楳図かずお新居訴訟に思う

楳図かずお氏の新居が赤白のストライプに塗られる事に

『街の景観を破壊する』として、

建築差し止めの訴えを起こしていた、近隣住民２人の申し立てが却下されたそうだ。


まぁ、当たり前といえば当たり前の話だ。


このような訴えを認めてしまえば

自分の財産のデザインや色などが

他人の価値観によって恣意的に変えられてしまうという事になる。



匂いだとか音だとかは

できるだけ他に影響を及ぼさないようにすべきだけれど

色や形はそれがいかに奇抜であろうと、それは人それぞれであり、

ナニが正しい形で何が美しい色かは

人によって違って当たり前であろう。




先日あるブログで

少し変わった意見を述べた人を

多数派の人々が『異物は排除すべき』だと述べ、論争になっていたが

少数意見で変わっているからといって

異物だとか排除だとかいうのは、私には到底受け入れられない。



ところがそのような（異物排除）の意見を述べている本人たちは

自分たちの事を

常識のある“正しい人間”であると思い込んでおり、

『感謝』であるとか『平和』、『思いやり』など

薄っぺらで耳触りの良い台詞を、赤面もせず口にする、

いわゆる“正しい人々”である事が多い。




そこには

自分達が『排除する側』というスタンスに立脚しているという意識さえない

謂わば無邪気であっけらかんとした

或いは、多数派に属する事の安心な感覚しかない

つまり、であるが故の、危険が潜んでいる。




人は多様なのである。



口で他の意見を尊重するというのは簡単だ。

自戒の意味も含めてもう一度言う。





人は多様なのである。