洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 海外の経験#15 アイルランド 漁業リスクに対する懸念表明

2023-03-05 18:17:27 | 日記

 

2023年03月05日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 海外の経験#15 アイルランド 漁業リスクに対する懸念表明]

アイルランド漁業者は、洋上風力発電所の開発により、漁場を失うことや海底施設物との漁具接触等、漁業リスクに対して懸念を表明している。

アイルランド沖での洋上風力発電所のプロジェクト計画が進むにつれ、漁業者は自らの生活が危険に晒されているという実感を強めている。

今後7年間で数百基の風力タービンが設置され、その多くは重要な漁場、その周辺海域に設置される。

これらは、2030年までにアイルランドの電力の80%を再生可能エネルギーで発電することを目指す同国の気候行動計画の重要な部分となっている。

数十件の洋上風力発電所開発計画が提案されているが、この内、現在7件のプロジェクトが急速に進展している。

ダブリン北部のハウス港を根拠とする漁業者は、海底ケーブルや海底施設物との漁具接触ばかりでなく、強風日に風力タービン施設そのものに接触することを恐れている。

アイルランド政府は、洋上風力発電所開発と漁業者の対話のため、ワーキング・グループを設置している。

しかし、アイルランド南部・東部漁業協同組合代表ジョン・リンチは、洋上再生可能エネルギー(ORE)の代表者らと何度も協議を行ってきたものの、彼らとは風力タービンの設置場所の実質的な妥協についての話し合いが出来ていないと明らかにした。

また、進展している7つのプロジェクトのいくつかは、漁業にとって非常に敏感で、特に“ヨーロッパアカザエビ”操業の妨げになり、実質、当該漁業を失うことになると述べ、漁業者の懸念が解決されない場合、裁判を通じて、プロジェクトに異議を唱える可能性がある旨を言及した。

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