暑いわけ

ヨーロッパって日本よりも北に位置してるし、なんとなく夏でも涼しいイメージをもっていた。

でも、大間違いだった。


とにかく暑い。
観測開始以来の熱波が襲ってきているんじゃないかってくらいに暑い。
日本の夏よりも、体感気温は暑く感じる。
気温は高くて、じつは湿度もけっこうあるので、日本並みに暑い。
蒸し暑い。
汗がじわっと肌にまとわりつく。

そりゃ、タイとかインドとか、欧州よりもっと暑いところに行き、溶けるような暑さを経験したこともあるけれど、暑さ対策に関しては、僕は今のところ欧州最悪と声を大にして言いたい。

なぜなら、欧州の建物の造りが、長い冬の寒さを防ぐように造られており、風通しが悪いところが多い。安宿なんかだと、建物密集エリアだったり、マンションの一室だったりと、屋外では風があるのに、建物の入ってこなかったりすることも往々にしてある。
しかも、宿泊代の高い欧州では、僕のような旅行者はドミトリーに泊まるしか予算的に選択肢がなく、一部屋にぎっしり人が詰め込まれ、人の熱気でさらに暑くなるということもある。

さらに、欧州では暑さをしのぐための扇風機やらエアコンやらを設置しているところが少ない。
たとえば香港などでは、夏の暑さは湿気と気温のダブルパンチで、とてもじゃないが昼日中に外を出歩くなんて気もおきないほどだが、エアコンには空気清浄機の役割もあると思い込んでる人も多く、ほぼ100%と断言してもいいほどエアコンが店や宿、いたることに設置されている。
しかし、欧州では、かなりランクの高いホテルとか、ブランド品の店とか、大きなデパートに行かないと空調が効いていることはなく、街のスーパーや安宿ばかりでなく普通のホテルですら、じつは扇風機すら置いていないことが多い。

欧州人はいつも外にいる。
カフェでは外に設けられた席でゆっくりと食事をしていたり、パブでもわざわざグラスを持って外で立ち話をしている。
欧州の人は、本当に外が好きなんだなぁと思っていたのだが、じつはそれは、家の中が暑くてとてもじゃないけどいられないからなんじゃないかって、最近思い始めている。

欧州を旅するのであれば、暑さの面から言って、夏は避けるべきだ。
観光客も多く、シーズンになるために物価も上昇。移動のチケットも手に入りにくくなる。
地球温暖化でますます暑くなっていくだろうし、欧州人が暑さに負けて、空調設備を街のいたるところに導入してくれるのは、いったいいつの日のことだろう。