陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「バットマン」

2018-06-06 | 映画──SF・アクション・戦争

世の中、いやな事件や騒動がつづきますよね。こんな時代だからこそ、たまには、シンプルな勧善懲悪ものが見たいと思いませんか。
1989年のアメリカ映画「バットマン」は、言わずと知れた人気アメリカンコミックの実写映画版。

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犯罪者が巣くう街ゴッサム・シティの夜。
きょうもバットマンと名乗る人物が暗躍し、悪者退治をしていた。警察の権威すらかすむその活躍に、マスコミは躍起になっている。

暗黒街のボス、グリソムの幹部であるジャック・ネピアがアクシス化学工場を襲う。
ジャックを追いつめたバットマンだったが、そのジャックが廃液の毒によって容貌が一変、凶悪極まりないジョーカーへと変身。みずからを陥れたグリソムを始末し、バットマンへの復讐に燃えることに。

さて今回のヒロイン役は、バットマンの正体を追う女性記者のヴィッキー・ベイル。彼女は情報を得るために潜入した慈善パーティーで、ブルース・ウェインと名乗る富豪と遭遇しますが、じつは彼こそがバットマン。バットマンの正体に気づかずに恋仲になりますが、そこに横恋慕してくるのがジョーカー。といっても、バットマンの情報を探るためではありますが。

バットマン演じるマイケル・キートンは、かなり目力はあるので仮面は似合うのですが、素顔は純朴な青年といった感じですね。仮面をつければ勇気百倍なのに、好きな人に真実を告げることすらためらってしまう。といっても腰抜け腑抜けタイプではないのですが。

いっぽう敵方は素のままでも迫力じゅうぶんの怪優ジャック・ニコルソン。
顔が変わったといっても原型とあまり変わらなかったのですが、性格がはっちゃけてますね。ここまで顔芸ができるのは、他に「マスク」のジム・キャリーぐらいか。あの口の裂けようはすごい。
中盤はバットマンというよりも、ジョーカーの映画といった感じ。キートン版のバットマンがやや大人しい印象にあるために、ニコルソンが完全に主役を喰っています。滑稽なんだけど、台詞が気障ったらしくて魅力的。

後半ではバットマン面目躍如のれっきとしたアクションシーンもありますけどね。
またバットマンの過去に関するエピソードも絡み、彼が悪を憎む理由も明らかに。ただの金持ちの道楽で正義の味方ごっこしているのかと思いましたが、そうではないのですね。

ヒロイン役キム・ベイジンガーも濃い顔だちなのですが、アメコミの作画にあっていると申しましょうかね。

監督は「チャーリーとチョコレート工場」のティム・バートン。彼なりのダークファンタジーっぽい遊びゴコロが生かされた演出がいっぱいです。

(2011年8月26日)

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