陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

二次創作は何歳まで書き続けられるのか問題

2024-09-10 | 二次創作論・オタクの位相

私が拙ブログ開設前もふくめて二次小説をはじめてから、すでに15年以上(2020年時点で)にもなります。
しかも、ほぼ初期にハマった原作ジャンルのままです。

いわゆるジャンル移動を重ね、そのときどきの流行りものの二次創作物を首尾よくコミケなどで同人誌にして売るサークルさんは別として、私のような無名のオン活動のみの二次創作者には、一作の締切もなければ、物理的制約もないので、いつはじめて、いつやめようが自由気ままです。

それでも、自分が二次創作をいつまで続けられるかは、いつも心の片隅にあります。
続けられるかというよりも、いつまで続けたいのか、という意思の問題でもあります。

今回はかなり後ろ向きですが、二次創作を続けられなくなりそうな理由について考えてみます。
まず一番の理由は、家庭のことや仕事のことなど、人生上のトラブルあるいは充溢によって、時間が奪われてしまうことです。たまに主婦が子育てが落ち着いたのでまた同人活動はじめたなんていう話をSNS上で見聞しますし、私が昔買っていたアニメ雑誌にも、中年になってまたイラスト投稿はじめたというキャラクター性で常連になっている方も見かけました。私も数年前に私生活上いろいろあって、二次創作自体の新作をまったくつくらなくなり、一部のデータも資料も処分したことがあります。ただ、再燃してしまいましたが。

さらなる理由は、健康状態ですね。
なんらかのものづくりをするには、ある程度の気力と体力が必要です。PC上でただ字を入力するのは楽と言えば楽ですが、視力が落ちたらできなくなります。私は簿記二級の受験中に電卓の打ちすぎで腱鞘炎になりかけたのですが、タイピングを一日中しているとひどくなります。

そして、最後の理由は、原作ジャンルの衰退によって、受容者に飽きられてしまうことです。
二次創作者が書けなくなる理由と同様に、読み手も見れなくなる理由があります。他の新しいジャンルがめっぽう面白くなった、もしくはヲタク趣味じたいに興味がもてなくなった、などなど。お話が古くさく感じられてしまうのも、時の試練です。これは、どんなにメジャー人気の作品でも起こりうることです。

私は現在、まだ未完成もしくは完成させてはいるが未投稿の二次小説がいくつかあります。自分の現在の年齢を考えると、少々早めに発表しておいたほうがいいかもと思いつつ、のんびりマイペースにしています。というのも、少しでも、その原作ジャンルにおいての二次創作を続けたいからに他ならない。

会社の仕事と違って二次創作者には定年もなく、誰かに辞めろといわれても筆を折る必要もありません。

ただ、自分がある日突然に、もう二次創作なんて一切したくない!という絶望的な気持ちにならないかどうかはわかりかねます。
ただひとつ思うのは、やはり、書きかけのものを残して死ねないなという一念でして、二次創作をすることは、自分の人生を続ける理由の一つにもなってはいます。なので、すべての二次創作を出し終えたならば、どうやってほかの趣味を見つけようかとか、どうやって終わらせようかとか、心の準備をしておきたいのですが、いまのところ、書いても書いても終わらないので、しまい方を考える余裕すらありません。

(2020/11/09)


【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。








この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アニメ映画「天空の城ラピュタ」 | TOP | 次の記事へ »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 二次創作論・オタクの位相