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占領下日本

2009-11-10 11:58:46 | 成功するための教養本
「歴史の通説がひっくり返る面白さが魅力の一冊」
著者/半藤一利他 出版社/筑摩書房 2,415円

◆目次
・「八月十五日」の体験
・日本は「無条件降伏」をしたか
・「一億総懺悔」の問題点
・天皇とマッカーサーとの会談の真実
・天皇が「人間」となった日
・「堕落論」および「俳句第二芸術論」の衝撃
・憲法第九条を発案したのは誰か
・当用漢字・新かなはどうして採用になったのか
・検閲はどう行なわれていたか
・国敗れてハダカありき
・“日本人民共和国”成立の可能性
・『はるかなる山河』に生き残ったことの意味
・東京裁判でパル判事が主張したこと
・「デス・バイ・ヘンギング」という判決
・『日本の黒い霧』の推理は正しいか
・朝鮮戦争は「神風」だった?
・古橋・湯川・黒澤の活躍
・警察予備隊が編成されたとき
・マッカーサーが忘れられた日

占領下の日本は、この間テレビで放送された白洲次郎他、面白いコンテンツが満載です。

この『占領下日本』も、そんな戦後混乱期の日本に起こったテーマについて、識者がいろんな観点で論じています。

今週の週刊文春に立花隆氏の本紹介文が掲載されていたので、以下紹介します。


歴史の通説がひっくり返る話では、半藤一利・竹内修司・保阪正康・松本健一『占領下日本』(筑摩書房 2,300円+税)も面白い。

「天皇とマッカーサーとの会談の真実」「検閲はどう行われていたのか」「“日本人民共和国”成立の可能性」「『日本の黒い霧』の推理は正しいか」などなど半藤の設定した十八の論点について、参加者の一人が簡単な報告をしたあとで皆で自由に語り合う、というシンポジウム形式で作られた本。

十四章の「日本の黒い霧」は、占領軍謀略史観で貫かれた松本清張の有名な著作で、発表された当時は、エッ、そうなのか、そうだったのか、と清張の推理に引きずりこまれるように読み、すっかりその内容を信じこまされたが、後に、清張の推理の相当部分は怪しいと思うようになった。

あの下山事件、清張はもっぱらG2-キャノン機関説に立っていたが、本書によると、「キャノンは下山が殺されたと聞いたときに仰天して、『えっ』と言って驚いた。」やったのはキャノン機関ではなく、キャノンの下っ端と満州特務機関の残党が組んで、キャノンを隠れ蓑にしただけ。

そういう一味の梁山泊になっていた亜細亜産業という会社が下山が姿を消した三越本店の近くにあり、その会社の工場が下山の轢断現場の近くにあった。その背後にいたとおぼしき三浦義一という右翼浪人にまつわる話で、北一輝の遺書を三浦が入手し、それを一千万で児玉誉士夫に売り、児玉がそれを京都大学に二千万で売りつけたという話が面白い。


ちょっと信じられないような実話が、盛りだくさんです。

これぞまさしく、“事実は小説より奇なり”ですね。



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