Tokyo日記

社会学者のよしなしごと

アジア人女性の表象

2006-03-12 01:15:27 | よしなしごと
先週、書きかけで中断してしまったので途中だけど、アップします。

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先週の『週間ポスト』の荒川静香の海外での報道のされ方の記事は、久しぶりに面白かった(今、手元にないけど)。ああ、人種差別ってこうだったなぁ、と懐かしく思い出されてしまうほどでした。

『New York Times』を読んだ知人は、「題からして好意的なのかと思ったら、酷かった」といっていたけれど、記事を読んでも、荒川静香が他のひとたちの演技を見る間は、smiling and laughtingと書いてあった模様ですね。白人(の失敗)を笑う不気味なオリエントの表象ってあったなぁと思う。

何よりもタブロイド誌の写真がよかった。白人のコーチにキスされて大口をあけている荒川の表情の写真。映像を見ている限りでは、ほんの一瞬のことなのに、よく捕らえたなという感じ。白人男性をたらしこむ、ドラゴンレディ的なイメージはよく撮ったなと感動すらした。

大口をあけて喜ぶ荒川(日本)、ガッカリするコーエン(アメリカ)、顔を覆うスルツカヤ(ロシア)、スルツカヤが顔を覆ったのなんて、また一瞬のことなのだけど、またこれらの女性の態度が、自然に国家的なシンボルに置き換えられ、とくに戦後、欧米に追いついて、追い越そうとする不遜なアジアの国の日本と重ねあわされる感じ。コーエンとスルツカヤが転倒によって点を下げただけに余計に、日本がアンフェアであるという印象を与える。恥ずかしくなるほどの単純な構図だけど、またこういう構図がアメリカの大衆にもつインパクトって、素晴らしいものがある。

などなどとBSのスケートの再放送を見ながら考えていました。

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何だか力尽きたのでまた今度。