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令和7年度のいくつあるか問題の解説

2025-05-19 20:37:00 | 2026ゼミ情報

みなさま、公表が遅くなりましてすみません。

今回のイロハニホの解答解説を掲載します。特許庁解答も出ましたが、イロハニホでの解答は、結局、どの枝が○でどの枝が×なのかの情報までは出ないので、いちおう、その点をお伝えすることには意義があると考えています。解説は最小限の簡単なものですが、今週末日曜日に行うリアルタイムオンライン短答復習ゼミでは、より詳細かつためになる解説を行う予定です。ご案内はまもなく行います。

以下、いくつあるか、で問われた問題の枝別解説です。

20250525 妥当ではない記載(12番ハの解説)を訂正しました。

20250528 商標9番の○×と解説に誤りがあったので訂正しました。他に誤記誤植があったので修正しました。

 

【特実2】正解2

(イ)× 知っている者の数が極めて少数であっても、秘密を保つ義務を有しないのであれば、新規性は失われている。

(ロ)× 1年4月以内、が誤り。6月である(特30条4項)

(ハ)○ 外国語要約書面の翻訳文の提出がなかった場合は補正命令であり、取り下げられたものとはみなされない。正しい。

(ニ)× 手続補完書を提出した場合には。手続補完書を提出した日が特許出願日として認定される。誤り。

(ホ)○ 一般には明細書等補完書を提出した日が特許出願の日として認定されることになるが、優先権主張を伴う出願の場合には例外が規定されている。正しい。

 

【特実4】正解1

(イ)× 特許無効審判が特許庁に係属している場合には、そのすべての請求項についての審決が確定するまで、訂正審判を請求することはできない(特126条2項かっこ書)。

(ロ)× 誤記訂正目的の場合の基準明細書は、いわゆる当初明細書である(特126条5項かっこ書)

(ハ)× 「最初の」評価書の謄本の送達、「最初に指定された期間」である。(実14条の2第1項各号)

(ニ)× 引用形式請求項を独立形式に訂正するような場合には、形式的に請求項の数が増えることがあり、そのような訂正は特許請求の範囲の拡張とはされない。

(ホ)○ 特126条8項により正しい。

 

【特実6】正解2

(イ)○ 特104条により正しい。

(ロ)× 特104条の2「ただし、相手方において明らかにすることができない相当の理由があるときは、この限りでない。」とあるのみである。

(ハ)○ 特104条の3第2項により正しい。

(ニ)× 特105条の2の4第2項により正しい。装置の作動、計測又は実験を行うことができないのは執行官である(特105条の2の4第3項)。

(ホ)× 特105条の4第1項柱書ただし書に「ただし、その申立ての時までに当事者等、訴訟代理人又は補佐人が第1号に規定する準備書面の閲読又は同号に規定する証拠の取調べ若しくは開示以外の方法により当該営業秘密を取得し、又は保有していた場合は、この限りでない。」とあり、準備書面の閲読により取得したのであれば当然に秘密保持命令の対象となる。これが対象にならないとすると秘密保持命令の意味がまったくなくなる。

 

【特実7】正解4

(イ)× 特許権者は全範囲の専用実施権を設定した場合であっても差止請求可能である。いつも出る最高裁判決である。

(ロ)× 専用実施権の移転は登録が効力発生要件である(特98条1項2号)。

(ハ)× 特許権の放棄に通常実施権者の承諾は不要となっている(特97条1項)。ただし、専用実施権の放棄には専用実施権者が許諾した通常実施権者の承諾が必要な点は注意したい(特97条2項)。

(ニ)○ 専用実施権の消滅は、原簿登録事項であるが(特27条1項2号)、特許権による消滅の場合の専用実施権の消滅は登録が効力発生要件とはなっていない(98条1項2号)。そして、特許権の消滅による専用実施権の消滅については「その旨を特許庁長官に届け出なければならない。」とは規定されていない。したがって、「届け出る必要はない。」とする本問は正しい。

 この点、移転の場合を考えると、相続その他の一般承継の場合は、移転の登録は効力発生要件ではないが、特98条2項により相続その他の一般承継の場合であっても「届け出なければならない」と規定されているのと異なっている点に注意のこと。

(ホ)× 譲渡による特許権の移転は登録が効力発生要件である(98条1項1号)。二重譲渡の場合は移転登録がされた者(丙)に効力が生じているため、登録していない乙が特許権侵害に対する差止請求権を行使することはできない。

 

【特実8】正解3

(イ)× 国内優先権主張を伴う出願をした後に基礎となった出願が特許査定となったケースであっても優先権の効果には何の影響もない。

(ロ)○ X国の最初の特許出願Aについて優先権主張をして日本に出願Bをし、その後に特許出願Aに基づいて優先権主張をして出願Cをすることは、部分優先を考えれば、何の問題もなくできる。

(ハ)○ 「経済産業省令で定める書類」というのは、特43条5項の書類のことで具体的には、DASのアクセスコードのことである。これにより優先権証明書類等を提出したものとみなされることになっている。

(ニ)○ 優先権の回復により1年経過後の特許出願においても優先権主張ができるという状態(特43条の3)であるにもかかわらず、優先権主張手続をしなかった場合、その旨通知が来て(準用43条6項)、所定期間内に提出ができる(準用43条7項)。かかる手続に手数料が必要である。

(ホ)× 特許査定謄本の送達を受けた後に当該出願に基づく国内優先権主張出願をすることはできない。査定は、特許査定の場合には、特許謄本送達と同時に確定することになり、査定が確定した場合には、国内優先権主張はできないからである(特41条1項4号)。

 

【特実9】正解2

(イ)× ⇒アップする際に見直していたらここが空欄であることに気づきました。追って補充します。
(補充2025.5.20) 特44条2項 「出願A及び出願Bの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されているときは」との個所が誤り。出願Bは分割出願なので、出願時の遡及を得て他人の拡大先願の地位に立つことはできないため、出願Bの現実の出願日より先の出願Cに対して拡大先願地位を持つことはない。また、出願Aは分割出願Bの原出願であり、出願Cより先願であるが、出願公開されることなく取り下げられているため、出願Cに対して拡大先願地位を持つことはない。したがって、出願A及び出願Bの当初明細書の記載がどうであれ、出願Cに係る発明イが、そもそも出願Aや出願Bを理由に特29条の2の規定により特許を受けることができない、ということにはならない。誤り。

(ロ)○ 特46条2項

(ハ)○ 特46条の2第1項、実50条の2

 ◆青本特46条の2『基礎とした実用新案登録に係る実用新案権を放棄させることとしたのは、実用新案登録に基づく特許出願と基礎とした実用新案権が併存した場合の第三者の監視負担及び二重の審査(同一の技術について特許審査及び実用新案技術評価書の作成)による特許審査の遅延に配慮したものである。なお、この場合の放棄は請求項ごとにすることができない(実50条の2において特46条の2第1項を規定していない。)。』

(ニ)× 特46条の2第1項 一つの実用新案登録から複数の実用新案登録に基づく特許出願をすることはできない。

 ◆青本特46条の2『実用新案登録に基づく特許出願を行う際に当該実用新案権が消滅しているときは、実用新案権を放棄することができないため、実用新案登録に基づく特許出願をすることはできない。したがって、一つの実用新案登録からは一つの実用新案登録に基づく特許出願のみをすることができ、一つの実用新案登録から複数の実用新案登録に基づく特許出願をすることはできない。』

(ホ)○ 自己指定の場合であっても先の国内出願が特許庁に係属しているのであれば、当該国内出願について出願分割をすることは何の問題もなくできる。優先権主張は先の出願の当初明細書について主張するものであるから、その後に分割されようが補正されようが先の出願としての位置づけに何らかの変動があるわけではない。

 

【特実11】正解5

(イ)× 特48条の7「通知しなければならない」個所が誤り。「特許出願人に対し、その旨を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えることができる。」

(ロ)× 除斥原因がある審査官の関与は違法なので、改めて拒絶理由を通知する必要がある。

(ハ)× 故意に手続をしなかったのであれば、回復の請求をすることはできない。(ただし故意にしなかったことの立証を本人以外の者がすることはなかなか困難かと思われる。)

(ニ)× 新規事項追加を解消しなかったということは「最後の拒絶理由通知」で指摘した新規事項が含まれている補正であって、新規事項追加の補正をしたのと同義であるから、当然、当該補正は却下されることになる(その結果、新規事項追加の状態は全く解消されることがないことから、拒絶されることになる)。この点は、平成5年(令和ではなく「平成」)の法改正時から既に明確にされていたことに過ぎないし、現在の審査基準にも明確に記載されている。(審査基準第Ⅰ部第2章第6節補正却下の決定 3.1.1 新規事項を追加する補正(第17条の2第3項違反))

(ホ)× 取下げはできない(特64条の2第2項)。

 

【特実12】正解2

(イ)× 特101条「過失により知らなかった場合であっても」の個所が誤り。◆青本101条〔字句の解釈〕『4〈知りながら〉特定の事実(「その発明が特許発明であること」及び「その物がその発明の実施に用いられること」)について実際に知っていたことを必要とする。それらの事実を知らなかった場合には、それがたとえ過失による場合であっても該当しない。』

(ロ)○ 特102条2項により正しい。

(ハ)× 特102条3項 「通常受けるべき金銭の額に相当する額の金銭」の個所が誤り。特102条3項の「通常」の限定は、平成10年改正により削除されている。◆青本特102条3項『平成10年の一部改正前においては、その特許発明の実施に対して「通常」受けるべき金銭の額に相当する額の金銭の賠償を請求することができる旨の規定であったが、侵害訴訟で認定される本項の実施料相当額については、特許権者が既に他者に設定している実施料率や業界相場、国有特許の実施料率に基づき認容された例が多く、特許発明の価値や、当事者の業務上の関係や侵害者の得た利益等の訴訟当事者間において生じている諸般の事情が考慮されないとの問題点が指摘されていた。こうした問題は、規定ぶり(特に「通常」という文言)によるところが大きいと考えられたため、平成10年の一部改正において、「通常」という文言を削除し、訴訟当事者間の具体的事情を考慮した妥当な実施料相当額が認定できるようにしたものである。』

(ニ)× 特102条5項 実施料相当額は最低保障であって、それよりも低額の認定は許されない。◆青本特102条5項『実施料相当額以上の賠償を請求した場合において、当該侵害行為が軽過失によってされたものであるときは、その軽過失であるという事実を「損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる」というのが5項後段の規定である。参酌することができるというのは、実際の損害額より少ない額で賠償額を定めることができるということであり、その参酌の結果、どの程度に定めるかは裁判所の裁量権に属する。ただし、その実施料相当額以下に軽減することはできない。』

(ホ)○ 特106条 信用回復措置請求は、「損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに」請求することができるものであるから、損害賠償請求をすることができないような場合には請求することができない。◆青本特106条『なお、侵害行為が善意で、かつ、過失なく行われたときは本条の適用はない。』

 

【特実14】正解1

(イ)× 一群の請求項ごとに確定する場合がある。

(ロ)○ 特36条6項4号は無効理由ではない。実体的瑕疵ではないからであり、問題文のとおりである。◆青本特123条『また、36条6項4号も、拒絶の理由(49条4号)とされているが、特許無効の理由からは除かれている。これは36条6項4号に違反した場合は、特許請求の範囲の記載形式に違反があるのみで、特許権の内容である発明に実体的に瑕疵があるわけではなく、37条に違反する場合と同様に考えられるためである。』

(ハ)× 特125条 「審決が確定した時点から」の個所が誤り。「特許権は、その特許が同号に該当するに至つた時から存在しなかつたものとみなす。」

(ニ)× 特125条の2第4項ただし書、特125条の3第第3項ただし書「当該超える期間について、その延長がされなかつたものとみなす。」

(ホ)○ 実37条2項 共同出願違反やいわゆる冒認出願の場合には、請求人適格は実用新案登録を受ける権利を有する者に限定される。正しい。

 

【特実15】正解3

(イ)○ 実54条の2第1項 評価請求の手数料は返還請求がなくても返還される。正しい。◆青本実54条の2第1項『実用新案登録に基づく特許出願により評価の請求がされなかったものとみなされたことは、請求人でない権利者の行為(実用新案登録に基づく特許出願)に起因するものであるため、評価の請求手数料は請求人に返還することとしたものである。評価の請求がされなかったものとみなされた場合は全て評価の請求手数料を返還するため、返還請求は要しない。』

(ロ)× 特許権を放棄した場合の特許料は返還されない。◆青本特111条『「特許権を放棄した年の翌年以後の各年分の特許料についても返還すべきではないか」という意見もあったが、自らの意思に基づいて権利を消滅せしめるものであるから返還する必要はないという理由でこの場合は返還しないこととした。』

(ハ)× 特196条、特196条の2 間接侵害の場合は、直接侵害の場合に比べて半分の刑罰になっている。

(ニ)○ 特110条1項 条文のとおり

(ホ)× 特195条1項6号、特186条1項1号 閲覧請求には手数料が必要である。なお、特許異議申立制度に付随した縦覧制度は廃止されたが(商標には縦覧制度が残っている。)ファイルに記録された事項の閲覧を特許公報発行の日から1年以内は無料する制度となっている。ただ、この点を尋ねている問題とは思えない。

 

【特実17】正解4

(イ)× 特121条2項 従来から「追完」と呼ばれる制度であり、不責理由がある場合に限られている。

(ロ)× 特135条 審決により却下されることになる。

(ハ)× 特163条1項かっこ書 審判請求前にした補正は前置の段階における補正却下の対象から除かれている。

(ニ)○ 原出願と分割出願と間の審査についてリンクさせる旨の規定はない。

(ホ)× 特許庁長官から拒絶理由通知が来ることはない。

 

【特実20】正解3

(イ)× 特67条 設定の登録の日からではない。

(ロ)○ 特73条3項により正しい。

(ハ)× 特70条3項 要約書の記載は考慮しない。

(ニ)○ 特72条に規定されている。

(ホ)○ 実18条3項で準用する特77条4項により、実用新案権者の承諾があれば、専用実施権者が他人に通常実施権を許諾することができる。

 

【意匠1】正解1

(イ)×「物品の区分に基づいて」の個所が誤り。

(ロ)×分割の効果と秘密意匠請求の有無は関係がないので誤り。

(ハ)○模様を構成する凹凸部分のラインのような個所を黒に表示して、地色の黒(地色はすべて黒)を省略して出願することが可能である。

(ニ)×「物品」を記載します。その用途がわからないというような物品の場合には意匠の説明の欄に当該物品の用途や機能を記載することが必要な場合はあるが、用途の記載は必須事項ではない。これに対し建築物や画像の意匠はそれらの「用途」を記載しなければならない。

(ホ)×画像意匠は物品や建築物は結び付いていないので大きさは特定されていない状態で権利化されることになります。画像の大きさを記載しなければならないということはない。

【意匠3】正解3

(イ)○国際公表があつた日後経済産業省令で定める期間内に新規性喪失令規定の適用の手続が可能(60条の7第1項)

国際公表された後に新規性喪失の例外の

(ロ)○登録後に関連意匠の出願をすることは何の問題もない。

(ハ)×個別の物品の出願を合わせて組物の意匠の出願に変更するような制度はない。誤り。

(ニ)×国際意匠登録出願については秘密意匠制度の適用は受けられない(60条の9)。

(ホ)○組物の意匠が一意匠を構成せず、複数の意匠を包含している場合には、分割をすることができる。国際意匠登録出願の場合であっても同様である。

 

【意匠5】正解2

(イ)×法3条の2により拒絶。

(ロ)○乙の意匠ロと甲の意匠ハとが類似しいているという条件が問題文にない以上、甲の意匠ハは関連意匠として登録を受けることが可能である。

(ハ)○意匠イの出願日から5年後の段階では関連意匠の時期的要件を満たしているので登録を受けることができる。

(ニ)×本意匠イの出願後に意匠イが販売により公知となっているが、甲が自己の意匠である本意匠イに係る物品を販売して公知にしただけであるから、その後の関連意匠登録は可能である(10条2項)。

(ホ)×本意匠イの公報発行後には意匠イは公知となるが、その場合であっても関連意匠登録も可能である(10条2項)

【意匠6】正解1

(イ)×新規性喪失の例外規定の適用を求める旨の書面は、出願と同時に提出することが求められている(4条3項)。ただし、分割の場合は、新たな出願をすることで当該書面は新たな出願と同時に提出されたものとみなされる(10条の2第3項)ため、「提出しなければ」「適用を受けることができない」というわけではない。

(ロ)×拒絶審決の段階では出願変更をすることはできない。

(ハ)×特許出願からの出願変更については、仮専用実施権者には、出願変更に伴う取下擬制に対する承諾権が認められている(実10条9項、意13条5項)。

(ニ)○条文とは語順が異なるが意7条のとおり。

(ホ)×拒絶査定不服審判請求期間が特4条延長があった場合には、出願変更可能期間も連動する(意13条3項)。

【意匠7】正解1

(イ)×30日である。

(ロ)×特許においては審査段階でした補正を審判段階で却下してはならないとする場合があるが、意匠の場合にはそのような制限はない。

(ハ)×要旨変更になっていなければ、補正却下となることはない。ただし、通常、図面から写真にする補正は、図面においては表現されていなかった情報が写真において明確になることがあり、これをもって要旨変更とされる可能性があることには注意したい。

(ニ)×審査段階で要旨変更が認められた場合は補正却下となる。

(ホ)○画像の用途を補正することで要旨変更とされることは当然ある。例えば、メール送信用画像とあったものを温度表示用画像とすれば明らかに要旨変更となろう。

 

【商標1】正解1

(イ)×使用を査定時にしているかどうかはわが国の商標登録要件においては問われていない。必要とされるのは使用意思であり、現実の使用ではない(商3条1項柱書)

(ロ)×旧法では営業と分離した自由が認められていなかったが、現行法においては営業と分離した自由譲渡とが認められている(商24条の2)。

(ハ)○商標登録出願から商標権の設定から登録までの間に金銭的請求権が認められている(13条の2)。

(ニ)×登録商標と類似しない商標の使用についてまで、商標権の効力を及ぼす制度は設けられていない。防護標章登録制度は、著名商標と同一の標章について保護する制度である。

(ホ)×商標権者の使用による。取消審判は。品質を劣悪にした場合については、問われないことになっている。この点が、使用権者の使用による取り消し審判と異なる点である。

 

【商標3】正解2

(イ)○一般的には他人に使用させるための商標については商標登録を受けられないが、地域団体商標や団体商標については、自己又は構成員の業務に係る商品又は役務について使用する商標であれば、登録を受けることができることになっている。このため、自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標ではなくとも、商標登録を受けられる場合があるといえる。

(ロ)×法3条1項1号は後発的無効理由にはなっていない。

(ハ)×その商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章を含む商標が、自他商品役務の識別力を有しているのであれば、商標登録を受けることができる場合がある。すなわち、普通名称を含んでいても、法3条1項各号に該当しなければ、商標登録を受けることができる場合がある。

(ニ)×この問題文の「慣用されている商標であっても、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとして」の個所は、問題文の条件自体が不正確である。すなわち、慣用されている商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものなのであるから、その意味でこの問題文の解答を○と判断することはできない。

 なお、法3条2項は、法3条1項2号については適用がない。仮に慣用されている商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるようになったのであれば、それは慣用商標でないから法3条1項2号違反にもならないし、識別力を有しているので法3条1項6号違反にもならないので登録を受けることができるということを問題の意図としているのであれば、○であるが、この問題文からはそのようには読み取れない。

(ホ)○指定商品を削除した結果、残った商品について、なお4条1項16号違反とされる場合がある。この問題は、「指定商品をa、bとする商標登録出願が、指定商品aにつき「その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するとの拒絶理由を有する場合」との表現において法3条1項3号以外の拒絶理由がないことを前提にしていないから、もともと4条1項16号違反を内在する指定商品があった場合には、当該指定商品について法3条1項3号が解消しても法4条1項16号の拒絶理由が浮上してくることはある、との状況を示していると思われる。

 

【商標6】正解2

(イ)×出願手数料の不納は補完命令の対象ではない。

(ロ)×「色彩を付すべき範囲を明らかにしてその欄の色彩と同一の色彩を付すべき旨を表示」すればよく、商標の詳細説明を記載する必要はない。

(ハ)○コンセント制度導入によって承諾を得た者が登録を受けることができるようになっている。協議命令後のくじの順位において同様である。

(ニ)○パリ同盟国の領域内でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会の場合は、特許庁長官の定める基準に適合している必要はない。

(ホ)×音商標の場合は当該音を記録した光ディスク願書に添付しなければならない。

 

【商標9】正解2

(イ)×書類全体から登録番号を特定することができる場合には補正命令となるが(準用特133条)、何ら特定できない場合には、審決却下相当の決定がなされる。

(ロ)○法43条の15第1項において、特169条3項~6項が準用されている。

(ハ)○商63条 商標登録取消決定に対して訴えの提起ができるのは、商標権者及び参加人、参加を申請して拒否された者である。正しい。

(ニ)○登録異議申立人の追加は異議申立書の要旨変更であり認められない。要旨変更補正ができるのは、申立ての理由と必要な証拠の表示のみである。

(ホ)×取消決定確定の効果に中用権はない。無効審決確定の効果との相違点である。

※20250528 訂正しました。

 

【条約4】正解3

(イ)×現行の規則上、請求書の提出自体が全選択である。ただし、この問題はPCT31条(4)(a)を尋ねている。「選択国は、後にする選択によって追加することができる。」と規定されている。

(ロ)○PCT33条(5)

(ハ)×PCT規則66.1の2(a)「(b)の規定に従うことを条件として、43の2.1の規定に基づき国際調査機関が作成した書面による見解は、66.2(a)の規定の適用上、国際予備審査機関の書面による見解とみなされる。」

(ニ)○PCT41条(1)

(ホ)○PCT33条(1)

【条約7】正解2

(イ)×パリ1条(4)「特許には、輸入特許、改良特許、追加特許等の同盟国の法令によつて認められる各種の特許が含まれる。」

(ロ)×自国の国民に課される条件及び手続に従うのではなく、当該同盟国の条件及び手続に従う必要がある。

(ハ)○パリ4条の3

(ニ)○パリ5条の4

(ホ)×パリ5条Aは意匠には適用されない。パリ5条Bで「意匠の保護は、当該意匠の実施をしないことにより又は保護される意匠に係る物品を輸入することによつては、失われない。」と規定されているにとどまる。

 

【条約9】正解3

(イ)○TRIPS15条1第1文

(ロ)○TRIPS15条1第2文

(ハ)○TRIPS15条1第3文

(ニ)×TRIPS19条1後段「…正当な理由として認められる。」

(ホ)×TRIPS19条2「・・・商標の使用として認められる。」

 

 

 

 

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