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アレン・ダレス 原爆・天皇制・終戦をめぐる暗闘

2009-11-08 00:29:01 | 成功するための教養本
「CIAを創設した男の、知られざる真実」
著者/有馬 哲夫 出版社/講談社 1,995円

◆目次
・知られざるその実像
・国務長官を夢見て
・グルーとともに
・弁護士から情報の道へ
・ナチスの原爆と新情報機関
・OSSベルン支局
・マンハッタン計画と「アズサ工作」
・「サンライズ作戦」─ドイツ軍無血降伏の真相
・ヤルタ協定空文化工作
・スイスの日本人たち
・原爆投下と終戦
・それぞれの戦後


CIAを創設した男アレン・ダレスに関する本が、出版されました。

アレン・ダレス著、落合信彦訳の『ザ・スーパースパイ』もかなり面白かったですが、この『アレン・ダレス 原爆・天皇制・終戦をめぐる暗闘』も興味深い事実満載の本です。

そもそもアレン・ダレスとは、どういう人物なのか、『ザ・スーパー・スパイ』に掲載されているプロフィールを紹介します。

◆アレン・W・ダレス
1893-1969年。アメリカの法律家、外交官。国務長官フォスター・ダレスの弟。プリンストン大学卒業。1953~1961年CIA(中央情報局)長官。主著にThe Craft of Intelligence(1963)、The Secret Surrender(1966)がある。


物事の本質を捉えたアレン・ダレスの考えが良くわかる興味深いコメントが、『ザ・スーパー・スパイ』には掲載させています。

「いかにハイ・テク時代とはいえ、諜報活動で中心となるのは、結局は人間なのである。ハイ・テクを崇拝するあまり、この基本的事実を忘れている人々が実に多い。とくに今日の日本ではこの傾向が著しい。諜報活動は人口衛星で十分と信じている人々さえいる。

防衛費に何兆円使おうが、この国は決して守れない。それより情報で鉄壁な守りを固めることだ。

ひとりの有能な情報員は十万人の兵力に匹敵し、時には歴史さえも変えてしまうことがある。

数々のエピソードを通して、本書が言わんとしているのは、この一点につきると思われるのである。」


今回出版された『アレン・ダレス』について、週刊文春の私の読書日記の立花隆氏の寄稿に紹介文が掲載されていたので、以下引用します。


「歴史の裏側を見せてくれるのは、有馬哲夫『アレン・ダレス』(講談社 1,900円+税)だ。アレン・ダレスは、冷戦時代の米国務長官、ジョン・フォスター・ダレスの弟でCIAの創設者。

1953~1961年の冷戦たけなわの時代に、CIA長官を務め数々の秘密作戦を実行したアメリカの伝説的スパイ・マスターである。

A・ダレスがこの道に入ったのは、CIAができるはるか以前、第二次大戦が始まって間もなくアメリカが初めて作った本格的情報機関、COI(情報調整局)、OSS(戦略情報局)の時代から。

本書はその間のダレスの軌跡を詳細に迫っていくが、圧巻は、第二次世界大戦の末期、北イタリアのドイツ軍百万人を無血降伏させたサンライズ作戦と、在スイスの日本人外交官、駐在武官たちと組んで展開した終戦工作だ。

読んでいくと、第二次世界大戦の末期から、すでに米ソ対決の冷戦時代がはじまっており、ヨーロッパの戦争の終り方も日本の終り方もすべて米ソの戦後体制構築と深くかかわっていたことがわかってくる。

原爆投下の問題も、天皇制の保持の問題もすべてその角度から見ないとわからない。そして、日本の戦争を終わらせた、天皇の第二の聖断(八月十四日御前会議)において、降伏後の国体護持を危ぶむ軍部に対し、天皇がなぜ「阿南よ。余には(アメリカが天皇制を保証するという)確信がある」と言い切って降伏の決断を下すことができたかが、本書を読むと実によくわかる。」


インテリジェンスの元祖のような人物アレン・ダレスの歴史を紐解くことは、今の時代を読む格好の素材になると思います。



アレン・ダレス 原爆・天皇制・終戦をめぐる暗闘
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