陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

魔法少女リリカルなのはStrikerS サウンドステージ03

2007-10-10 | 感想・二次創作──魔法少女リリカルなのは

リリカルマジカルごきげんよう。
『なのはStS』のレヴューがなかなか進まない管理人ですが、本日はドラマCD第三弾(〇七年十月発売)をご紹介いたします。
例によって、ネタばれしまくり&曲解しまくりですので要注意(苦笑)


ひととおり聞き終えて、私はこう思いました。
何回聞いても何回聞いても、なのフェ分が足りない~っ!!(「なのはさんが倒せない」のリズムで)


表紙を目にしたときから、いや~な予感はしてたんですよ。
だって、なのはさんとフェイトちゃんが目を合わせてないんですよ。これじゃどうみても、
ふたりはThe 仮面夫婦(爆)

なんか十年目の浮気がバレちゃって妻の恨みがましい目線を背中に浴びながら、仕事に逃げている亭主みたいですよ、なのはさん(そこまでいうか)

SS01もSS02も表紙ではふたり並んですっごく睦まじかったのに、なんなんですか、これはっ!!しかもフェイトちゃんがあんなちっさいのに、リインとかアギトがあんな大きく前面にでてるんですよ?フェイトちゃんの五倍は大きいです。どう考えても遠近法間違ってますよ!!あ、ちなみに管理人の愛のパースペクティヴでは、フェイトちゃんとなのはさんのお姿は、東京ドームが十個収納できるくらいの大きさです(そっちがおかしいだろ)

それでね、実際中身もこの表紙どおりなんですよ。いえ、あたりまえなんですけど。なのフェが主役話じゃないから。本編でいうところの十八・五話にあたる話なんです。ということは、なのはとフェイトちゃんの記念すべき涙の抱擁イベントがあったあの十八話の直後ですよ?ふたりの仲はおのずと深まってなきゃだめですよね?そうですよね、うん、絶対そうなんだ、そうあるべきなんだ!そうでなきゃイヤイヤ!(しつこい)

なのに、なのにですよ。このドラマCDだと、全然ッこのふたり親密になってないというか、むしろ離れてる気がするんです。最終決戦をまえになのはのブラスターモード解放を懸念するフェイトちゃん。
でも、それをちょっとありがた迷惑っぽく流してしまうなのはさん。
もう、あれですね、長年連れ添った妻に心配かけられても新鮮味がないんです。もうふたりは、マンネリなんです。
しかも、間の悪いことにあの淫獣が再登場(がーんっ)
なんかね、彼はふたりの仲を取りもってるんだか、夫婦の破綻に乗じてつけこもうとしてるんだか、わからないポジションです。フェイトちゃんの好意を借りて、なのはさんの心の隙間を埋めようなんて、なんて策士なんでしょうか?淫獣のくせに、生意気です。なのはさんも、なのはさんですよ。心配性のフェイトちゃんの気持ちもわかってあげなよ、っていうユーノの言葉がけに、すごく嬉しそうに「ありがとう」って返事してたり。その感謝の言葉は、フェイトちゃんに贈るべきでしょ!?なんかフェイトちゃんにいうときより、声のトーンが明るすぎない?
なのはさん、酷いわッ!酷すぎるっ!

隊舎が壊されて作戦本部が戦艦アースラに移ったし、みんなの起居もそこでしてるから、ふたりだけの夜の時間が削られちゃったんですよ。それでフェイトちゃんもね、寂しくてついついおせっかいなこと言っちゃっただけなんですよ。で、なのはさんのほうも、ヴィヴィオのことで頭いっぱいでフェイトちゃんに気遣いできない。ああ、もうすれ違いですよ(泣)
ていいますか、最終回を観た後、これ聞いたらよけい悲しくなりますね。あの二十話の空での約束も、ユーノがお膳立てしたことになっちゃうじゃないですか。
フェイトちゃんのなのはを想う台詞、「こころを決めたなのはは時々なにもかも振り切ってどこまでも行ってしまいそうな、そんな眼をするから」も、あるにはあってよかったけれど。なのはは二十話とおなじ言葉しかかけてないし、フェイトちゃんのこと本気で心配してるのかなぁって思いました。むしろ、その役をキャロとエリオに奪われてしまってるんですよね。このふたりだけで、ドラマがなりたっているわけじゃないのでしょうがないんですけど。

しかも、今回、ヴィヴィオが出てこなかったのが残念無念。もう淫獣は永遠に無限書庫にすっこんでいてほしいです(酷ッ)なのフェ分については、十二月発売のサウンドステージ04(予告では第二十七話「青空」)に、期待したいですね。幸せな高町一家がみて(聞いて)みたいです。

と、不満たらたらなのですが。このSS03は前二作に違わず、いやそれ以上に感動できる内容でして、しかもかなり本編の裏側を補うエピソードとなっています。とくに敵方サイドの設定が明らかにされているところ。ナンバーズの四番娘を境として、生まれ方や思想の違い、スカリエッティへの忠義心の差があること、またアギトが仕えた烈火の将とは?などなど、最終話につながる伏線がふんだんに盛り込まれていて興味深かったですね。本編でウェンディに聖王の意義を問われて、スカがあいまいに濁した場面があったのですが、いまから考えるとスカは自分の意のままに動く旧ヴァージョンの四人以外は、はなっから捨て駒扱いだったのかもしれません。そうだとしたら二十四話で明らかにされる驚愕の事実は、よけいに腹が立ちますね。それにしても、チンク姉えとかクローン型のベースにされたオリジナルって、絶対どっかの二次元キャラですよね。薔薇水晶とか?(笑)しかし、機人たちも百合百合しくてよろしいですわ。

で、メインは表題にもありますとおり、リインフォースと八神一家のお話です。
最終決戦に向けて六課が戦気をたかめているなかで、静養中のリインはなんども不思議な夢をみる。
ひとつは初代リインフォースと、ヴォルケンリッターたちとが、非道な主に仕えていた戦乱の世のエピソード。そしてもうひとつは主はやてと守護騎士たちを闇の書のプログラムから解放し、聖夜に淡雪のように消滅した銀髪の黒天使、リインフォースがみせたまぼろしの未来図。おこってしまった悲しむべき暗い過去と、望んでも叶わなかったはやてと仲間たちとの夢の生活。初代は消滅するあの日に、その願いを記憶映像としてリイン二世の意識下に残していたのです。自身のうまれかわりに望みを託して、夢にもさよならを告げた初代の風。涙に濡れた目を覚ましたリインは、はやてたちにその夢を知らせない。ひとりひそかに戦いの意思をかためるのです。今度は空を堕ちない、かならず皆を護るのだと。「思いはこころで受け継いで、胸のなかに秘めるもの」だとなのはさんに教わったから。

私、どうもこのリインさんって、影を背負ったような先代の人格とはなれすぎていて、口調もかるくて苦手だったんですけど、この話で好きになりました。本編中で「祝福の風リインフォースの名が泣きますから」って小さなからだでやたらと矜持だけは高いのが気になってたんですが、いまから考えたら無意識的に初代とふたりぶんの意思を背負っているっていう自覚のあらわれだったんでしょう。よく寝てたのはおそらく初代との無意識的な交流のためだったのですね。

第二期のラストや『A's』SS02の感動の逸話を彷佛とさせるようなこころに染みこむ話でした。ところで、最初リインがヴィータとユニゾンしたときアギト・ゼストコンビにあえなく破れてしまったのって、やっぱり前世でのしこりがあったからなんでしょうかね。二期でヴィータだけは、闇の書の頁蒐集に疑問を感じていたのも、闇の書の意思たる初代との軋轢があってその具現化をひそかに厭っていたからなのか。もちろん、闇の書の意思の危険性を潜在的に知っていて、はやての身を案じたせいもあるのですが。

それにしても八神家ってほんと仲がよろしくていいですね。はやてちゃんは『なのは』シリーズの良心って気がします。なのフェみたいな深い百合妄想ができる間柄じゃないけど、微笑ましい主従愛,同胞愛ですね。犬も女の子どうしの関係をじゃましないし(笑)

あ、それからスバルとナカジマパパのやりとりも良かったですね。おやっさん、渋いです。大川透さんのお声はステキです。ちゃんとツンデレティアナとの百合シチュもあるんですね。

『なのは』のドラマCDはキャラソンも入っていて、声優ファンにとってもおいしいつくりになっています。植田嬢の歌がバラード調にゆったりのびやかに、リインを想うはやてちゃんの心情を歌い上げていてよいです。さすが六十九位の歌唱力(違)なのはさんとフェイトちゃんを筆頭に六課メンバーはカラオケ行ったら盛り上がりそうですね。

それにしても、このシリーズは映像でみれないのが惜しいくらい耳ドラマで良質な話がつくられていまして、脚本家の幅の広さをあらためて感じます。逆にいうと映像に乱されない分、キャラの心情が内なる声としてより読みこまれるのかもしれません。
ちなみに『なのは』って元は、十八禁ゲームドラマの附録から派生したらしいのですが、舞台設定とか魔法バトルのクオリティをみてもゲーム化されてもおかしくないようなつくりですよね。別にゲームにして欲しいわけじゃないですが。



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