[3]です。この問題を正解できた人は少なかったですね。
【問題文】
〔3〕意匠権侵害に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) 意匠権者は、自己の意匠権を侵害する者に対し、その侵害の停止若しくは予防の請求、又はこれに代えて、侵害の行為を組成した物の廃棄、侵害の行為に供した設備の除去その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。
(ロ) 秘密にすることを請求した意匠に係る意匠権者は、その意匠権を侵害する者に対して差止請求権を行使する前に、その意匠に関する意匠公報を提示して警告しなければならない。
(ハ) 意匠権者甲が乙に対して提起した意匠権の侵害に係る訴訟において、乙は、意匠法が準用する特許法第104条の3第1項(特許権者等の権利行使の制限)の規定による防御の方法を提出するためには、意匠登録無効審判を請求しておく必要がある。
(ニ) 意匠権の侵害に係る訴訟における当事者等が、その侵害の有無についての判断の基礎となる事項であって当事者の保有する営業秘密に該当するものについて、当事者本人若しくは法定代理人又は証人として尋問を受ける場合においては、裁判所は、意匠法が準用する特許法第105条の7(当事者尋問等の公開停止)の規定に基づき、決定により、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる場合がある。
(ホ) 意匠権者甲が、損害の額に関する意匠法第39条第1項の規定に基づき、侵害物品を販売した乙に対し損害賠償を請求する訴訟を提起した場合、裁判所は、乙の営業努力により市場が開拓されたという事情や市場において侵害物品以外に代替品・競合品が存在するという事情を参酌して賠償額を認定する場合がある。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
【コメント】
(イ)は、前半部分は意匠法37条の条文とぴったり同じではありませんが(「侵害するおそれがある者」のフレーズがない)、ほぼ37条のとおりと思われるところでした。しかし、37条2項の廃棄請求、除却請求は、37条1項の請求に付帯して請求しなければなりません。よって、「又はこれに代えて」というところがアウトです。誤り。
(ロ)は、37条3項によれば「意匠公報を提示した警告」ではなく「20条3項各号に掲げる事項を記載した書面であって特許庁長官の証明を受けたものを提示して警告」ですね。誤り。
(ハ)は、特許法104条の3の規定による主張をする場合に、無効審判を請求しておく必要があるか、という問題です。条文では、「特許無効審判により無効とされるべきものと認められるときは」となっており、訴訟で何が認められる場合の話をしているのかといえば、「無効審判により無効とされるべきものと認められるか」どうかです。ということは、それ自体は訴訟で判断される内容ですから無効審判の請求が要件となっているような条文ではないと読むべきですね。誤り
(ニ)は、105条の7が意匠法に準用されていない、というのは条文から明らかなので(意匠法41条)、これは文句をいいたいところですが、誤り。
(ホ)は、「譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を意匠権者が販売することができないとする事情」があれば損害額から事情に応じた額が控除されるので、正しい。
よって、正しいものは1つなので1が正解
☆この問題は、正答率が3割しかなく、できなくてもしょうがないという問題です。
☆(イ)を正しいとしてしまった人、(ニ)の105条の7が意匠法に準用されていないという知識に欠けている人は正解に至れなかったと思われます。合格者でも正答率が5割を切っている問題だったので、この問題を落とした結果、1点差に泣いた、という人は、この問題自体は合否を分ける本質的な問題ではなかったと考えられるので、他の要因を検討して下さい。
【問題文】
〔3〕意匠権侵害に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) 意匠権者は、自己の意匠権を侵害する者に対し、その侵害の停止若しくは予防の請求、又はこれに代えて、侵害の行為を組成した物の廃棄、侵害の行為に供した設備の除去その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。
(ロ) 秘密にすることを請求した意匠に係る意匠権者は、その意匠権を侵害する者に対して差止請求権を行使する前に、その意匠に関する意匠公報を提示して警告しなければならない。
(ハ) 意匠権者甲が乙に対して提起した意匠権の侵害に係る訴訟において、乙は、意匠法が準用する特許法第104条の3第1項(特許権者等の権利行使の制限)の規定による防御の方法を提出するためには、意匠登録無効審判を請求しておく必要がある。
(ニ) 意匠権の侵害に係る訴訟における当事者等が、その侵害の有無についての判断の基礎となる事項であって当事者の保有する営業秘密に該当するものについて、当事者本人若しくは法定代理人又は証人として尋問を受ける場合においては、裁判所は、意匠法が準用する特許法第105条の7(当事者尋問等の公開停止)の規定に基づき、決定により、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる場合がある。
(ホ) 意匠権者甲が、損害の額に関する意匠法第39条第1項の規定に基づき、侵害物品を販売した乙に対し損害賠償を請求する訴訟を提起した場合、裁判所は、乙の営業努力により市場が開拓されたという事情や市場において侵害物品以外に代替品・競合品が存在するという事情を参酌して賠償額を認定する場合がある。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
【コメント】
(イ)は、前半部分は意匠法37条の条文とぴったり同じではありませんが(「侵害するおそれがある者」のフレーズがない)、ほぼ37条のとおりと思われるところでした。しかし、37条2項の廃棄請求、除却請求は、37条1項の請求に付帯して請求しなければなりません。よって、「又はこれに代えて」というところがアウトです。誤り。
(ロ)は、37条3項によれば「意匠公報を提示した警告」ではなく「20条3項各号に掲げる事項を記載した書面であって特許庁長官の証明を受けたものを提示して警告」ですね。誤り。
(ハ)は、特許法104条の3の規定による主張をする場合に、無効審判を請求しておく必要があるか、という問題です。条文では、「特許無効審判により無効とされるべきものと認められるときは」となっており、訴訟で何が認められる場合の話をしているのかといえば、「無効審判により無効とされるべきものと認められるか」どうかです。ということは、それ自体は訴訟で判断される内容ですから無効審判の請求が要件となっているような条文ではないと読むべきですね。誤り
(ニ)は、105条の7が意匠法に準用されていない、というのは条文から明らかなので(意匠法41条)、これは文句をいいたいところですが、誤り。
(ホ)は、「譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を意匠権者が販売することができないとする事情」があれば損害額から事情に応じた額が控除されるので、正しい。
よって、正しいものは1つなので1が正解
☆この問題は、正答率が3割しかなく、できなくてもしょうがないという問題です。
☆(イ)を正しいとしてしまった人、(ニ)の105条の7が意匠法に準用されていないという知識に欠けている人は正解に至れなかったと思われます。合格者でも正答率が5割を切っている問題だったので、この問題を落とした結果、1点差に泣いた、という人は、この問題自体は合否を分ける本質的な問題ではなかったと考えられるので、他の要因を検討して下さい。
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