Tokyo日記

社会学者のよしなしごと

近況

2008-02-15 01:02:59 | 自己紹介
日記を更新するたびに、いったい誰がみてくれているのだろうなぁと思いますが、きてくださる方もいるので、これからは書いたものなどの報告をします(自分で忘れないように、備忘録にしているだけなんですが)。適当にgooのブログを選んだんですが、最近は他のものに乗り換えたいなぁとしみじみと思ったりして。

それはさておき、「アメリカ社会の中での男姓と女性」について。金子書房の『児童心理』の3月号掲載です。簡単なエッセイですが、題を与えられて書くというのは、けっこう楽しくて好きです。

次回のPP研の『ピープルズ・プラン』の「運動の思想を読む」では、伏見憲明さんの『プライベート・ゲイ・ライフ』について書きました。1991年の本なので、大学時代を思い出して、すご~く懐かしかったです。

来年度からは、ちょっとばかりきちんと仕事をしたいと思っています。と、書いておけば、すると信じたい…。


35歳問題について

2008-02-05 00:39:40 | 社会問題
こうだくみが、「35(歳)以上になると、羊水が腐ってくる」と発言したことをめぐって、ネット上で問題となり、アルバムのプロモーションなどを自粛することが決定したほか、CMなども放映中止になったりして、かなりの騒ぎになっている。騒げればそれでいいのかも知れないけれど、意外です。

35歳のまえに子どもを産んでおいたほうがいいと、自分のマネージャーにいうのも大きなお世話だし、公共の電波での発言には、気をつけたほうがいいのは勿論である。しかし、「羊水が腐るなんて、事実無根のことをいうなんて、ヒドイ!」というみんなの調子をみてると、「う~ん、じゃあ、35歳以上になると、卵子が劣化するから、早く子どもを産んだほうがいい」発言だったら、どうだったんだろうという気持ちを抑えきれない。

だって、日頃から、35歳卵子劣化説、だから女は子どもは早く産んだほうがいい!って、しょっちゅうみんなが堂々といっていることだもの。「正しい」知識に基づいていなかったから悪いのなら、この「科学的」言説だったら、どうだったんだろう?

産婦人科の先生が研究会で、35歳以上の「高齢」出産と20前などの「若年?」出産のリスクはどちらが大きいかという問題がよく話題になるんですが、とさらりとおっしゃっていて、「え~? 若ければ若いほどいいとはいわれるけれど、若すぎるリスクなんていう言説はあんまり巷では聞かないよなぁ」とびっくりしました。周囲の女性が、生殖にかんすることを心配してお医者さんに聞いても、「年齢は関係ないから、焦る必要はないですよ」「いつでも産めますよ」みたいなことしかいってもらえず、具体的に子どもを作ろうとしたり、不妊治療などを始めてから、確率的には自分があまり時間が残されていないグループに入っていると知って愕然とするという話と(野田聖子議員なども、知らなかったといっていましたね)、それなのに公然と「35歳以上はダメ!」といわれているというあまりのギャップに驚きます。

個人のプライバシーに関することについては、口をつぐみ、自己決定のときに必要としている(現時点での)「科学的」知識は淡々と与えるというふうな逆転はされないのかなぁといつも思います。