「忘れたとは言わせないぞ!何であんな事をした?!」
「あの時は、ちょっとした出来心だったんです、あの後、
自分のした事を悔い、頭を丸めてこのサークルに入りました」
「あなたには、ひどい事をしました、この通りです、
どうかお許し下さい」
「詳しい事情はしらないが、彼女は献身的にやってくれている
どうだ、彼女も反省してる事だし、風呂にでも入って、すべて水に
流しちゃもらえないだろうか」
「彼の言う通りかもしれない、もう過ぎた事、忘れる事にしよう」
「ちょっと失礼してもよろしいでしょうか?」
「こんな事で、とうてい私の罪は消えるものではないけれど・・・
せめて、お背中でも流して差し上げようと思いまして・・・」
うう、それはマズイ・・・だからといってこのような場所で、
二人きりなんて・・・なんとかお断りしなくては・・・
「うぃ~、久しぶりに熱い風呂に入ってのぼせてしまった、
身も心も火照りあ~だ」
ほてりあ~後編 おしまい
さぁ、いかがだったでしょうか。今回で、「その時フィギュアが動いた」はおしまいです。
次回からは、新シリーズ「フィギュア迷作劇場」が始まります、お楽しみに!
「あの一件以来、ホテル業界からも追放され、今ではこの有様だ・・・」
「おや、何やら怪しい話し声が聞こえるぞ」
「どうやら、あの倉庫のようだ、中に入ってみよう」
「何か違法な取引をしてるのかもしれない」
「誰にも、つけられてないだろうな?」
「大丈夫だ、それより例の物は用意できたのか?」
カラ~ン!
その時、僕はうかつにも物音をたててしまった!
「誰だ?!そこにいるのは!」
「今の話を聞いてたのか?」
「まっ、待ってくれ、僕は何も見てない、殺さないでくれ」
「ん?君は何か勘違いをしてるようだ」
「俺たちはサークルの仲間同志で、贈り物をしてるのさ!」
「今から、親睦会があるんだ」
「ちょうどいい、ぜひ君も参加しないか?!」
「さあ、遠慮なくやってくれ」
「君の入会歓迎パーティだ」
「え?一体何のサークルなんですか?」
「決まってるじゃないか、坊主頭サークルさ!」
「あら、新しいメンバーさんね、いらっしゃい」
「あ!!」
それは忘れもしない、あの時の女だった!
「お前はあの時の!」
「なあ兄弟、彼女もメンバーなんだが、彼女がどうかしたのか?」
「・・・・・・・・・・」
どうして、あの時の女がここに?!
次回 「ほてりあ~ 後編(最終回)」 につづく
2008年、夜の都会に1人のホームレスらしき男がいた。
「こんな生活が、もう何年になるんだろう・・・あぁ、なんで僕はこんなになってしまったんだ・・・
もう現実と仮想現実の区別もつかなくなってしまった」
「思えば、あの日が転落の始まりだった、あの日の事さえなければ!」
~8年前のある日~
当時、僕は一流ホテルのホテリアー
皆からの信頼も厚く次期、総支配人候補と噂されていた。
その日も、いつものようにお客様を部屋まで案内していた・・・
「お客様は、こちらのスィートルームでございます」
「まぁ、とても良い部屋ね、気に入ったわ」
「それでは、ごゆっくり」
「ちょっと待って、悪いけど背中のホックをはずしてくれないかしら」
「え?・・・は、はい」
「いつもは主人にやってもらってるんだけど、少し遅れて来るらしいから」
「あなた、ちょっとイイ男ね!」
「お客様、何をなさるんですか?!」
そして、その時!
「お前たち、何してるんだ!私の妻に何をする!」
それは遅れてやってきた、彼女の主人だった。
まさに、最悪のタイミング、おまけに、その女性はとんでもない事を口走った。
「あなた、助けて!いきなりこの男が私に襲い掛かって来たのよ!」
「一流ホテルの人間が、なんて事だ!お前には法的措置を取らしてもらう、覚悟しておけ!」
ガ~~ン!!
「どうしてなんだ!何でこうなるんだ~!」
なんと、彼には悪夢のような出来事が・・・。
次回 「ほてりあ~ 中編」 につづく。
ここ、サンフランシスコはゴールデンゲートブリッジ・・・
と思いきや、四国は讃岐の国、瀬戸大橋でありました。
ここに、フォックスリバー刑務所から来た二人の兄弟の姿がありました。
「とうとうこんな遠くまで来てしまったなぁ・・・」
「腹もへったし、ここで食料を調達しよう」
「何か食うもんを出すんだ!大人しく従えば何もしない」
「兄貴、ここはアメリカじゃない、拳銃はよすんだ!」
「それもそうだな、しかし、ここは様子がおかしい」
「民家のはずなのに、まるで何かの作業場のようだ」
「それに何か粉の袋がいっぱいある」
「そりゃ、そうじゃわ、うちはうどんの製麺所やけんな!」
それは、うどん界のアイドル「うどんばあちゃん」でした。
「まぁ、うどんでも食べていきまい!」
「おっ!これはうどんの料金表だ!」
「すごく安い!一玉70円で、天ぷらと玉子をつけても一杯200だぜ」
驚く二人の前に出来立てのうどんが出されてきました。
二人は驚嘆の声を上げたといいます。
「これは美味い!揚げたての麺にネギと玉子を添え、ただしょうゆをかけただけなのに、こんなに美味いなんて!」
「まったくだ、いままでこんな美味いパスタは食ったことないぜ!」
「なぁ、おばあちゃん、さっきは悪かった」
「実は俺たちは・・・」
「うん、知っとるで、あんたらも大変やったなぁ~」
「まぁ、これからも気つけて行きまいよ」
おばあちゃんの気さくな人柄と美味いうどんに力づけられ、二人はまた新たな旅を続けたといいます。
フィギュア劇場 第九回 ~逃亡者~ おしまい
いやぁ、フィギュアもうどんも、本当にいいもんですね!
※実在の人物とストーリーとは関係ありません。
池上製麺所公式HP
前回のお話はこちら呉服屋の女たち~前編~
さて、ネオくんとシマ、この二人の密会現場に突如現れたネオくんの妻レイコ。
二人はそこで、一体何をやろうとしていたのでしょうか?!
「あんた、うちの人と一体なにコソコソしてはるんどすか?!」
「レイコ、聞いてくれ、僕たちは、とある秘密の組織に属してるんだ。」
と言って、先ほどシマのふところから取り出した巻物を見せました。
「おぉ!これは裏社会に伝わるという、パン別帖!
こんなに種類があったなんて知らなかったわ!」
その巻物には、パンの種類が列記されていました。ネオくんとシマは、そこに列記されているパンをひとつひとつ吟味しようとしていたのでした。
「さあ、わかったんなら、パンでも食うてとっととお引取りやす!」
「じゃかしわい!わてを仲間はずれにしよってからに」
「レイコ、やめておくれ!」
「アンタも、隠れてこんなしょーもない事、やめなはれ!」
「しょうもないとは、聞き捨てなりまへんな
こうなったら、わてがケリつけさせてもらいます!」
それでは、今日のその時!
その瞬間、白刃の刃とともに閃光が走りました!
するとどうでしょう、パンが見事に三分割に切られていました!
「三人で仲良く食べましょ、ほなら文句あらしまへんやろ?」
一つのパンを三つに分け、仲良く食べた三人はその後、丸く納まったといわれています。
呉服屋の女たち~後編~ おしまい。
ネオくんは、ひょんな事から老舗の呉服屋の旦那になっていました。
「若旦那、おはようさんどす。」
そこに来たのは、上得意のお客様のシマさんでした。
「これはいらっしゃいまし、奥さま、ご注文の品が仕上がっております。」
「そう、これから出かけるさかい、後で家に届けておくれやす。」
「かしこまりました。」
そして数時間後・・・
「たしか、このあたりだったな。」
「ごめん下さいまし~、お届けに上がりました。」
「どうぞ中へ、上がっとくれやす。」
奥から、シマの声が聞こえました。
「失礼いたします~。」
「貴方が来るのを待ってたわ。」
「あぁ~、若旦那・・・」
「奥さま、そうあせらないで・・・」
シマは、とても待てない様子で、ネオくんに抱きつきました。
「待てないの、さぁ早く。」
シマは、ネオくんの手を自分の懐へといざないました。
そして その時!
「あなた、こんなところで何してはるんどす?」
「お、おまえ・・・」
それは、ネオくんの奥方でした。
その形相はまるで般若のようでした。
この後、一体どうなるのでしょうか?
実はネオくんとシマには、重大な秘密がありました。
その秘密とは???
次回 呉服屋の女たち・後編 につづきます。
こちらは、四国の玄関口 サンポート高松。
水野晴郎監督の映画 『シベリア超特急3』のロケも行われた場所です。
そこに一人の男がたたずんでいました。
それは、ネオくんでした。
「いったい、どうしてみんな観てくれないんだろう?
僕はただ、旅行者に楽しんでもらいたいだけなのに・・・。」
ネオくんは人知れず悩んでいました。
「ゲ~、またあの男よ!」
「ちょっと、とっちめてやるわ!」
「ちょっと、待ってください、僕はただお二人を楽しませたいだけなんです。
僕の借家に来てくれればわかります。」
「ワ~ォ!これはスゴイ!」
「これなら大歓迎ね。」
それは、ネオくんが四国で学んだ接待の気持ちの表れでした。
そこには、和食料理が処狭しと用意されていました。
「さぁ、お楽しみはこれからですよ!」
「うっ、ま、まさか・・・」
その、まさかでした。
それではきょうのその時!
「僕が観てもらいたかったのは、コレです~!」
それは、ネオくんが日本で身に付けた宴会芸・・・『 腹芸 』でした。
「面白そうね~!私達もやるわ!」
「実は内心、興味があったの。」
共感を得たネオくんは、更にエスカレートしました。
「次は究極の宴会芸、ハダカ踊り~!」
「ともかく、お口直しにはやっぱり
讃岐の『釜揚げうどん』ね!」
ふたりのヒッチハイカーとネオくん達は、楽しいひとときを過ごしたといいます。
フィギュア劇場 第六回 ~ヒッチハイカー・後編~ おしまい
地元では、東の横綱といわれる『わら家』
西の横綱 『長田うどん』
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