だいすき♪

犬が好き。猫が好き。美味しいもの、綺麗なものが好き。

透明の犬

2006-06-11 | いぬ
ゆう、散歩に行こう。
くう、お兄ちゃんと久しぶりにいっしょだね。

リードをいつものように2本持って、
「ゆう、くう、いくぞ!」

一本は、こげ茶の犬。赤いほうのストライプ。
一本は、透明の犬。黄色いほうのストライプ。
カラーはかばんの中に。


昨日、ゆうくんを空に還した。

魂はここにはないとわかってても、ゆうの実体と
別れることはつらかった。
何度もキスして、何度もぎゅって抱く。
最後にミルクを口に。。

頂いたお花も一緒に。お庭のお花も一緒に。
一番大好きだったぴーぴーはゴムだからだめだった。
かみちゃんこになったガブは一緒にいってもらおう。
お洋服はあまり好きじゃなかったけど、
1着くらいは持って行ってね。

きいちゃんがゆうにお手紙をくれた。
それも、持って行ってね。初めてのラブレターじゃない?

ごはんもジャーキーも持って行かなくちゃ。
他には忘れ物はない?

リードはもう必要ないよね。
お母さんにちょうだいね。

いつものお布団はやっぱりいるよね。
でも、穴の開いたフリースはお母さんに残してちょうだい。
ゆうの匂い。くんかくんか。



ばいばい。ゆうの身体。

最後にやっとゆうの匂いが、帰ってきた。
病院の匂いは頂いたお花が、消してくれた。
ゆうの匂い。


ばいばい、ゆうの身体。小さくばいばい。手を振る。

いやだ。離れたくない。離したくない。
連れて行かないでよ。

ゆうを返して。


なんで、ゆうと別れなくちゃいけないのよ。
なんで、ゆうは消えていくのよ。



小さくなって、帰ってきたゆう。
透明の犬になった、ゆう。

これからはいつも一緒。どこにでも一緒。

やっとゆうの笑顔を思い浮かべることが出来た。
でも、それが悲しい。

触れない犬。透明の犬。