サブプライムローンだけが悪か?

2009-02-22 12:26:31 | 社会


差し押さえの町で ~サブプライムローンの悲鳴~

人口28万、住民の40%がヒスパニックというストックトン。アメリカン・ドリーム
を信じ、中流階層になることを夢見て、多くの人がここに住まいを求めた。多くの
人がサブプライムローンでお金を借り、家を手に入れた。そして返済がいきづま
る。

現在、警察官にガードされた債権者が家々を回り、住人を追い出して住宅に「For
Sale」の札を貼っていく光景があちこちで見られる。

その一方で、「差し押さえ」物件を物色して回る不動産業者が企画するバスツアー
が町を巡っている。中東など外国人相手の“投資物件"として売れるのだという。

そもそもこのサブプライム・ローンが広がったのは、「不動産担保証券」の発明だ
った。投資マネーが流れこみ、サブプライム・ローンが普及していった。中流階層
を創出するため作られた住宅団地・ストックトンを舞台に、家を追われる人、ある
いは差し押さえ物件を新たなビジネスにしようとする人々が交差する現実を描き、
“サブプライム・ショックの被災地"の現実を描く。

制作: NHKエデュケーショナル/NHK/オルタスジャパン






 
昨夜、BS1でこのドキュメンタリーを視た。

番組では、ローン返済に苦しむ人々が
家を手放す事に涙する様子を
情緒たっぷりに放映していた。

しかし、私にはまったくその悲哀を
共有する事ができなかった。


彼らは35万ドルから55万ドルもの家を
サブプライムローンを使って買っていた。

55万ドルといえば1ドル100円であっても5500万円。

その上プールを造ったり内装に手を入れたり
高価そうなソファー、絵、50インチほどの水晶パネルテレビ、、、

これらを、さらにローンで買い揃え、
日本人の平均的家庭から見れば
かなりのお金持ちの生活空間であると言えよう。

もちろん、私の家などより数倍も豪華で
家人なども『羨ましいくらい』とため息をついていた。


しかし、彼らの仕事は倉庫警備やウェイトレスである。

どうだろう、、
彼らの収入でそのような暮らしが手に入ると考える事は
常識的と言えるだろうか。


ブッシュは『白人の8割は家持ちだがカラードは5割だ』と
サブプライムローンを容認したらしいが、

それはそれで間違っておらず、
堅実な人々はきちっとした計算をし、それなりの家を買い
数年後の金利上昇時(サブプライムは当初1%くらいだが
4年後くらいから6%ほどに跳ね上がる)にも耐えうる支払い設計をして、
家持ちになれたのではないだろうか。


番組ではサブプライムローンは
悪であると言わんばかりであったが、
この制度がなかったら、低所得者層には
家など終生手に入らないのだ。


もちろん、金利上昇時には安い金利のローンに
借り換え可能だと甘言していた銀行には
問題がある。

しかし、それは制度の問題というよりは
運用の問題であろう。

しかも、実際には差し押さえになった家の10~20%は
1セントの利子も払わず
強制撤去までの1年ほどを
タダで住んでいたというデータがある。
(もちろん番組ではそんな事は言わない)


差し押さえで家を失うと言うけれども、
そもそも、サブプライムローンがなかったら
家など買えなかったのではないのか?

米国は日本のように個人保証や連帯保証の習慣がないと聞く。

元々買えるはずがなかった家を失ったからといって
そう嘆く事もあるまい。


もう一度身の丈にあった暮らしを見つめ直し、
再出発すればよい。








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4 コメント

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面目躍如 (やまびこ)
2009-02-23 10:43:32
Pさん、おはようございます。

先週は10数年ぶりにインフルエンザにぶちのめされて寝込んでいました。
年のせいでしょうかね。(笑)
タミフルのおかげで生還してきました。(笑)タミフルはよく効きますね。
物騒なうわさもありましたが、インフルエンザそのものが高熱のせいで朦朧となったり、幻覚を呼んだりするらしいですから、「濡れ衣」なのかもしれませんね。
医薬的な真偽はことはともかく、今回はタミフルのおかげで順調に回復しました。

さて、コメントは控えていましたが、この間もPさんのご意見は拝読していました。
すべて「御意!」ですね!(笑)

とりわけ、本項と前項はいかにもPさんらしいというか、Pさんならではの切り口で感服しています。
まさに面目躍如というところですね。^^
その割にはコメント数が伸びてませんが、そこにこそPさんの魅力の秘密があると思うのです。
Pさんの真骨頂は、だれもが疑うことなく信じ込まされようとしている「風潮」を絶妙な切り口で「本当にそうなのかえ?ちょっと違やせんかい?」と覆われているもっと大事な真実をわかりやすく提示してくれることじゃないでしょうか。
そうすると、あらかじめ変だなと思っている人の多いテーマだと反応は速やかでしょうが、あまりに大勢が信じ込んでいるようなテーマだと、しばし反応が遅くなりがちですね。(笑)
今回の2つのテーマはまさにそれのような気がします。
私は人一倍へそ曲がりなものですから、真っ先かけて溜飲を下げ、かつ拍手を送りたいと思います。

けだし、エコはそれ自体悪いことだと言うつもりはないけど「ほどほどにせえよ!」という塩梅の良さは必要ですよ。
同種のことはいっぱいあるじゃないですか。
健康至上主義・・・「健康になれたら死んでもいい!」みたいな風潮
禁煙運動・・・「喫煙者は犯罪者!」みたいな風潮
ほかにもいっぱい!
言ってみりゃ昔吹き荒れた反戦運動なんてのもその類かも。
戦争に反対するためだったら死人が出たって関係ない!…結果かなりの人間が死にましたね。
もともとは悪くない発想なんだろうけど、幕末の「ええじゃないか、ええじゃないか」(薩摩・長州の陰謀か?)のように熱狂、妄信、猛撃・・・いずれも気持ち悪いです。
そういうものへのPさんの切れ味の良いアンチテーゼが、とても小気味よいです。

私のくだらない感想が的外れだったら許してくださいね。(微汗)
病み上がりの老人だということで大目に見てくださいね。(大汗)

サブプライムローンのことでは本当に目からうろこでしたよ。
言われてみりゃまったくそのとおりなんで、思わず「そうだ、そうだ。」と頷きましたが、実はそれまで私もウォール街の強欲守銭奴の悪行の惨劇としか見ていませんでした。
でも、おっしゃる通り悪い奴の金であっても借りた人間がいるんですから、己の甲斐性を省みずに巨額の金を借りた方にも問題がありますよね。
そこに目が行ってませんでした。(恥)
そう言えば、GMが悲惨な状態に陥ってるのは、景気が悪くなって車が売れなくなったからなんてのは無邪気な話で、実際はGMはずいぶん前から金融子会社を作って低所得者にガンガンローンを組ませて高級車を売りつけてきた。
挙げ句に車だけでは儲けが薄いとばかりに、くだんのサブプライムローン、つまり住宅貸付まで手を伸ばし、これが世界のGMをして再生不可能とささやかれるほどの巨額の債務を抱えているからだそうですね。
(意地悪な言いかたですが、そう言うことならGMは早々につぶれてくれれば、トヨタ・日産・ホンダが穴を埋めますからありがたいかもしれませんね。)
これだって、車を売りつけた者の責任は大きいが、買えるはずのない高級車を買った馬鹿な消費者にも責任があるんですね。

もとよりサブプライムローン問題は、ウォール街の強欲守銭奴達の犯罪的行為はもっともっと責められるべきと考えますが、だからと言って彼らが使ったのは甘言ではあっても、銃口を突き付けてサインさせたわけじゃないんだから・・・。
結局、洋の東西を問わず、人がこの世で生きていく上で自己責任を自覚しないで人のせいばかりにしてちゃいけないんだよというメッセージを、Pさんは強く投げかけていらっしゃるんじゃないでしょうか。
それが的外れでなければ、私は、今回のテーマにも大・大・大賛同です。^^

病み上がりの割に長くなりました。^^;

最後にボチボチかめ様へ
先日、あまりに過分なお言葉をいただきました。
素直に感謝は致しますが、赤面の至りです。
(このときかいた冷や汗がインフルエンザの呼び水になったかもしれませんぞ…もちろん嘘です!)
私の意見などは半可通そのもので、思い込みと勉強不足を恥じ入りもせず勝手にほざいている程度のものです。
ボチボチかめ様は「子はほめて育てる」主義の方でしたら、「もうちょっとは勉強しなくっちゃ」と思っているところですので成功だったかもしれません。(笑)
どうか、今後とも間違い、思い込みなどお感じになりましたら厳しくご指摘、ご指導をお願いしたいと思います。
なにとぞよろしく。
返信する
同情 (P@RAGAZZO)
2009-02-23 11:43:18
こんにちは、やまびこさん。

インフルエンザでしたか(驚)
私は、
私があまりに常識はずれの記事ばかり書くので
とうとうやまびこさんにまで呆れ果てられ
ついに捨てられたのかと
布団の端を噛んで泣いていました(笑)

いつも、私を好意的に捉えていただいて本当にありがとうございます。

しかし、生来私は天邪鬼でありまして、
やまびこさんのおっしゃるが如き高尚な精神で物申している訳ではなく、
単にひねくれものの念仏という程度のものであり、
やまびこさんの余りある褒言は
私にとりましては恥じ入るばかりの過褒というものであり、
ナメクジのように解けてしまいたいほどであります。

サブプライムローンに付きましては、
国際経済に対する罪は私も充分に認めているのですが、
その被害者といわれるユーザーが
果たしてマスコミが喧伝しているほどに
全面的同情に値するものなのかは、
私は懐疑的です。

弱者といわれる人々は
私たちが考えているよりも狡猾で
なかなか油断のできない人たちも多く存在するのではないか
と私は思っています。

私が疑り深過ぎるのかもしれません。
返信する
狡猾な奴 (やまびこ)
2009-02-23 12:56:15
Pさん、早速コメント頂戴し、恐縮です。

なんの、お戯れを!
こんな素敵なブログにどうしてあきれ果てるものですか!
毎日楽しみにしています!
願わくば硯学の士が布団の端を噛んで泣く姿を拝見してみたいものですね。(呵呵大笑)

Pさんが「ひねくれものの念仏」とまさにひねりの効いた謙遜されようと、Pさんのご意見は本当にいつも切れ味良く、さわやかで、小気味よく…他なと言ったらいいか、とにかくカッコイイですよ!!
居丈だけでない高尚さに満ちています!

弱者についてですが・・・弱者ぶってる奴らには確かに油断の出来ないのがうようよいますね。
身近だと、いつも市役所や県庁で暴れちぎってる身障者やらが目に余ります。
福祉課の人たちは気の毒です。
ずいぶん沢山の職員が体調(精神的)を壊してるらしいですよ。
でも、感謝しながらつつましく生きている弱者もたくさん知ってます。
一番悪い奴は、無邪気な弱者を焚きつけて、政治やイデオロギー上の野心に結びつけたり、あるいは金にしようと企んで、彼らを焚きつけてる連中です。
日共、新左翼、労組、そしてマスコミ!
こいつらが一番性悪です!
返信する
偽装 (P@RAGAZZO)
2009-02-23 15:43:13
こんにちは、やまびこさん。

>>感謝しながらつつましく生きている弱者もたくさん知ってます。

その通りですね。
そのような手を差し伸べるべき弱者の為にも、弱者を偽るものや、弱者を利用する偏ったイデオロギーの人々には目を凝らす必要があると思います。

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