田美枝子
大杉漣
田畑智子
池田成志
戸田菜穂




  感想  ※ネタバレ注意

大阪の小学校で新任の黒田恭史先生が始めた「ブタを飼育
し、自分たちで食べる」という実践教育。
その模様を追ったテレビドキュメンタリーが大きな反響を呼んで
から10年以上の時を経て、黒田氏の著作「豚のPちゃんと32人
の小学生」を原案に、『ドルフィンブルー フジ、もう一度宙ヘ』
の前田哲監督が念願の映画化を果たした。



オーディションで選ばれた26人の子どもたちに手渡されたのは
白紙の台本らしく、初めから用意された結論ではなく、映画を
作っていく中でまた答えを出したいのが監督の考えだったようだ。

しかし、その考えはよくわかるし生きるために「命」を頂く
ということについて、学びたいのはわかるが、どうしてもこの
星先生のやろうとしていることが許せない、というか理解
出来なかった。

家畜として飼うのなら、Pちゃんなんて名前を付けたり、
ペットとして可愛がったり、お祭り騒ぎするようなことを
してほしくなかった。
それでは映画として面白くないのかもしれないが、これでは
作品中に言っているように、ただの野蛮な行為だ。

最終的に豚のPちゃんを「食べる」か「食べない」かで子供たち
の中で激しく論争するのだが、この星先生は幼い子供たちに
その答えを求めた。
その論争自体もかなり無理がある、ペットのように育てた子を
どうするかなんて論じるだけ、子供たちがかわいそうだし、
きっとボクがこのメンバーだったら、トラウマになって先生も
「食べる」派の友達たちも恨んだと思う。

花ちゃんはあの後いったいどう思ったのか、他の子供たちも
あの後どう感じていたのかが、まったく描かれていない。
先生も最後に決断をしただけで、子どもたちに対して答えを
出していないところが終始、優柔不断で何とも言えません。

本当なら大人である星先生がまわりのクラスや、先生たちに
迷惑の掛からないように配慮し、子供たちを先導して教えて
やるべきだったと思う。
映画を観終わった後に、やるせない気持ちになり泣きました。
ボクが間違っているんでしょうか?

”いのち”の長さは誰が決めるの?





【評価】
 (3.5点/5点満点中)

 ブタがいた教室 HP


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (まりっぺ)
2009-05-17 10:57:19
逆にいうと、ひどい事をひどいと思う機会を与えたと自分は思ってます。
答え云々じゃなく、考えさせることが1番の目的だったと、捉えました。
返信する
Unknown (なな)
2009-05-17 22:21:27
ななも、まりっぺさんとおんなじ.....だってペットと同じになるんやもん....食べる食べないじゃないと思うよーーーー涙
観てて涙が止まらなかったよー。
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まりっぺさんへ (オーナー)
2009-05-18 20:00:33
こちらもコメントありがとうございます。

この映画は色々考えさせられました。。
そうですね‥確かにこの答えを導き出すのは
難しいです。
それなら違う形で教えられなかったのか‥
疑問です。

ただ考えさせるという点においては良かった
のかもしれませんね。
返信する
ななさんへ (オーナー)
2009-05-18 20:03:46
こんばんは。
コメントありがとうございます。

そうですね‥作品中の中でも
その事で子供たちが激しく議論してました。
クラスの仲間を「食べる」のか「食べない」
のか‥
極論に立たされた子供たちは、辛い中
よく考えたと思います。

ペットと思ってしまったら、無理ですよね。
その気持ちはわかります。
返信する
Unknown (みかん。)
2009-05-28 19:27:30
なるほど~・・・この先生はとても素晴らしい試みをされたと思います。

最初は「食べる」ことが目的だったけど、飼育していくうちにだんだん子供達の考えも変わってくる、葛藤も出てくる、悩む。・・・それは"命"と向き合うから。

人間は、日々大事な命達の恩恵を受けているという事を、子供達の"命"に刻みつけてほしかったのでは?

恐らくスーパーで買う豚肉を何も考えずに口にしていた子供達は、この体験を経て、Pちゃんを思い出しながら&"命"を噛みしめながら食べるようになるのでしょう。

私は、Pちゃんを食べたとしても何も反論はありません。食べたとしたなら子供達は、きっと泣きながら食べたでしょう。そして「おいしいよ、ありがとう」と言いながら食べたでしょう。
人間と全ての命の共生というのは、そういう事だと思います。
人間は日々様々に大事な命を頂いて生かされている。それを実感させる素晴らしい試みだったと思うっす!
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みかん。さんへ (オーナー)
2009-05-29 00:21:37
いつもコメントありがとうございます。

そうですね、ただ作品中では結局
食肉センター行きに決定するのですが
その大事な命を噛みしめるシーンは
ありません。
それならそういうシーンが必要だったと
思ってしまいます。
日々生かされているというのは同感です。
命を粗末にしがちな現代には良いのかも
しれませんね。
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