陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

「オン」になるか、「オフ」になるか、二次創作者にはそれも問題だ(前)

2018-06-23 | 二次創作論・オタクの位相

このコーナーは、二次創作に関する個人的見解を述べています。
ですので、ネットリサーチのみでまちがった解釈をしている面も多々ありますことを、あらかじめご容赦ください。

二次創作には、「オン」か「オフ」かがあります。
正確にいえば、「オン」だけの人か、両方兼ねているか、なのでしょうが。

これ、なんの意味かわかります?
最初、ネットで見つけたときは意味がわかりませんでした。「オンライン活動」は、インターネット上のみで二次創作物を発表していること、「オフライン活動」は同人誌の発行やイベントグッズ、フィギュアの制作などの二次創作を行っていること。要するに、リアルに手に取れるものをつくって、市場に流している、ということになります。オフ活動者は、たいがいサークル名もイベント参加時に登録しています。

同人誌をふくめた二次創作物の製作を手掛けている人は、イベント前になると、ネット上で告知を行います。また、閑散期であってもファンサービスと称して、ネット上で作品発表を行うことがあり、自動的に「オン活動」も兼ねているわけです。昔は個人サイトが多かったのですが、いまはツイッターでの告知が主流。アカウントの後ろを、ある一定の時期だけ、アルファベットや数字などの文字列に変更することがありますが、これはコミックマーケットやイベント会場の割り当てスペースの位置を示すものなのだそうです。個人名がいきなり、製品ロットみたいな字面になってちょっと面白いんですが。

インターネットがなかった子どもの頃、二次創作者といえば、同人誌製作者たちのことでした。同人誌というのは、なにも二次創作だけでなくオリジナル作品や、自費出版の研究本などもあるようです。たとえば、鉄道ヲタクの人が機関車について書いた本だったりする。

伝聞調で話すのは、私があの東京ほかの都会で開催されるコミケやイベントに参加したことがないからです。中学生ぐらいの頃、友人に誘われて地方の即売会といわれるイベントで、いかにも素人づくりのコピー本なら買ったことはありますが、本格的なコミケは出かけたことがありません。人ごみが死ぬほど嫌いなので。最近のコミックマーケットは、公式の版権者がグッズ販売したり、芸能人も参戦してコスプレ写真集を売ったりしているそうで、たったの数日間でかなりの集客数があるそう。無差別テロとか起きたら怖いですよね。

オンライン活動は、なにせ気楽です。
締切もないし、好きなとき好きなだけ好き勝手につくって発表すればいい。本の装丁に悩んだり、頁内に収まるように中身を調整したり、告知しなくてもいい。一度発表した内容もあとから自由に加筆修正しほうだい。十八禁の場合、購入者が未成年ではないかと脅えることもなし。搬送費や入場料、交通費などの資金準備も不要で、在庫管理に悩むことも、イベント会場にくる、たまに困ったお客さんに煩わされることもなく、他のサークルさんとのしがらみにもとらわれずにすみます。…というのは、オン専門の二次創作者の考え。

オフライン活動の二次創作者からすれば、どうなのでしょう。
自分の作品を本や三次元の物体として手にとる形にできますし、顔出しすることで創作者としての矜持を保つこともできる(売り子に依託して、現場にいない人もいるらしい)。お金をかけるし、数箇月に一度のお祭りイベントだからこそ頑張れる。何よりお客さんの反応や、他の同好の士との交流が楽しい。締切りがあるぶん、ちょっとした作家気分も味わえる、知名度はあがります。まあ、そんなところでしょうか。タスク管理がたいへんでしょうが、計画的に準備できて実行できる人には向いています。コミケとかイベントとかの申込は数か月前で、しかも抽選があるらしいので、締切前のストレスも半端ないようです。

何せ、純粋に創作以外にかける時間が多すぎる。創作に充てられる時間を、仕事や家族貢献や、お付き合いで削られることもあるので、かなり余裕をみておかないといけないのですが、そうすると、二次創作人気の旬を逃してしまうというディレンマもあるよう。早期に印刷所に入稿すれば割引されるけれど、いいものに仕上げたいのでぎりぎりになってしまったり、新刊を同時に二、三冊も出すので遅れてしまうこともあるとか。とくに小説派はともかく、漫画を描く場合は、ネームづくりやコマ割りなどなど、かなり作業ステージが多いので大変です。しかし、それだけに原稿の完成度が高ければ、読者から賞賛が得られることもあります。



【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。



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