田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

昭和の寺子屋2:ひと夏の体験

2019年03月13日 10時29分48秒 | 昭和の寺子屋、田園調布本町

理科と算数を好きになるには

お話をさせていただくうちに、学校での勉強の悩みのようなものが少し理解できました。授業に遅れがちの生徒では、知識を教わっても、消化不良で飲み込む(暗記する)か、最初から飲み込むこともしない(回避する)しかない状況が垣間見えました。こどものアタマは柔軟ですがまだ容量は少なくこれを大きくするために学校の役割があるのに、そのアタマに無理に知識を詰め込めば、頭でっかちか、勉強嫌いが生まれるのではないか。「勉強は楽しいもの」にしなければ人生が苦しくなりますから、10歳の児童の心と体の要求に丁寧に応じる授業が大切だと思いました。遊びから学ぶことの多いのですから、理科の学習では簡単な実験を算数の学習では測定に力を入れました。理科は物質の「質」を観察と実験で、算数は物質の「量」を計測で確認します。「スマホはいい加減にして勉強しなさい」なんて言われても面白くない教科書とスマホでは雲泥の差があるでしょう。スマホもいいが理数の勉強はもっと面白いよということを気づかせる、現代ならこの両方を立てて、生かすのがよいのではないでしょうか?

当時は、実験や計測を通じて理科や算数を学ぶ方法が新鮮なものでした。冷房がない真夏の教室で、実験と計測に取り組み、ノートに記録を取り、時間を使ってデータを集団で検討するという学習の常道を実践しました。教科書の知識を増す、結論だけを暗記するという「学力増進」とは無縁で、進学教室からみれば「成果がない」と酷評されても仕方がないものでした。姫百合幼稚園での夏期講習が終わる頃、自然な成り行きでこの学習会をこれからも続けてほしいとの希望が父母の間に起こりました。子供たちが強く希望したことが窺われました。(続)


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