陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

事務職はなぜ報われないのか

2021-02-25 | 仕事・雇用・会社・労働衛生

安倍政権下では景気が回復し、就業者が400万人を超えたとされています。
私は個人事業と兼業できる会社員をめざしていたし、会社を知りたくて、ここ数年、ずっとハローワークの求人や各種の求人誌を覗いていますが、かつてに比べるとたしかに求人数は多い。しかし、多いのはやはり非正規職です。

求職者がめざしやすい事務職の求人倍率は、他職種よりも高く、高倍率です。
田舎でもひとつの求人に10人以上が応募なんてのも、ありがち。

ところが、せっかく、採用されていても。
面接のときにはまったく見えなかった、会社の闇を発見することがあります。

それは、事務職は会社の利益を生まない、裏方だと思われていることです。
バックオフィスとも呼ばれる事務職は、どんなに頑張っても、会社から評価されません。営業さんから無茶ぶりの急な仕事を振られ、電話がいきなりかかり、メールで注文がきて、FAXもどんどん届く。規模が大きいのに、事務ひとり、もしくは少数に任せている場合はなおさらです。

外まわりの営業さんにも、それなりの苦労はあります。
しかし、内勤詰めの事務職は、外に出て息抜きもできず、社内にずっと閉じ込められます。

飲みかけのペットボトルや瓶を放置されて片付けたり、急な買い出しの言いつけ、契約書の下準備。気を利かしてやったつもりが、うるさがられる。なんでも雑用係。それでいて、手柄は全て営業さんのもの。お客さんからは、事務員さんの苦労は見えません。

職場に男性が多いと、不衛生なことも多い。
たとえば、トイレが男女別ではなく、水回りの掃除は女性の仕事。
煙草を吸わず、アレルギーがあるのに、灰皿掃除をさせられる。

働く女性の多くは家事労働も男性より多く負担しています。
親の介護や実家の問題、下手すると配偶者の家庭問題までもが、自分にふりかかってきます。

しかも、新人が長く入ってこない職場だと、雑用は全て中途採用者に押し付けられます。
頭の古い親族は、会社で働くことの大変さを理解してくれません。
いまだに、嫁入り前の、のんびり帳簿つけたり、お茶入れたりぐらいの、気楽な事務稼業だと思い込んでいるわけです。

事務職の恐ろしいところは、ちょとでもPC入力が早いとなると、仕事をどんどん持ってこられ、疲弊することですね。不要な書類ばかりつくらされる。しかも、自分の努力に感謝の言葉もありません。自分の仕事の成果が数字化されることもなく、目に見えないので、やりがいがありません。

働き方改革とかそれ以前に、同じ職場で働く人への敬意や信頼が築き上げられていない。
私が出会ったのは、そんな職場ばかりでした。
自分の人生を犠牲にしてまで、酷使される職場に居続けていいのか、疑問に感じています。

やっぱり、私、事務職向いていませんね。
…というようなことを、以前お世話になった人材紹介サービス業の事務職女性と話していました。みんな、考えることって同じなんですね。

ちなみに、事務職に特別なOAスキルはさほど要らない。
字が綺麗で見やすく書けて、ひとを傷つけない話ができて、電話に出るのが好き。これだけで十分です。これだけなのに、できない私はやはり向いていませんよね。


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