陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「地球が静止する日」

2011-05-28 | 映画──SF・アクション・戦争
金曜ロードーショーで放映していたのは、大々的な宣伝で話題になっていたキアヌ・リーブス主演、2008年のアメリカ映画「地球が静止する日」。劇場に足を運んだ方からは期待外れとうかがっていたのですが、ほんとうにその通りでしたね。言いたいことはわかるのですが、訴え方がいささか味けないといいますかね。


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地球に謎の球体が不時着し、その中から巨体のロボットと人間の姿をした異星人クラトゥが現れる。各国の専門家が対策に終われるなか、亡き夫の連れ子を世話する宇宙生物学者のヘレンも召集される。
球体の出現で世界中がパニックに襲われるいっぽう、クラトゥはヘレンに接触を図るが…。

さて、この異星人の目的は、地球の保存のために人類を滅亡させること。
かといってクラトゥは、破壊行為を行いたわけでもありません。最後の希望として世界の要人たちとの会合を望むのですが、受け入れられません。しかし、なぜか最後にはヘレンとその義理の息子との愛情を目の当たりにして、改心して自己犠牲によって人類を救ってしまうという。

クラトゥが仕掛ける超能力の凄さとか、巨大ロボットのおざましさとか、虫型の破壊兵器とか恐怖を演出するおもしろさはままあるにせよ、最後がいまいち拍子抜け。物語としての完成度よりも、警世の鐘を鳴らすという意味あいのキャンペーンめいた映画だったのかもしれませんね。アジア圏で食糧の強奪や暴動が行われるシーンは、まさに先般のアラブでの騒乱を思い起こさせます。

「ウエスト・サイド物語」 「サウンド・オブ・ミュージック」で知られるロバート・ワイズ監督の51年作を現代版にリメイクしたものらしいのですが、「宇宙戦争」とおなじく今さらやるととても古くさいSF感が漂っています。いまの時代のSFは、地球を救う手だてをもっと科学的に根拠のあるように見せると思うのですが。あんなヒーローが根性と自己犠牲で地球を救っちゃうなんていうラストは、まるきりアニメではなかろうかと。そして、日本のアニメのほうがこういうテーマだともっと面白くつくれたのではなかろうかと。

監督はスコット・デリクソン。



地球が静止する日 - goo 映画

(2011年5月27日)


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