写真は
梱包四天王。小道具をわたしの家に送るべく箱詰めしてくれた。そのテトリス全消し的なテクニックには舌を巻く。
恒例の振り返り。lab~六識~まずは製作ノート。
今年3月に行われた17期修了公演。打ち上げのサイゼリアからの帰り道、この子達とact orchとを繋げたいと思う。しかしこのact orch、やるにはとにかく根気、気力、体力を要し確実に寿命が縮む。なかなか重い腰が上がらず。加えて諸事情有りで夏まで全く時間取れず。
その後幸か不幸か秋にポッカリと時間が出来る。何かやるかと思案はしていたがそれでもact orchという事業に対しては重い腰が上がらず。我が団体多少婦人の話もあったのでそちらをやろうかとも思っていたが、ここで子の2つのツイートを見る。1つは「人生最後の芝居になる」という演劇を断つ決意の言葉。もう1つは「エチュードとか芝居とかやりたいです。」という演劇から離れた人間の戻りたい趣旨の言葉。この2つがガチっと噛み合い「
ならもう一度やろうじゃないかっ!」とようやく腰が上がる。なお余談であるが、打ち上げ時わたしの大入り袋を渡してくれたのがその2人のうちの1人だったのがなんとも趣きがあるではないか。
腰が上がったのが9月上旬。秋にはやらねばということで11月に時期を設定しそこからキャスト招集、会場決定、予算組み、稽古場確保、脚本執筆の怒涛の流れが始まる。キャスト招集は「そもそも誰も集まらなかったらどうしよう」、「というかツイートした2人が参加しなかったらばどうしよう」という一抹の不安があったものの蓋を開けると20人程集まった。そこから更に数名口説き落とし、結果26人もの人間が集まってくれた。本当に感謝。
毎回の劇場であるjoyjoyが使えずプロトシアターを押さえる。雰囲気はまさにact orchにうってつけ。しかし果たして大人数のact orchキャストが全員入るのかという楽屋事情に不安を覚える。が、
まぁなんとかなるか
で強行決定。(しかし結果なんとかならず様々な問題が起こるのだがそれはまた別の話で)
脚本執筆。「インスタレーション」というやりたいことは明確であったので、演目ルール(五感+第六感)はすぐ決まる。しかしここからが大変であった。「インスタレーション」としても「芝居」としても成立させるということがこれほどまでに難しいとは…
○壱職…視覚
鍾乳洞の話。以前から温めていたネタ。観客が照明となる今公演最大のインスタレーション。SST(ソリッド・シチュエーション・スリラー)というわたしお得意の内容でありすぐに脚本が書けた。しかし前回執筆からブランクあり鈍っていたのであろう、すはらさんをレポーター金町の親且つ逃亡中詐欺師という
なんかよく分からない役で充て書きしすぐに展開に詰まったので全て書き直した。
○弐職…味覚
何を飲んでいただくかで悩む。お茶という候補もあったが宗教、人肌、羊水、原始、というテーマから塩水となる。宗教というキーワードと出演者西澤大さんとが結びつき歴代作品に出てきた「神の御子」を再々投入。テーマソング(第九)、ポーズ(ストゥーパ)に続き今作品では「神の御子」のシンボルが出来る。この作品もすぐに書けた。
○参職…触覚
「踏む」というのは決まっていた。役者に何を踏ませるかとダイソーを歩き回っていたところ目についたのがステンレスたわし。そこから賽の河原の小石を思いつき、芥川龍之介「蜘蛛の糸」をオマージュした作品となる。こちらもわりとすぐに書けた。本当は親と子どもの職業スキルを使い戦いを展開していくという流れであったが時間の兼ね合いで割愛。なお割愛しなかったらば間違いなく
武士が最強。
○肆職…聴覚
同じ台詞を違うシチュエーションで話したらば聴こえ方は変わるであろうかというコンセプトのものと執筆。なるべく両極端のシチュエーションがいいなとコメディとSSTのシーンとなる。先にコメディパートから書いてしまったのでSST部分で苦労することとなる。書くのはストーリーラインというよりも言葉の使い方の調整に大分時間を要した。
○伍職…嗅覚
これが一番きつかった。匂いを使う意外なにも思いつかず。それもただ匂うのではなく、その匂いに意味を持たせなければならない。何度でも言おう、
大変だったの。締め切り当日昼まで何も浮かばず。浮かば無さ過ぎて荒川を延々と歩く「二ノ宮金次郎」作戦に出るもそれでも浮かばず。一旦休憩しようと近所のイトーヨーカドーに昼飯買いに行く最中突如閃く。そこからはとにかく書いて書いてで、思いつくまでは過去最長の時間を要したが実際起こすのは六作品中最速。
○陸職…六感
インプロを作品中盤に設置しているので何も考えずすぐに書けた。
配役は上記内容というよりも個々人の演技の特徴を戦力化し均等に分散。先輩と後輩が上手く混ざるようにした。
フライヤー。動物園における五感ということで目、鼻、口、耳、肌の特徴ある動物を撮ろうと思っていたが危機を察知するミーアキャットに六感を見出し決定。危機回避能力がわたしっぽいなぁと思った。わたしの場合はチキンハートの石橋叩きすぎて壊しちゃうなのだが。撮影中、ライトの兼ね合いで一筋の光が挿した画が撮れ即決。