散歩と俳句。ときどき料理と映画。

神代植物公園へ その2

大温室を出ると正面は薔薇園だが、
この時期薔薇は終わっている。秋の薔薇が咲くのはもう少し先。

午前中は雨でも降りそうな気配だったが晴れてきた。
ウィークデーということもあってか、入園者はほとんどいない。
暑いが、木陰に入れば涼しい風もある。

薔薇園のこの道は薔薇の最盛期にはショップも出て、たくさんの人で賑わう。

雑木林の小道を進む。
K氏がコレコレと木の下にかがんで何か見つけたようだ。
ムクロジの実である。
周りを見ると、今年落ちたまだ緑色のものに混じって、古いものがたくさん散らばっている。
ムクロジの実は羽根突きの羽根の玉にするんだよね、
などと去年と同じことを喋りながら少し集めてみた。
集めているあいだにも木からけっこう落ちてくる。

ムクロジの林。ムクロジは漢字では無患子と書く。

ムクロジの実。殻が硬くなったものは振るとカラカラと音がする。

しばらく歩くと、今度は直径4、5cmくらいの大きな実が林道にいくつも落ちている。
なんの実だろう。
周りを見渡すと、一本の木のそばのプレートがある。
どうやらここは栃の林らしい。するとこれは栃の実か。

こちらは栃の実。

K氏が〈割れているのもありますよ〉と手渡してくれたのを見ると、
中には黒い栗のような実が入っている。
〈コレ食えるかな〉とさっそくスマホで調べてみる。
Wikipediaには次のような解説があった。長いが面白ので引用する。

「栃の実」とよばれる果実の中にある種子は、デンプンやタンパク質を多く含み、渋抜きして食用になる。食用の歴史は古く、縄文時代の遺跡からも出土している。例えば埼玉県川口市の赤山遺跡では栃の実の加工工場ともいうべき施設があったことがわかっており、大型の土器、臼代わりに利用された石、木製の水槽などが出土している。渋抜きはコナラやミズナラなどの果実(ドングリ)よりも手間がかかり、長期間流水に浸す、大量の灰汁で煮るなど高度な技術が必要だが、収穫量が多いため、かつては耕地に恵まれない山村ではヒエやドングリと共に主食の一角を成し、常食しない地域でも飢饉の際の食料(救荒作物)として重宝され、天井裏に備蓄しておく民家もあった。積雪量が多く、稲作が難しい中部地方の山岳地帯では、盛んにトチの実の採取、保存が行われていた。そのために森林の伐採の時にもトチノキは保護され、私有の山林であってもトチノキの勝手な伐採を禁じていた藩もある。山村の食糧事情が好転した現在では、食料としての役目を終えたトチノキは伐採され木材とされる一方で、渋抜きしたトチの実をもち米と共に搗いた栃餅、栃煎餅が現在でも郷土食として受け継がれ、土産物にもなっている

アク抜きが大変なようだが、飢饉の際には大切な食料だったわけだ。
雑木林を抜けて芝生広場の入口近くに面白い花が咲いていた。
ウニのような棘を持つ花である。
さっそくスマホで撮影して調べてみる。
〈ムラサキバレンギク〉という名前である。
これについては次回に。

〈続く〉

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