鉄面皮の腐った痕跡

2009-03-12 16:22:50 | 時事
「小沢辞めろ」コールはマスコミの怠慢
山口一臣

週明けの新聞各紙の世論調査で、
民主党の小沢一郎代表は辞めるべきだ、という意見が半数を超えていた。
さらに、小沢氏の記者会見の説明が、
「納得できない」
という意見が8割前後にのぼっていた。

これを受けて、民主党の党内までが揺れ始めたという。
曰く「小沢氏の秘書が起訴されたら、辞任は避けられないだろう」などなど…。

小沢氏の肩を持つわけではないが、
日本人はもっと冷静になったほうがいい。
一般ピープルならまだしも、いやしくも立法府の構成員である国会議員までが、
「起訴されたら……」とは、
この人たちは刑事罰の仕組みや刑事訴訟法の精神を理解していないのだろうか。

近く裁判員制度が始まり、
誰もが裁判員に選ばれる可能性があるのであえて言うが、
小沢氏が民主党の代表を辞めたら、
日本の民主主義は、ハッキリ言っておしまいだ。

知っている人にはまったく釈迦に説法だが、まず、
「逮捕された人=犯人」ではない。

刑事捜査原則は任意である。
証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合に限って、
被疑者の身柄を拘束できる。これが逮捕だ。

しかし、この段階では、
被疑者は捜査当局が罪を犯したと疑っているに存在に過ぎない。
逮捕された人、イコール犯人ではない。
新聞などでよく「捜査当局の調べによると……」と書かれているが、
あれもすべてが事実であるとは限らない。
あくまでも、警察や検察など当局がそう思っているという程度の話なのだ。

さらに言えば、起訴された被告人というのも、
検察官が処罰に値すると思っている人に過ぎない。
裁判で有罪が確定するまでの間は、いわゆる「無罪推定」なのである。


何が言いたいのかとい言えば、
「秘書が起訴されたら、小沢氏は辞めるべきだ」
という論調が、いかに非合理かということだ。

検察は必ずしも正義ではない。
検察の言い分は「主張」であって事実ではない。
逮捕・起訴された人はイコール犯人ではない。
この当たり前の前提での報道を心がけないといけない。
それが、どれだけキチッとできているかが問われている。

(抜粋)





 
『語るに落ちる』とはこの事だ。


山口の言うことは正論である。

が、しかし、それでは松岡利勝の時はどうであったか?

松岡は何とか還元水だけでなく

他にも色々と嫌疑があり検察が動いていた。


だが、山口の論で行けば

松岡は犯人ではなく『推定無罪』である。


然るに山口は、或いはマスコミは

松岡に『推定無罪だから叩いてはいけない』などと

一言でも声を掛けたことがあるか?


しかも、山口は、

その推定無罪である松岡を「黒」と決め付け

安倍の任命責任にまで及び

安倍辞任を迫ったのではないのか?


麻生に関しては検察も何も

漢字の読み違いなど取るに足りない事をあげつらっての

辞任要求ではないか。


何が「日本の民主主義はおしまい」だ?

山口は自分のやってきたことの

足跡を見てみるが良い。


その歪に偏り腐った湯気を上げている痕跡を視れば

山口が如何に鉄面皮といえども

赤面せずに

このような寝ぼけた論を張る事は

できまい。






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9 コメント

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化けの皮 (やまびこ)
2009-03-12 20:31:56
Pさん、こんばんは。

いやはや、痛快で卒倒しそうです!
なんとまあ、シャープでピンポイントの「猫パンチ」なんでしょうか。
いけない!涙がこぼれそうです!

国賊野郎、いやちょっと昇格させて人類の敵、山口の鉄面皮ならぬ化けの皮を見事にひんむいていただきました。
今回のエントリーリー文をそのまま拡大ポスターにして朝日とその周辺のビル1000棟ほどの正面玄関に張り付けてやりましょうかね。

そうでした、そうでした。
松岡氏の場合は本人が苦しみもがいて首をつるまで、ほんのちょっとも手を緩めなかったんですよね。
死なれりゃ、少しぐらいはバツの悪そうな顔をするもんだけれど、こいつらにはそういうところは微塵もなかった!
この人殺し野郎め!人殺し野郎め!

それが小沢のこととなると、どこ突いたらこんなセリフが出てくるんだ!
二重人格!人殺し!

検察も人間だだ、間違いもある??
そりゃお前なんかに言われなくったって、国民は分かってるよ。
1000に3つくらいは間違いもあるだろうよ。
だがお前やお前の仲間は、1000に3つぐらいしか本当のことを言わないじゃないか!
いや、1000のうち1000全部嘘かも知れん!

許せん!
マスコミとか言う醜悪な業界に巣食ってる連中は大概こんなもんだよ。
死んだ筑紫哲也もその最たるもんだった!
同類の鳥越あたりがあやかろうってか、盛んに持ち上げて見せてたが、そんなもん誰が信用するか!
こいつらの業界で、ちょっと可愛いと思うのは安住紳一郎くらいのもんだ!
返信する
土くれの中に産まれ (P@RAGAZZO)
2009-03-13 11:36:28
こんにちは、やまびこ大兄。

いやはや、大兄の嵐のような連打には敵いません。
まったくその通りですよ。

松岡には無論弁解の余地はありませんでした。
ありませんでしたが、
松岡へのマスコミの攻撃は豪の情けもない
凄惨なリンチを思わせる酸鼻なものでした。

松岡は許しがたい人間でしたが
小沢などのように生まれながらの基盤も無く
土くれの中に産まれ、
たった一人爪に血を滲ませて這い上がってきた男でした。

松岡のような男に、
清水のみに生きて大臣にまで上り詰める事はできなかったでしょう。
松岡を擁護する事はできませんが
男の人生としては、私は認めてやりたいと思っています。

しかるに山口などは、
あの峻烈な批判を行った同じ人間の口から出る言葉か!
と言ってやりたいですね。
返信する
バラク・オバマ (やまびこ)
2009-03-13 15:23:50
Pさん、こんにちは。

いつの間に私が「大兄」に」出世したのでしょう?
恥ずかしくてたまりませんので、どうかお止めください。(苦笑)
雰囲気としては若干私が年長のような予感はしますが、それだけで「大兄」を冠せられては汗が噴き出すぎて、脱水症状で死にそうです。
正直に申し上げて、私は無学な田舎オヤジの1人にすぎません。
知識、経験の豊富さと、卓抜した表現力ではるかに遥かに勝るPさんを、師匠と仰いでおりますので、「P先生」とお呼びしたいところ、あえて「Pさん」で通している横着をお許し願います。
「嵐の連打」も多分に感情的な表現が目につき、己の品性の乏しさを恥じ入っております。
今更改心して上品にもなりにくく、「粗暴さ」を「率直さ」と勝手に読み替えて、こういう調子で参りますので、なにとぞお目こぼしくださいませ。
それに引き替え、毎度毎度、Pさんのエントリーとコメントは、米軍のトマホークもこうはいくまいと言うピンポイントの正確さと圧倒する破壊力です。
論を構成する材料が驚異的に豊富でいらっしゃる。
それが誰しも納得せざるを得ない説得力の源泉でしょうね。ただただ、敬服するほかありません。

さて、松岡元大臣の自殺をめぐって、この山口一臣ほかこいつの同類たちの犬畜生にも劣る行い様は、Pさんのエントリー&コメントで明々白々です。
また、2007年5月のエントリーに「血も涙もない小沢民主党」がありましたが、ここでも日本国の牽引を到底任せられない彼らの非道ぶりが明らかになっています。

ところで、松岡氏の自殺については、本人の行状についての指弾はあってよいとして、自殺と言う結果を見たならば、人間なら本のひとかけらくらい「惻隠の情」があってしかるべきです。
そのひとかけらすらないマスコミや小沢民主には、激しい生理的嫌悪を感じます。

その一方で、松岡氏はPさんおっしゃる通り、土の中から這い上がってきた人物と言えましょう。
では、土の中から這い上がると、すべからく多少の不正を行い、危うい金にも手を出さなければ性以下として頭角を現すことが出来ないものなんでしょうか?
彼が親しかったと言われる鈴木宗男氏も似たような生きざまですね。
他にも似たようなのが確かにうようよいますね。

それに引き替え、合衆国のバラク・オバマ氏の何とすがすがしいことか!
彼の生い立ちこそ土の中どころか下水の汚泥のような境遇からの、見事と言うほかない滝登りですね。
力のある者の刻苦勉励と、それによる成果を素直に評価するアメリカ国民の国民資質のおかげと言ってしまえばそれまでですが、わが日本ではそういうことが不可能だとも思えません。
土の中からい出ても、いや土の中ら出たからこそ勝れて力もあり、かつこの上なく清らかという政治家が数多く表れてほしいです。
権力と資産は、人間をより貪欲にし、汚さに鈍感にさせがちであることは認めます。
だが、そういう情けない常識にいともたやすく打ち勝って、わが日本を導いてくれる真の政治家にぜひ現れてほしい。

                合掌
返信する
リベラリスト (P@RAGAZZO)
2009-03-13 16:04:56
こんにちは、やまびこ大兄。

いやいや、私などの青白き書生論とは違い
大兄の圧倒的な破壊力を持つ説法は
まさにマサカリの如くであり、辺りをなぎ倒す爆撃のようです。
ご迷惑でしょうが大兄と呼ばせてください。(笑)

さて、オバマですが、
大兄には大変な惚れこみでオバマも冥利に尽きるというものですが、
彼は人類学者の母と地質学者の父を持つ
言わばインテリゲンチアの家庭で育った知識人であるというのが私の認識です。

オバマも両親の離婚という不幸に出会っていますが、
中学を出てすぐ家を出た松岡とは少し環境が違うような気もします。

もちろんオバマは黒人という我々には想像もできない
絶対差別の対象の中にあったわけですから
その意味においては松岡の方が優位にあったともいえますね。

私がオバマを本当の意味で買っていないのは
彼は『真正リベラリスト』であり、
米国を『実質的社会主義国』にしようとしているのではないかとの疑義を持っているからです。

私は社会主義が嫌いなのです。

オバマの人間的魅力は私にも感じられます。
が、社会主義者であれば私は受け入れられません。

しかし、そこは大兄と意見を異にしても良いではありませんか。
大兄はオバマを応援してください。
私はいっこうに構いませんしむしろ喜ばしい事だと思っていますよ。
返信する
困りましたなあ(笑) (やまびこ)
2009-03-13 16:50:27
Pさん、ご丁寧に恐縮です。
でも、大兄はかなり困りますよ。(大汗&大汗)
ほら、脱水症状になりかけていますよ。(再大汗)

バラク・オバマ氏について、しいて言えばインテリの家庭と言うのは理解しています。
でも、Pさんもおっしゃるように(以前ワンドリップ論もお聞きしました。)黒人に生まれたこと、両親の離婚とそれによる貧困、母の再婚による少年の葛藤などなど、メンタルな部分も含めて土と言うより、汚泥でないかと思った次第です。
いやいや、そんなことよりも、彼には今のところ取り立ててあげつろうべき不浄な噂がないと言うこと、激しい選挙戦も圧倒的なボランティアと市居の市民の小口献金(実際はかなり大口もあったらしいが)で、勝ち抜いたこと、それでいてこの地上で最大の権力者と評される画集国大統領に上り詰めたことに畏敬の念を抱かざるを得ないのです。
我が国にどうしてこういうタイプの政治家が台頭してこないのか嘆くとともに、その出現を切に祈りたいのです。

さて、私は彼が社会主義者であるとは到底思っておりません。
真正リベラリストの定義は定かではありませんが、例として挙げればカーターのような腰抜けえではないと思いますし、公民権に強い関心を持っているとうかがわれますが、その意味ではJFKに近いイメージを感じます。
彼のリベラルな部分は、合衆国をより強くすることに必要かつ有益な範囲でのリベラルではないかと期待しています。
したがって、おっしゃるような「実質的社会主義国」にしようなどという思いは微塵もないと信じます。
中産階級から貧民層への生活支援の発想や、ビッグ3への支援、銀行へのだお規模な公的資金の投入とそれと引き換えのデリバティブをはじめとする投機的金融商品の取り扱いに対する監視強化などは、もしかしたらPさんの疑念の一部を形成しているかもしれませんね。
ですが、新自由主義的金融経済が完全に破たんした今、その行き過ぎによる世界経済の崩壊を食い止め、再生させるには必要な手立てだと思われますし、これらはオバマ氏の独断政策ではなく、ヨーロッパと歩調を合わせと言うか、世界的な要請の中で取り組まれていることだと思います。
とはいえ、無学な私には見えないことも多々あります。
私の思いは単なる希望であるかもしれません。
まさかと思いつつ、万が一にも彼の本質が社会主義者であって、合衆国を「実質的社会主義国」へ導こうとするのであれば、私も断固反対です。

Pさんと多少見解が異なるとしても、それはオバマ氏への直接評価の部分だけです。
私がなんぼ彼にシンパシーを感じていても、もしも彼がPさんの懸念される挙に出るようであれば、もはや支持することは絶対できたいという点において、一致していると思うのですが・・・・。
返信する
色眼鏡 (P@RAGAZZO)
2009-03-15 12:07:24
やまびこ大兄、こんにちは。
返信が遅れて申し訳ありません。

オバマに対する見方はその反射する光の受け止め方で
大兄と私の相違があるのでしょうね。

自由主義と社会主義の違いの定義として最も解かりやすいものが
『小さな政府』か『大きな政府』であると思いますが、

オバマは大統領就任以来、景気対策費としては総額1兆ドル近い公費を投入して、
民間に大胆に介入し、救済企業の幹部の給料を制限するという措置をとる一方、
一部の銀行の国有化案までも打ち上げました。

しかも新年度予算の内容は「大きな政府」の象徴とされる
国民医療皆保険の実現への大きな一歩といえる諸経費が6300億ドルも計上される一方、
環境保護や教育という領域でも政府の役割拡大と
民間規制のための巨額の資金が支出されることになっています。

また「富の再分配」に於いては高所得層への税率のアップがうたわれ、
中間所得層、低所得層には種々の減税措置がとられ
発想としては社会主義にもつながりかねない
「結果の平等」重視のリベラリズム思考だといえます。

ウォールストリート・ジャーナルは
「この予算案によってオバマ大統領は単に連邦政府の役割を拡大するだけでなく、
 その政府のパワーを、もう決して巻き返しできないという
 支配的な立場にまで構築することに努めていることが明白となった」
と社説で述べ、

マイク・ハッカビー前アーカンソー州知事は
「オバマ大統領は米国を社会主義共和国に変容させようとしており、
 レーニンやスターリンは大歓迎するだろう」
と皮肉り、

ジム・デミント上院議員は
「オバマ氏はいまの世界では社会主義のセールスマンとしてはベストだろう」
と批判しているのです。

また、選挙中はオバマ氏を支持した大手週刊誌ニューズウィークも2月16日号に
「わたしたちはいまやみな社会主義者なのだ」
という巻頭論文を載せ、

メリーランド大学のピーター・モリシ経営学教授は
「政府支出への全面依存はジェファーソン的米国民主主義に反する」と述べ、
政府の役割は個人や企業の自助努力を助長するインフラ枠組み作りにとどまるべきだと主張しています。

つまり、米国内の論調は、共和党民主党にかかわらず、
私が思ってる以上に、
オバマは米国を実質的社会主義国にしようとしていると断じていると考えても良いと思います。

私は、オバマの「大きな政府」が米国の経済危機に対する対症療法的な一時的なものであれば良いと、思っていますが、
イデオロギーをベースとしたリベラリズムの発露であるとしたら
問題が大きいのではないかと思っているのです。

しかし、これもまた、もう少し時間をかけてみなければ良く判らないところでもあります。

長くなりましたが、
以上のようなものが私のオバマ懐疑論の色眼鏡であります。

あはは、、、やはり、ちと、穿ちすぎかもしれませんね。





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愛国政策 (やまびこ)
2009-03-15 16:46:30
Pさん、こんにちは。

私のオバマ氏への不勉強で、思い込みだけかもしれない応援歌に、いつもながら丁寧にご指導いただいて、有り難くもあり、その広い知識と情報量に感謝&感服です。m(_ _)m

同時に、Pさんと私の若干の意見の相違について「反射光の受け止め方・・」と表現されたのは、思わず膝を打ちました。
何気ない言い回しのように見えて、こういうところにPさんの深い教養と洞察力が光って見えます。
ただ無駄に年食った自分は大いに啓発されるゆえんです。

と言うことで、この記事も少々日にちが経っているので、少々ウザイかもしれませんが、教えていただいたことをヒントに、もう一言述べさせてください。

>>自由主義と社会主義の違いの定義として最も解かりやすいものが『小さな政府』か『大きな政府』であると思いますが、

確かに大変わかりやすい表現ではあるし、原則的に意味合いではおおむね妥当な解釈と思います。
さりながら、小さな政府が自由主義で、大きな政府が社会主義かと言いきれるかと言うと、多分にその例外と言うか、反対例もありうるのではないでしょうか。
オバマ氏も、こういう点で論争を挑まれることが嫌なのか、「小さな政府か大きな政府かということは重要な問題ではない。最も大事なことは機能している政府かということだ。」というレトリックで、実質的に大きな政府的政策の遂行を図ろうとしています。

これを米国の有識者やマスコミ人が「社会主義的だ。」と評論することも何となくうなづけます。
彼らアメリカ人は、表現上の「人種」として、今オバマ氏が進めようとしている、政府が先頭に立って金融機関を救済し、大企業の崩壊を防ぎ、中産階級から貧困層の経済的支援を図り、あまつさえ彼らが病に倒れた際の救済を政府が考えようとする政策なんか思いもつかないのでしょう。
善し悪しは別として、建国以アメリカ合衆国人は、根本的に自由が最優先、良いことも悪いこともすべて自己責任という、言ってみれば200余年前の独立建国(いやたぶんその前から)以来ずーっとそれでやってきて、骨身にしみ込んでいるのでしょう。
特にアングロサクソン及び近似人種にはその傾向が顕著だと思います。
政財界、学者、白人系マスコミ人またしかりかと思います。
これらの人たちがオバマ氏の政策をなんだか生理的に受けつたくない思いを感じているのではないでしょうか。
そういう批判的な空気が「大きな政府が良いとは何事か!小浜は社会主義国家を目指しているのか!」という形で噴出しているのではないでしょうか。

私は気持は分からないでもないと申しましたが、でも彼らが正しいともまったく思いません。
現下のアメリカ経済、いや世界の経済を見た時に、潔癖なほどの自由主義を貫き通そうとすれば、かなり高い確率で超々大規模な経済崩壊が出現しかねない恐れがオバマ氏の政策の根本だと思うのです。
前回も申した通り、これはオバマ氏一人の独善では毛頭なく、オバマ氏の期待した数値目標こそ見送られましたが、今度のG20では欧州を中心とするほぼ各国共通の認識として確認されました。
このような未曾有な事態には、Pさんのおっしゃる「対症療法それも緊急の・・」として取り組まざるを得ない政策を「社会主義のセールスマン」とか、「米国を社会主義国化しようとしている。」とか揶揄するは、信仰にも近い自由主義への思い込みを持つ有産階級もしくは高学歴の知識人の悲しい性でないでしょうか。

先日とある場所で経済学者さんの講演を聞く機会がありました。
氏いわく、「短期的に数値的経済を良くしようと思えば、貧乏人に金をまいても効果は薄い。金持ちに金を渡す方が消費と生産に回りやすいからだ。だが、世の中が2極化だか何だか知らないが、もし貧乏人ばっかりの上にほんの一握りの金持ちがいる社会になったら、その国は野垂れ死にを待つしかない。」と。
妙に説得力を感じました。
国をしっかり保つには、しっかりした中産階級が屋台骨を支え、貧困層もとりあえず生活くらいは出来るようにしておかないと、街や村に浮浪者が溢れ、誰も働かず、働けず、誰もが食うに困り、病になすすべがない状態にしては、国そのものが危うくなる・・・とオバマ氏は懸念していると思います。
私の希望的推測が正しければ、彼こそ「千万人とて我行かん」の崇高な魂を持った稀有の政治家であると思うのです。
国民大衆(裕福でない者が圧倒的)は彼のそういう資質を本能的に感じ取って、あれだけの支持を寄せたものと・・・私はこの辺は確信しています。

けだし、彼の「社会主義国家をめざすのか!」とまで揶揄される現下の諸政策こそ、合衆国のエリート層が想像もつかない救国、愛国の政策と思います。
健康保険の取り組みにしてもそうではありませんか。
どこが社会主義なのでしょうか?
あれを社会主義と言うなら、わが日本はもっと明確な社会主義国ではありませんか。
私たちの国は良かれ悪しかれどっか村社会で、根底には「助け合わなくっちゃ・・」という気持ちが横たわっています。
だから、健康保険も年金制度も非常に高度に発達し、「まだまだ足りん!もっと良くしろ!」と皆が叫んでいるじゃないですか。
で、日本は社会主義国でしょうか?
本物の社会主義国ではわが日本のような手厚い国民保護制度があるのでしょうか?
ところが、「死ぬも生きるもすべて己の責任!」、「いくら事件があっても、銃を持つのは100%個人の自由」と確信している合衆国エリートにはわが国の姿など少しも目に入らず、今までと違い発想の政策にアレルギー反応を起こしているに違いないと思います。
可哀想で、哀れなのは批判している合衆国エリート層ではないかとさえ思います。
力を持つ支配層は、己の力が依頼永劫に続くと慢心しているかもしれませんが、被支配層が崩壊したら、己の「支配」そのものが消滅すると言う道理に気付かない人たちかもしれませんね。

何度も言いますが、オバマ氏の思考の根底には中産階級の確固たる形成と貧困層のある程度の生活力の養生があると思います。
であるからこそ、富裕層には「しばらく我慢せよ。それは君たちのためでもある。」と訴えられるのであり、反発が当然予想される増税も語れるのだと思います。

私の感想がもし正しいとしたら、オバマ氏がなぜこのような発想に立てるのかと言えば、彼はWASPとは程遠い黒人種であり、しかも幸いなことに黒人国留学生と白人女性との間の子と言う、今までのどのカテゴリーにも属さない生い立ちが、合衆国の伝統的な価値観にとことんとらわれすぎない世界観、社会感、そして諸外国の姿をわがものにできた人物だからであろうと思います。
確かにキング牧師は偉大であったし、オバマ氏も多いに感化されたところもあるようですが、もしオバマ氏がキング氏同様、生粋の奴隷の末裔だったら、今のような政治スタイルをとったか、いや大統領に選ばれたか大いに疑問です。

Pさんに笑われるかもしれませんが、2009をスタートラインとして、今の合衆国、いいえ今の世界が真に求める政治家として出現したのだと言う気がしてなりません。
彼は肌が黒いからと言ってイスラムではなく、むしろかなり敬虔なキリスト教徒と見受けられます。
だが、ここでも幸いなことに信仰においてはどんなに敬けんであっても、いわゆるキリスト教的価値観だけにと羅前っる人ではないような気がします。
一言で言えば「違う人もいるんだ。」と言うことを素直に受け入れられる人だろうと思うのです。
それはとりもなおさず、「イスラム教徒も社会主義国も、今ただちにせん滅すべき敵ではなく、攻撃には反撃し、攻撃してこないのであれば共に生きる道も探る。」と言うスタンスが取れる人であろうと思います。
その点がブッシュ前大統領(およびその取り巻き)と根本的に異なる人格性じゃないでしょうか。

テレビでしか見たこともない指導者をあれこれ評論しても始まらないのですが(ここで爆笑)、私は彼の政策は真に愛国的心情から生み出されたものであって、国家の芯の強さとは何であるかを、非常に強く意識したもの他ならないと思うのです。
もう一つ蛇足を加えれば、WASPは意識するはずのないこと、すなわちアメリカ合衆国がただ今の自分を生み出してくれたという強い強い意識と、それゆえ自分自身が「よりアメリカ合衆国人でありたい。」と、彼以外のだれよりも強く強く願っている人であろうと思うのです。

今日も長々と大変失礼しました。
失笑を買うのはやむを得ないとして、お怒りだけは被らないよう切に祈ります。m(_ _)m
返信する
捕鯨 (P@RAGAZZO)
2009-03-15 17:19:21
こんにちは、やまびこ大兄。

いやいや、失笑や怒りなどもってのほかで
大兄の大いなる慈愛に感じ入るばかりです。

オバマの唯物論的実体に関し、大兄と私の相違はありません。
であるが故に『反射する光』と申し上げたところでしたが、
私の言わんとするところを良く酌んでいただき本当にありがとうございます。

同じ対象を見て彼我の差があるというのは
その対象を立体的に見る良い機会です。
これからも大兄の視点での意見をどしどしお聞かせ下さい。

ところで、オバマは捕鯨問題で先日、「日本の調査捕鯨は不要」http://www.asahi.com/international/update/0312/TKY200903120041.html
と日本批判に及びました。

これは、左翼政権に移り親中反日の言動を繰り返している豪州を
髣髴とさせるように私には感じられます。

既知かも知れませんが、
一応情報として大兄のお耳にチクッておきまする。(笑)

返信する
ドキッ! (やまびこ)
2009-03-15 20:07:22
Pさん、こんばんは。

失笑もお怒りもなくお読み下さったこと、感謝、深謝です。

捕鯨にまつわる話は既知どころかかけらも知りませんでした。
ゆえにドキッとしてます。
願わくばこの表明がオバマ氏自身の口から出たものでなく、政権内のオッチョコチョイの先走りであることを祈りたいです。

文化の違いを認めずに、牛は殺してもよいが鯨はダメという輩は許しがたいです。
本来生き物は殺さぬに越したことはありません。
彼らに牛の肉が不可欠なように、私たちに鯨は必要なのですから、お互いに違いを認め合うようでなければ本当の平和な国づきあいはできません。

私たちが鯛のお頭付きで祝い事するように、イスラムでは親戚一同子供も老人の皆集まって、満座の中で生きた羊を逆さづりして、泣き叫ぶ羊の首を切ってご馳走にします。
かの者たちも、最近はスーパーで仕入れるかもしれませんが、ついこの間までクリスマスには家族そろって七面鳥を殺してたでしょう。

人々にはそれぞれ違いがあるのです。
生きるために他の生き物を殺すにあたっても・・・。

それがダメというなら、世界中の人類がみな禅宗の坊主になりますか?
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