放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

休刊廃刊

2007年10月11日 | 社会復帰宣言
またひとつ雑誌が消えていく。


情報誌「ダカーポ」が12月5日発売の620号で休刊することが分かった。
インターネットに押されて発行部数が最盛期の半分程度の約8万部に落ち込んだことが理由。「現代が3時間でわかる情報誌」をキャッチフレーズに、情報量の多さが人気を呼んだ。(毎日新聞)


以前の会社の後輩が毎号購読していたなぁ、ダカーポ。
僕自身は書店で見かけて特集に気が引かれたら立ち読みする程度だったけれど。
後輩は悲しんでいそうだなぁ。彼の好きなプロ野球球団もなくなったし…。

雑誌の売れ行きが悪いのは、出版業界ではもう周知の事実なんだろうけれど、あらためてこうやってどこの書店にも置かれているようなメジャー級雑誌がなくなっていくという報を受けると、やはり悲しくなってきてしまう。
ダカーポの具体的な経営内情はわからないけれど、おそらく広告が取れなくなってきてたんだろう。不景気は雑誌をつぶしてゆく。
ニュースにもあるように、インターネットの普及も理由のひとつだと思う。
ネットの普及によって、自分の求めている情報がいつどこでも手に入るようになり、しかもネットの料金しかかからない。情報は無料で当たり前だという意識が僕たちの頭のなかに入ってきてしまった。これは情報を売りにする雑誌にとって致命的なことだと思う。かつて情報は、お金を出して買うものだった。瓦版の時代から新聞を経て、雑誌にいたるまで。
いま、街を歩くといたるところで無料の雑誌、フリーペーパーを目にすることができる。R25といったリクルートのフリーペーパーの大ヒットも記憶に新しい。雑誌形態のフリペも多いが、ほとんどは広告主体のものだと思う。住宅情報もアルバイト情報も、いまや駅やファミレス、コンビニで無料で手に入るものになってきてしまった。
読者は情報は無料のほうがいいと信じ、フリペを手にする。
そして、企業は同じ広告費を出すならと、フリペのほうにシフトしていく。
情報は無料だから。
でも、これ、かなり危険だと僕は思っている。
フリペの企画のほとんどは広告の延長線上にしかないし、結局記事のような広告を読んでいるだけなんだ。それは雑誌では、断じてない。
僕は、一応情報を扱う人間の末端にいると思っているので、こういう現状を憂いている。

改行改行で絵文字を使って、楽に読めるケータイ小説がベストセラーになっちゃうようなこの世の中で、情報という概念が広告と同一になってきてしまうのであれば、その行き着く先に存在する社会は、いったいどうなってしまうのか。


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5 コメント

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Unknown (yoko)
2007-10-12 14:37:26
ああ、、、ダカーポ、廃刊ですか。。

わたしは海外に住んでる関係上、あんまり日本の書籍を読む機会がなくて、かえって「活字渇望症」です。
日本に帰るたびに、本屋に通うのが日課になります。

でも、なんか最近の雑誌って似たり寄ったりな感じ。
重いのをがまんしてでも北京に持って帰りたいって
思う雑誌ってそんなになくなりました。
装丁とか写真がきれいだったり、夢をあたえてくれる雑誌にはあいかわらず弱いですが。
(だから、ついフィガロの旅特集、いつも買っちゃいます!←こういうのにすぐ乗せられる)
嗚呼 (町蔵)
2007-10-13 16:35:55
もう「くらいまっくす」ネタで盛り上がったり
『メカアフロくん』(連載開始時よりファン)を
楽しく読むことも出来なくなるんだなぁ……。

あす14日には渋谷のランドマーク的存在だった
某書店が息を引き取ります。

ギョーカイ関係者にとっては切ない秋だ。

Unknown (にいや)
2007-10-15 23:32:18
yokoさん>
北京の日本語書店って、王府井のところの外文書店だけですか?
あれだけじゃあやっぱりつらいものがありますねぇ。
それに海外で買うと高い…。
どれも似たり寄ったりというご指摘、忘れないように新しい職場に向います。


町蔵さん>
メカアフロくん、好きだったなぁ。
毎号のように彼の机の上にあるのを見かけると読んでました。
書店も潰れていく秋ですか…。
残念、という思いと、しかたないという思い。 (kazuya)
2007-10-16 12:58:23
毎号購読してた後輩です(笑)。
ところが、最近は毎週ではなくなっていたんですよ。
むかしは、文字だらけでも読める企画が多かったのですが、
にいやさんご指摘のように、この雑誌でも露骨なタイアップが
目立つようになってきて、読み飛ばす記事が増えてしまい。
(タイアップがタイアップとわかるようになった、という意味で編集が下手になったのか、
露骨な演出を断りきれなくなったのか、そのあたりの事情はわかりませんが)
仕方ないか、という感想をもちました。

連載の質は最後まで高かったので、残念です。
「くらいまっくす」なんて、思いつきのようなコンセプトで生まれた(だろう)一発芸を延々連載してるわけで、
その開き直ったくどさがよかったのですが。

それにしても、
ぼくが好きになったものがどんどん消えていきます。
ダ・カーポ、近鉄バファローズ、それから……。
Unknown (にいや)
2007-10-17 10:39:42
kazuyaくん>
雑誌って難しいなぁ。流されながらのただ作り続ける作業ではなく、クオリティを維持しながらというのが、この時代。

年末、飲もう。
男祭り、しよう。
ね。

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