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【あるがまま】

表現ビトの萬(よろず)徒然日記!
気功にヨーガ。そして芝居。あるものをあるがままに…

きっとそいつは小説家。その418 。

2012-05-06 21:13:29 | 小説。
『夏の二大ホラー』

棗宝石的 夏の二大ホラーの話をしよう。

ひとつはGだ。
Gは台所によく出没する。
その度に棗は、
イスの上にて直立する。

「男の癖に」
などと言ってはいけない。
Gこそは悪魔が手先。
人類誕生の昔から
人間を観察して来たのだ。
ところで君は
飛ぶGを観た事があるか?
あれは正に悪魔が舞い降りる構図だ。

まだ今年、Gは観ていない・。

さて問題は二つ目だ。

まだ五月だと言うのに
そいつは今日、
いきなり棗の目の前に
挨拶もなく現れた。

「冷し中華始めます。」

棗は冷し中華が嫌いである。

「美味しいのに」
などと言ってはいけない。
冷し中華こそ悪魔の手先、汗ダラダラ鼻水たらたらの女子輪ゴム髪かきあげーの人類史上最大の発明。
熱々ラーメンへの侮辱なのだ。

山形には
《冷やしラーメン》
というメニューがあると聞いた。

とんでもない間違いだ。

そして山形には怪談が多い。

この因果関係について
いつききっと稲川淳二か
織田無道が説き明かしてくれる事を期待する。

きっとそいつは小説家。その417 。

2012-05-05 21:45:50 | 小説。
『奈落の底』(そのマイナス1) 。

かくして
スーパームーンの今夜
《奈落の底探検隊》は
棗 宝石の深層心理へと
旅立って行った。

空は満月・。

だが棗の心の中は
セーラームーンだった。

探検隊の隊員達は一様に
「こいつ お仕置きしたろうか。」
といきり立ったが、あまりに大きなセーラームーンだったので、ほって置く事にした。

イデ隊員は隊長に言った。
「隊長、出だしからこのていたらく・。やっぱり棗
宝石を奈落の底の探検地に選んだのは正解でしたね。」

隊長ムラヤマは答えた。

「イデ隊員、字が違うよ。棗 宝石の場合、探検地の“ち”は地じゃなくて痴だよ。」

「すいません隊長・。」

ウルトラマンがハヤタ隊員だった昔から 隊員はイデ 隊長はムラヤマと相場が決まっていたのだ。

他の隊員はまた改めて紹介しよう。

なにせ奈落探検は始まったばかり。

まだ奈落のなの字にも
到達してないのだから。

きっとそいつは小説家。その416 。

2012-05-03 22:11:13 | 小説。
『奈落の底』

昨今人類、月にはすっかり行かなくなった。

実は海だって くまなく深海を探索したワケではない。

そんな中、 棗 宝石に
こんな依頼が来た。

「私は探検家です。人間の深層心理、心の闇を探検したい・。」

なんでも話を聞くところ
人間の奈落の底を探検したいそうで その記念すべき 奈落の底に 棗の心が選ばれたのだ。

これは不名誉な事なのだが棗 宝石は気がつかない。
“選ばれた”という言葉に 酔いしれているのだ。

かくして
《奈落の底探検隊》
が組織され

棗 宝石の心の中に
旅立つことと相成った。

果たして 棗 宝石の正体やいかに

乞うご期待。

きっとそいつは小説家。その414 。

2012-04-17 08:45:17 | 小説。
『介護の現場』(その6) 。

音楽は国境を越えるものだというなら
年齢も軽々と越えられよう。

ホームのレクレーション。歌の時間が一番盛り上がる。

童謡・唱歌は子供に還り、青春歌謡は若者に還り、 楽しげに唄ってる。

僕らがホームに入る頃は、吉田拓郎や矢沢永吉や唄うのだろうか。

それはそれで楽しみでもあるが、その時の若いヘルパーさんに“新しい”“歌える”歌も教えて欲しい。
この国を支配する者よ。

音楽の教科書から
童謡・唱歌を奪ってくれるな。

若く夢のあるミュージシャンよ。

貴方の父や母が歌える歌を貴方の祖父母が歌える歌をレパートリーに加えて欲しい。

きっとそいつは小説家。その413 。

2012-04-15 09:51:59 | 小説。
『なんとなく・しみじみと・』
(棗 宝石の日記より)

『人間命五十年』
かの信長はそう舞った。

あたしゃ三丁目の夕日’64
東京オリンピックの年に生まれた今年、年男・。

24歳、双子です(笑)。

しかしまあ・いよいよもって・。
後がありませんなあ(笑)。

故になんとなく思うのですよ・。

明日死んでもいい様に
今日を生きる楽しみと

100歳まで生きようと
今日も生きる楽しみと

両方感じて生きたいと

しみじみ思うのですよ。

きっとそいつは小説家。その412 。

2012-04-14 19:49:30 | 小説。
『介護の現場』(その5)。

棗 宝石のヘルパー2級、企業実習は特養から始まった。

正式には特別養護老人ホーム。

特別と名が付くぐらいだから 要介護4~5という身体機能がかなり衰えた人が入る施設だ。

棗が訪れたそれは、ちょっとした大学病院並の大きな施設だった。

ひとしきり施設の説明を受け 担当の4Fでエレベーターから降りた。

すぐに利用者と目が合った。何故か判らないが、手を振ってくれた。

実習生は胸にゼッケンか!?とツッコミを入れたくなる様な大きな名札を付けている。

手を振り終わると 車イスのその人は 今度は名札を指さして嬉しそうに笑ってくれた。

だがその方・午後には亡くなって居た・。

機械浴の見学・。

頭では衛生の為、健康の為、と理解していた。

だが「嫌だあ」「怖いぃ」と泣き叫ぶ老人を無理やり入浴させるのを見るのは・正直辛かった・。

性器にカテーテルを入れた男性利用者・。足を組み、その足が膝、足首と絡み付き固まっている。

その足を無理やり解こうとする職員・。

「ぎゃああ」とも「あっ~」とも聞こえる悲鳴を上げる老人・。

聞いてて思考が停止した。

入浴を終えた方の髪をドライヤーで乾かし、足先を乾かして靴下を履かせるという仕事を振られていた。

それまでは頭から足という順序でそれをこなして居た。

が、その老人の時は自然と車イスの前に周り膝を付き、その方の膝に手を添え

「お風呂辛かったでしょう。でもこれで病気になりませんよ。」と話し掛けて居た。

静かに 微笑んでくれた。
そのまま「靴下を履かせて貰いますね。」と言うと・。

なんと・勝手に硬直して動かないと思っていた絡まった足を ゆっくり解いてくれた。

なんて事はない・。

ただ恥ずかしかったのだ・。

涙が出た・。

長生きするのはいい事だと思う。

だが・長生きさせるのはどうなのだろう。

棗にはさっぱり判らなくなっていた・。

きっとそいつは小説家。その411 。

2012-04-13 20:12:26 | 小説。
『隣の私』

棗宝石は考える。

「もしかしたら私が住んでいる地区は日本ではないのかも知れない。」

住所は・一応都内なんだが・昨日なんて霧が出たし、半径200m圏内は雨や雪が良く降る。米軍の飛行機もよく飛ぶし野良猫銀座と言われている。

『ミスト』という(ラスト以外は)面白い映画があったが、霧は幻想的でいい。だが・幻想的とは怖さの裏返しだったりもする。

ブログで「雪が降っているが外出します・。」なんて書くとその日会った人は決まって・「お住まいはどちらですか?」などと言う。

お答えしよう。

「最近・判らなくなりました。」

いや・本当に!!

だってもしかしたら米軍の飛行機は米軍の飛行機に似せた中国製のUFOかも知れないし・。

野良猫たちだって野良猫型次元移動装置かも知れない・。

ちょっと考えてみて欲しい・。

世の中不思議に溢れてるんだから、パラレルワールドがあったってなんら不自然はないし、知らずにパラレルワールドに入り込んで暮らしている人だって居るかも知れない・。

で 今日の私は 一体・。
誰なんだろう?