《私見太閤記》
秀長が生きていれば、豊臣家は滅びる事はなかった…。
そういう人は多いし、そうあって欲しかったとは筆者も思う。
だが…秀次は疑っていた…。
果たして叔父・秀長は病で死んだのだろうか?
秀次にとって秀吉は、恐怖そのものだった。
だが秀長は、尊敬そのものだった。
秀次はこの叔父と馬を並べ、幾つかの戦に出た。
小牧長久手の失態に対して 秀吉が教育係として秀長をつけたのだ。
秀吉同様秀次は、
秀長にもよく怒られた…。
だが不思議とそれが嬉しかった。
秀吉には否定されるが秀長には否定されない。
「お前は出来るのに、何故出来ん。」
「もっと自信を持て」
と認めていればこそ…という優しさを感じるのだ。
しかも秀吉と違い、
怒られる時は二人切りの時、
秀吉の様に数多大勢人が渦巻く席で罵倒され恥をかかされた事は一度もない。
秀次は馬を並べて歩く時の 秀長の横顔が好きだった…。
これから戦に行くというのに 利休の茶室で茶を飲んだ時の様に
穏やかで 微笑む様な顔なのだ…。
病なのは知っていたし、見舞いにも行ったのだから、その事で疑いはない…。
だが…死んだ原因は違う気が秀次にはした。
まさかとは思うが…
秀吉の命で誰かに毒でも盛られたのではないか…。
秀次は秀吉が強引に秀長の跡目を丹羽からの養子高吉から
秀次の弟、秀保に変えた時の 秀長の静かな…夜の海の様な怒りの表情と、その顔を見た時の秀吉の怯えた表情が忘れない…。
事実それ以後、秀吉と秀長は疎遠になった。
真相を調べるなどもっての他、秀次はとてもそんな危険な事は出来ないが、確たる証拠もないのに確信している。
秀長様は…我が心の親父様は…あの秀吉に殺されたのだ…。
秀長が生きていれば、豊臣家は滅びる事はなかった…。
そういう人は多いし、そうあって欲しかったとは筆者も思う。
だが…秀次は疑っていた…。
果たして叔父・秀長は病で死んだのだろうか?
秀次にとって秀吉は、恐怖そのものだった。
だが秀長は、尊敬そのものだった。
秀次はこの叔父と馬を並べ、幾つかの戦に出た。
小牧長久手の失態に対して 秀吉が教育係として秀長をつけたのだ。
秀吉同様秀次は、
秀長にもよく怒られた…。
だが不思議とそれが嬉しかった。
秀吉には否定されるが秀長には否定されない。
「お前は出来るのに、何故出来ん。」
「もっと自信を持て」
と認めていればこそ…という優しさを感じるのだ。
しかも秀吉と違い、
怒られる時は二人切りの時、
秀吉の様に数多大勢人が渦巻く席で罵倒され恥をかかされた事は一度もない。
秀次は馬を並べて歩く時の 秀長の横顔が好きだった…。
これから戦に行くというのに 利休の茶室で茶を飲んだ時の様に
穏やかで 微笑む様な顔なのだ…。
病なのは知っていたし、見舞いにも行ったのだから、その事で疑いはない…。
だが…死んだ原因は違う気が秀次にはした。
まさかとは思うが…
秀吉の命で誰かに毒でも盛られたのではないか…。
秀次は秀吉が強引に秀長の跡目を丹羽からの養子高吉から
秀次の弟、秀保に変えた時の 秀長の静かな…夜の海の様な怒りの表情と、その顔を見た時の秀吉の怯えた表情が忘れない…。
事実それ以後、秀吉と秀長は疎遠になった。
真相を調べるなどもっての他、秀次はとてもそんな危険な事は出来ないが、確たる証拠もないのに確信している。
秀長様は…我が心の親父様は…あの秀吉に殺されたのだ…。