2年ぶりの記事。
うほッ♪コントみたいなシチュエーションじゃないッ♪
と思った。色々面白いことができるのかなぁ…やってやれるかなぁ…爪痕残せるかなぁと当初は思っていたのたが、どっこいそうはいかず。主任からわたしたちのチームのメンツがかかった非常に重要なミッションであることを告げられる。
メンツがかかっているならやむなし。「送る辞する」の読み手の子が書いてきた文章をちょこっと大人の力でキメラ化して制限時間5分MAXの壮大な作品を仕立て上げる。
ここから読み手の子とわたしとの4日間の格闘が始まる。初読を終え、抑揚がない棒読みをどうするかが最大の課題となる。主任にも厳しい言葉で発破をかけられる……フフッ、確かにそう言うでしょうよ。しかしわたしには晴海時代の「朗読と語り」があるのだァ。そしてわたしの子達と12年間継ぎ足しで作ってきた秘伝の発声法があるのだァァァァ。
初日。熱血指導。
子「よくわからない」
そりゃそうだよね!継ぎ足し過ぎて味が濃くなりすぎてるよね!びっくりしちゃうよね!
演劇などという表現サバンナに踏み入れた経験のない子の警戒心をいかに解いていくか…こうなったらピエロになるしかない。道化となったわたしはアホみたいだけど効果絶大の発声とアホみたいだけど効果てきめんの滑舌を、それはそれはアホみたいに実演する。見様見真似でやってくれる読み手の子。
最初は戸惑っていた読み手の子も、何をやれば自分の声が変わっていくかを感じ取れた様子。よし、これはいける。
2日目を過ぎてから劇的に表現が変わっていく。コツを掴んだようだ。言葉の粒立てをメモすることで何回読んでも変わらない品質を維持することができている。褒めることでさらに楽しく、そして自由に表現をしていく読み手の子。
主任のOKももらうことができ、いよいよ本番前。緊張する読み手にわたしから最後のアドバイス。
「演台に立つ前、緊張したらわたしの目を見なさい。緊張が解けるから。」
というのも、奇しくもわたしが当日のマイク用意担当。頷く読み手。これですべての準備は整った。
そして本番………読み手の名前が呼ばれる。わたしは颯爽とマイクを用意。慎重に位置を整えながらも、最後のアドバイス通り読み手を見る。さぁ緊張を解こうよ。目と目を合わせようよ。
読み手の子をキリッと凝視する。
老眼で目が合わないや
ここにきて己の老いを実感したんだ。動いているものにピントを合わせられないんだ。ごめんね。カッコつけてあんなこと言わなきゃよかったね。
「送る辞する」が始まる。読み手の子はこれまでやってきたすべての技術を存分に発揮。一度も噛むことなく完璧に披露する。時間も5分ジャスト。
多くの方にお褒めの言葉をいただく。読み手の子本人からも微笑ましいほどの達成感を感じる。子と過去最高の「送る辞する」にしようと誓ったミッションは十分な結果を出すことができたのだった。
ありがとう読み手の子。
そしてありがとう。すべての「朗読と語り」を受講してくれた子たち。
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