あらすじ
NYに住むデイヴは、コミックオタクでスーパーヒーローに
憧れる平凡な高校生。ある日、インターネットで買った
自前のスーツとマスクを身に付け、自分もDIYヒーローと
して街で活動を開始する。何の特殊能力も武器も持たない
彼は、初出動であっさり犯罪者にやられてしまうが、
懲りずにパトロールを再開。その時の活動の動画が見物人
によって撮られ、やがて“キック・アス(Kick-Ass)”の名で
街中に知られるようになる。
だが、街のパトロールをしていたのは彼だけではなかった。
キック・アスは高度な訓練を受けた父娘デュオ、“ヒット・ガール”
と“ビッグ・ダディ”に出会い、街の犯罪帝国を仕切る
フランク・ダミコを倒すため共に戦うことを決意する…。
【出演】
アーロン・ジョンソン
ニコラス・ケイジ
クロエ・グレース・モレッツ
マーク・ストロング
クリストファー・ミンツ=プラッセ
マイケル・リスポリ
ヤンシー・バトラー
感想 ※ネタバレ注意
コミックオタクの高校生が自前のスーツとマスクを身に付け
ヒーローとして活躍する姿を描くアクション・コメディ。
監督は「スターダスト」のマシュー・ヴォーン。
映画やコミックの世界ではこれだけヒーローがいるのに、何で
誰もやらないのだろう?と、考えた主人公のデイヴは、ネット
で購入したスーツとマスクを身につけ悪党と戦うことを決意する。
特殊な能力もない、元々強いわけでもないデイヴは、初陣で
ボコボコにされながらも、悪党を追い払う姿が、ネット上で流れ
キック・アスは一躍、人気者になる。
しかし、キック・アスことデイヴは、本当の冷酷非道な悪党たち
に目をつけられてしまう。
絶体絶命のピンチに、実力のあるヒーローのビッグ・ダディと
ヒット・ガールが現れ助けてくれることに…。
この映画は、主人公キック・アスとヒット・ガールの対比にある
ようです。父親の復讐の為に、殺人マシーンと化した少女ヒット・
ガールと、強くはないが困っているものを見捨てられないヒーロー
としての心を持ったキック・アスの対比が面白い。
とにかくこのヒット・ガールがキュートなのですが、父親のビッグ
・ダディは正直、ド変態です(笑)。
なぜなら、2人が登場して早々に防弾チョッキの性能を試す為に
自分の娘に容赦なく銃弾を撃ちこむんですから(苦笑)。
自分の復讐の為に、娘を殺人マシーンに仕立てる父と子をシュール
に、また悪党たちに対しては残酷に接していきます。
正直、この2人の方が悪党に見える時があるくらいですから。
マフィアの連中を殺す時の容赦のないこと…
この対比こそが、今までにないアメコミヒーローと言えます。
そこへ、ビッグ・ダディとヒット・ガールの宿敵マフィアの息子
が、キック・アスをおびき出す為にレッド・ミストとして登場、
キック・アスに近づくことになります。
このレッド・ミストの正体は、最後まで2人にはわからないまま
終わります。
ビッグ・ダディとヒット・ガールが復讐鬼と化したように、彼も
また復讐鬼とならざるを得ない状況が生まれます。
結果的に悪党を倒したことになるキック・アスとヒット・ガール。
しかし、同時にそれが新たな悪をも生み出すという結果に繋がる。
復讐には、復讐にと終わらない復讐劇の中、ヒーローとは何か?
続編があるとすればそこにどんな答えを持ってくるのか観てみたい
ですね。
設定はコミカルでシュールなのですが、テーマは意外と深いところ
にあるのかもしれませんね。
【評価】
(4.2点/5点満点中)
キック・アス HP