陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

数字の感覚に強くなることの大切さ

2023-02-05 | 政治・経済・産業・社会・法務

最近、投資ばやりなのか知りませんが、マネー関係の本が書店で目立ちますよね。
節約本もよく見かけます。私もいくつか試し読みしましたが、どれもこれも似たり寄ったりといった感もあります。でも、お金の管理に疎い方からしたら、目から鱗の情報なのでしょう。

私は個人事業上でも、勤め先でも経理担当をしておりますが。
毎週、毎月末には試算表と伝票、手書きの帳簿との残高があっているか確認しています。私の個人事業上ではありませんが、古い商習慣がある業界ですと、いまだに手形取引や特殊な値引きがあり。そのたびに経理作業は複雑怪奇を極めます。なにせお得意先ごと、仕入先ごとに決済条件が異なるのですから。

会社員業務の経理で鍛えられたのは、数字の感覚に強くなることでした。
試算表と売上仕入管理ソフトとの集計結果があわないことが、稀にあります。たいがい、紙の伝票の入力ミスだったり、消費税の処理忘れだったり、手書き帳簿の手計算ミスだったりするわけです。

毎週定期的にチェックしないと、あとから一箇月まとめて、あるいは決算時期になって、ズレがあると原因探しが大変なことになります。

ついこの前も、買掛金と売掛金が合わないという事態があり。
一か月近くかけて伝票と各種の請求書とを照合したりしてみた結果。なんと、原因の一つが、私以外の人が振替伝票に起票したはずの支払処理を未入力にしていたことが判明。さらに、入金処理も忘れられていたので得意先の請求残高に繰越額として残ってしまい、その得意先から請求金額を訂正されるという困った事件まで起こりました。

私もミスをしないわけではないのですが。
得意先はもちろん、仕入先の請求書の期間もしっかり振替伝票にメモしたうえで、入力処理を行っています。そして入力後の残高があっているか、きちんと手計算で確認。

けれども、この勤め先の過去の業務担当者がいい加減な入力をしていた時期もあったようで。
過去の書類を見てその通りにやって、といわれても、不明点がいくつかあり、業務上ストレスがたまっています。

経理作業はコツコツ数字と向き合う仕事。
おかしな数字のずれがあれば解明しなければなりません。そのズレの原因は、不測の事態が多く、あらかじめどういったことで発生するかは経験してみないとわからない。

私が支払忘れや仕入れ集計のミスに気づいたのは、差額を徐々に修正していくなかで、その差額の数字に見合ったものはなんだろうか、と考えたことでした。
3938円という誤差ならば、1.1で割ると3580円分の商品代が請求書にあがっていなかったのではないか? 仕入れで純粋な商品仕入高にならないが、立替運賃が発生して起票されており、それが諸雑費扱いなので仕入れ高に含めねばならならなかったなど。

私の個人事業上の業界ではやらなかった経理作業が発生するので、いろいろ学ぶべきことが多いですね。
その分、苦労もひとしおなのですが。

こうした異常な数字が分かった場合の調整作業は、お金を管理する上でとても必要なことです。
たとえば、一年間、ひとりが暮らすうえでどれぐらいの固定費がかかるか。ある月、ある年分だけ異常に増減していたら、何が原因なのか。それを突き詰めると、生活を見直すヒントが得られることがあります。

たとえば、現住まいでも空き家でも、水道代が異常にあがっていたところ。
トイレの漏水や水道の蛇口のコネクトが壊れていたことに気づき、ホームセンターでの部品で自分で修繕したこともあります。これも、普段から家計簿なり、帳簿なりをつけて、平均値を知っていなければわからなかったことです。夏場ならば水道代は増えますが、春先には増えるはずがないのだから。

お金の出入りに目を光らせ、数字の動きにブレがないか用心することで、生活は防衛できてしまうのです。難関お受験校のお勉強のためにつるかめ算を習ったり、数読パズルが解けたり、センセイの覚えめでたい作文などにかまけるよりも、よほど生きる力としてわれわれが学ぶべきことではないでしょうか。投資なんぞを勧める前に、そうしたことを身につけた方がよいでしょう。学校の先生に限って公務員時代のお給料が良かったせいか、老後に趣味で破産したり、不動産投資で失敗したりするケースを見ていると、実生活に役立つ頭の良さと学校のお勉強はつくづく違うのだなと気づかされますね。

(2022/07/30)







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