乗鞍へ行ってきました。
日の出が段々と遅くなってきたこの時期、
早朝4時のバスで乗鞍に上がると、日の出を見ることができます。
うっすらと暗闇に浮かんでいた山と空の境界が、
駆け足のようにくっきりとしてきて、
星がだんだんと見えなくなってきます。
夜明け前の黒も、この青を内包している。
そんな深みがあります。
薄っぺらなペンキでは出せない色。
もし建築でこのような深みを出そうと思うと、塗り壁でしょう。
しかも本物の土を重ねて重ねていく塗り壁。
そういえば
飛騨の左官職人 挾土秀平さんのアトリエには
冒頭のような夜明け前のようなサンプルがあった気がします。
何年も前のことですが。
空が段々と明るくなっていきます。
茜色が藍色に食いこんでくるー。
穏やかさというより、強さを感じる光景です。
なんというか、飛行機がぐいっと上昇するような、飛び立つような強さ。
そして徐々にその力みが取れていくように、穏やかさを取り戻し始めます。