目が悪い

僕は中学の頃からメガネをしていて、日常生活に不便だとは思いつつも、いつしか20年近くもメガネをし続けていることになる。人生の半分以上がメガネをしているため、もうメガネがない生活なんて、想像ができなくなっている。

最近、まわりでレーシック手術を受けて、近視スパイラル（どんどん度が進んでいくこと）から抜け出した人の多いこと、多いこと。
実際に手術をした人に初めて会ったのは旅先だったと思う。コロンビアかブラジルだと安いからやっちゃった♪　なんて軽いノリで話していたけれど、ちっともうらやましくはなかった。
だって、怖いから。

包み隠さずに言うが、僕がずっとメガネで通してきているのは、コンタクトレンズの装着が怖いからだ。目のなかに異物を入れるなんて想像しただけで、力が抜けてくる。だって、爪の先にも乗らないほどの小さなほこりが入っただけで、痛いのに、ましてや黒目を覆うようなレンズなんて。水分の含有率が多かろうが、そんなん嫌だ。
だったらこのままでいいと、ずっとメガネで通してきた。

そのため、ずいぶんと損をしてきたと思う。
旅先でも、視力が悪いおかげで、シュノーケリングをしても海のなかがちっとも見えなかったし、サングラスも度が入っているものしかかけられないので、基本ブ厚くなってしまう。
でも、いいや、だって怖いし。それらの楽しみをすべて捨ててでも、僕はメガネを着用してきた。


でも、最近のレーシックの流行り具合はどうよ。
友人知人同僚など、いろんな人が、レーザーで角膜を焼きまくっている。
それに、手術を行なった全員が、術後は天国のようだ。とまるでレーシック教の伝道師のようにいいことばかりを言うではないか。
そんな話を聞いているうちに、頑固な僕も、レーシックやってもいいかもと思い始めてきた。
怖いのはほんの一時のことで、あとは楽。お金もけっこうかかりそうだが、これから先のメガネ代が浮くと考えたら、けして高い買い物ではない。
裸眼がいいに決まっている。

今度、まとまった金が入ったら、レーシックやってもいいかもしれない、というところまで考えたこともあった…。

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過去形です。


今日、知ってしまうまでは。



今日知った事実。
レーシックを受けた人は、ほぼ間違いなく「老眼」になるらしい。

結局、老眼鏡が必要になるそうですよ、みなさん。





老眼って、早い人はもう僕の年齢くらいから進行していて、もし今僕が手術を受けたとしても、ひょっとすると、あと10年近い未来には、もう老眼鏡なるメガネをしていることになるのではないだろうか。
でも、日常生活には老眼のほうがまだマシという人もいるだろうが、僕の場合、職種的に、文章を読んだり書いたりすることばかりのため、圧倒的に近視のほうが便利なのだ。老眼鏡をいちいちはめて、えーっと…なんて目を細めていたりしたら、不便極まりない。

僕の父親が近眼で、母親が老眼なので、どちらが大変そうなのか、比較が容易なのだが、今の僕の仕事や住んでいる環境のことを考えると、やはり圧倒的に近眼が有利のような気がする。

たぶん、僕はもう手術は受けないような気がする。
逆転判決を受けたような1日だった。