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松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

ブルース・ファートマンと学ぶアレクサンダー・テクニーク(2015.2.8)_01

2015-03-15 | からだの風景-みる・さわる・かんじる-
ブルース・ファートマン(Bruce Fertman)先生の
ワークショップに参加してから1ヶ月あまり。
なぜこんな時期での更新となったかというと、
当日の感想メモが途中で見当たらなくなり
一度は諦めたのですが、
最近になってそのメモが見つかった
という恥ずかしながらの事情のせいです。

アレクサンダー・テクニークのワークショップは
これまでにも何度か体験しています。
私はアレクサンダー・テクニークの教師を
志しているわけではないのですが、
ワークによって繰りひろげられる変容は
そのどれもが固有でありながら
どこか普遍的にも見えてくるのが興味深いのです。
その場に居合わせることができることが
単純に楽しいのです。



ブルース先生の今回のワークショップは
陶芸の動画のシェアから始まりました。
それは土をこねて粘土に練り上げるまでと
練り上げた粘土をロクロを使って
器ができるまでを写したものの2本ありました。
映像に登場するのは土と水とロクロ、
そして陶芸家の手です。
ワークショップの内容が進むにつれて
なかなか示唆に富んだ映像だなと思いました。


土を手で捏ねて粘土をつくる。
対象(土)にはたらきかけていく手の動きが
微妙に変わっていきます。
それは土の質感が刻々と変化しているからでしょう。
最初は土の中に含まれている空気を抜くように
押しつけるような仕草から
しだいに微妙にひねっていく所作が見えてきます。
やがて土の表面にまでひねり紋様が現れる。
この段階になると、土は最初の質感と
かなり違うように見えます。
こうして土は粘土となり準備がととのい、
かれの手もまた準備ができましたと。
陶芸家の意を土に伝えるのが手の役目ですから、
手もまた、ととのっている必要があります。

そしていよいよ粘土の塊から器をつくり出す。
今度はロクロが加わります。
ロクロの回転の調節には大概は足を使います。
手足を自在に使うために
陶芸家は腰掛けた姿勢(座り姿勢)に
なっていることでしょう。

土を乗せたロクロを回転させながら
全体の状態をととのえるために
しばらくの間、土を上方へと盛り上げたり
低く沈み込ませるようにしたりと
粘土が上下動をくりかえすところに
ロクロの回転運動が加わるので
自然と螺旋運動へと変わって行きます。
(この状態は地球上で活動している私達の
ようにも思えました)

水は土と手との関係を潤滑にする
触媒のようです。
水を含んだ手指が土に触れると
螺旋の筋目が美しく描かれて行きます。
水によってロクロの回転で生じる
摩擦や熱も抑えられ、
土は柔軟さを保ちながら
手指の動きに応じて姿を変えて行きます。

こうした仕組みはたぶん
ヒトのなかにもあるのだろうなと思えてきます。
そして(私が)気になったのは水です。
水のイメージといえば
潤い、軟らかさ、決まった形がない…
などが浮かびます。

ときに感じる動きにくさ、○○しにくさといった
違和感や緊張感がうまれる状況とは
もしかしたら水不足になっているのだろうか。
では、水なるものの正体は?
なんてことを、つらつら思ったりしてました。




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