詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

蓮の歌 その33 福島泰樹

2016-02-12 09:26:33 | 蓮の歌



明日(あした)のジョー昨日の情事蓮の花咲いてさよなら言いし女(ひと)はも
   
   (福島泰樹『エチカ・一九六九以降)




詩歌採集 その212 尾朗子

2016-02-08 13:26:51 | 詩歌採集



ふたりきり小舟のやうな家族なり外へ思ひを寄せてはならぬ

   (尾朗子『タイガーリリー』)



蓮の歌 その32 尾朗子

2016-02-08 13:13:56 | 蓮の歌



酢にひたし蓮のカルマをぬぐひをり ああ今生では添へぬのだらう
  
   (尾朗子『蟬観音』)



「蓮」6号発行いたしました

2016-02-07 10:33:13 | 詩歌探究社「蓮」情報



「蓮」6号、発行いたしました

すでに多方面より
「すべてのページに情熱を感じる」
「読み応えたっぷり」
「この充実した内容でこの値段!なんてお得なのでしょう」
とお褒めの言葉をいただいております
大変励みになります
ありがとうございます

「蓮」6号より同人の作品を一首(一句)ずつ紹介します

石川幸雄 
短歌「火や水や月に喩えて」
落下するスローモーション物語が不意に途絶える華麗を思う            

糸田ともよ 
短歌「あしたしたたる」
こおりのしんばるがうたれはくめいにきらめくはへんあびながらあう
(氷のシンバルが打たれ薄明に煌めく破片浴びながら逢う)


大政建夫
俳句「谷戸日和」
   銀河濃し一村なべて鍵要らず

岡 貴子
短歌「喜寿と古稀」
朝なさな塩水のみてたまゆらを海をよぶごとまなこつぶりぬ

佐藤 薫
短歌「横濱DOLLE」「てをひらくまじ」
白シャツはまた雨に濡れ岸上のひとつの歌を空に唱へり

佐藤よしみ
短歌「風のさやぎに」
火傷痕うすれてもなお疼きいる昏き記憶に光る飛行機

橋淑子
短歌&書「われの証明」
致死率の百パーセントとう毒を呻り呻りて生くる一生(ひとよ)か

萩谷孚彦
短歌「蝶々」
吐息をば軽く吹き上げ前髪をゆらして君はうるさいと言う

布々岐敬子
短歌「無題」
畑から呼び出されたり初雪の降りたるあした野沢菜を採る

前川 博
短歌「私は空箱なり」
パンドラの匣をあけてはいけません〈わたしはあなたあなたはわたし

村田奈菜子
短歌「矛と盾」
デパートのトイレで泣くとは思はざり母の背に似る後ろに立てば

山中もとひ
短歌「憶えていますか」
乾かないペンキの上の足跡よどこかの猫の青い足裏

森 水晶
短歌「青空」
青空にパラソル振ってさようならはじめから冗談だったと笑い                 


6号の残部、ほんとうに、ほんとうに僅かです
早いもの勝ちです
「蓮」ご購入その他、お問い合わせは

詩歌探究社「蓮」アドレス
bungaku-hasu@tbz.t-com.ne.jp



詩歌採集 その211 塚本邦雄

2016-02-05 09:27:33 | 詩歌採集



くきやかにこころざしあれ草紅葉われの傍(かたへ)に炎え盡す日を

   (塚本邦雄『玄珠帖』)



詩歌採集 その210 塚本邦雄

2016-02-05 09:12:48 | 詩歌採集



のこりなく愛はあたへむわが妹(いも)の髪にふれつつあしたの霰

   (塚本邦雄『玄珠帖』)



詩歌採集 その209 塚本邦雄

2016-02-05 09:07:58 | 詩歌採集



珠玉一つたましひに秘め夕がすみ濃き森のなか漂ふわれか

   (塚本邦雄『玄珠帖』)



「蓮」6号発送いたしました

2016-02-04 15:42:59 | 詩歌探究社「蓮」情報


「蓮」6号、先ほどすべて発送いたしました
ゆうメールですので、遅い方は月曜になるかもしれません

先にお知らせした通り、6号は
橋淑子の書歌集『うつし世をともに在りたるもろもろへ』特集、
山中もとひ歌集「『〈理想語辞典〉』を読む会」のレポートなど
盛りだくさんの内容で裏・表の表紙を含め82頁となりました
読み応え、見応えたっぷりです
どうぞお楽しみに

6号は残部が少なめです
ご希望の方はお早目に下記アドレスまでご連絡ください
bungaku-hasu@tbz.t-com.ne.jp



詩歌採集 その208 谷井美恵子

2016-02-02 09:00:35 | 詩歌採集



日本の伝統、定型詩の中に〈美〉を壊し探ってゆかなければならない悔しさと歓喜に、生きているあいだを溺れ切りたい。
そして溺れたまま死んでいきたい。


(谷井美恵子『新選十二人』「断層」)