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大阪の味を消す店


大阪の火はお好みから消える

12月29日(金)

 大阪のお好み焼きはすべておいしい。
 なんてことを思っていてはいけません、大きな間違いです。
 本日、久しぶりに大阪のお好み焼きを食べようと、わりと歴史のあるらしいお好み焼き店ののれんをくぐったところから物語は始まった、ベンベン。

 時間は5時過ぎ、地下街にある某お好み焼き店に入った。ほんとうは町のお好み焼き屋さんに行くつもりだったのだけれど、方向音痴人間の持病が出てたどり着けなかった。
 5時前ということもあってすんなり席に案内された。久しぶりに目の前に鉄板があるじゃないか、よーし、お好みを焼いてやるぞと気合が入ったが、その前にとりあえずビールとつまみだと、瓶ビールを注文、つまみはスジ焼きに決める。
 待つこと数分、ジャンジャカジャーンとビールが運ばれてきた。待ってましたと、グラスを受け取ろうとして驚いた、あなたが手にしているのはジョッキじゃないですか。
 おかしいだろう、だめだろう、そもそもオレはジョッキビールが好きではないのだ(いつも仕方なく飲んでいるのだ)、どういうつもりだぁと、怒鳴りつけたい気持ちを抑えて(大人ですから)微笑みながらジョッキにビールを注ぎ泡の調整をする。




 店の清潔さは50点、サービスは25点、アルバイトばかりで教育はまったくできていない。バカバイト(男)は、注文をしているのに、「お待ちください」と言ったきり目の前を通り過ぎ、そのまんまいつまで経っても姿を見せない。すでに痴呆症状態である。ヤツは必ず若年うんたらかんたらになるだろう、背中に未来の診断書を貼り付けておいた。ご愁傷様と手も合わせておいた。
 ま、いい。この怒りをお好みにぶつけて、こんがりとうまく焼いてやろうじゃないかと腕まくりをしたときに、登場したのは、すでに焼き上がったお好み焼きだった。その上、ソースまで人の好みを聞かずにコテコテに塗ってあるじゃないか、どういうことだ、事件だぞ、これはもう事件だ。導火線に火がつきはじめた。

 着席したときに「鉄板に火を点けます」と言って点火した意味はあったのか? 保温のためか? 炊飯器か!
 ガクンと意欲の肩が外れる音がした。うーん、あかん、あかん、鉄板は飾りじゃないのよと、歌いそうになった。
 いやいや、大人です。ぐっと歯を食いしばって耐えよう、味はバツグンのはずだ、なんたって本場のお好み焼きだもんね。
 そう信じて口に運び、咀嚼した瞬間、チーンという音が鳴り響いた。ここからは話す気にもなれない、大阪のお好み焼き神話が崩れた瞬間であった、もう一度、チーン。


◎酒メモ
・ビール、日本酒一合







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