放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

テレワークから1か月が経過

2020年05月15日 | 京都編集邁進道
新型コロナウイルスの影響でテレワークとなって、早や1か月。
会社から持ち帰ってきたPCも、いまやすっかり我が家に定着し、朝から夜まで机に向かう日々だ。

始める前は、テレビを付けてさぼってしまうんではないだろうか、などと心配していたが、まったくテレビをつけなくても平気だった。午前も午後も、どのチャンネルでもワイドショーや時代劇、韓国ドラマばかりで、まったくおもしろくないからだ。
こんなときくらい、テレビも過去の名作を放送しろよ。
古畑任三郎とかやっていたら、絶対毎日見ちゃうぞ。

会社にいるときは絶対できなかったが、自宅で好き勝手できるので、音楽を聴きながら仕事をしている。
インターネットラジオ「radiko」の中から、ラジオNIKKEI第2「RaNi Music♪」がお気に入りだ。ほぼノンストップで音楽のみをかけ続けてくれる。
毎日聴いていると、重複感も否めないけれど、それが流行っているということではないかと、おじさんは自分に言い聞かせている。

緊急事態宣言も、ようやくとりあえずの終わりが見えてきた。
首都圏、関西圏ではもう少しだけの辛抱が必要だが、でも、たぶん、さすがにそろそろ明けるだろう。
さて、そのときはどこに行こうかな? まずは近所の居酒屋から、小さな旅を始めようか。


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ついにテレワークになった

2020年04月10日 | 京都編集邁進道
新型コロナウイルスの勢いが止まらない。
朝から晩まで、テレビをつければその話題ばかり。
大きな事件が起こるたび、一億総評論家になるこの社会。
マスク2枚でも、もらえればいいだろうと個人的には思うよ。何も動かないより、布マスクでも配るという行動に移したほうがいいに決まっている。
すべての人にとってプラスになる政策や対策なんてあるわけがない。
最大公約数的に、一つひとつやっていくしかないでしょ。

まずは人を死なせないこと。
コロナ的にも、経済的にも、社会的にも。

そして、ついに僕もテレワークになった。
会社のパソコンとモニターを持ち帰り、自宅で仕事をするなんて。
こんな時代が来るなんて、思ってもみなかった。

自宅にずっといることで、いいことも、悪いことも。
まだテレワーク2日目だけれど。


自分にできることは何もないことを自覚し、ひらすら自宅にいること。
まずは、ここから。
飲みに行きたい気持ちを抑えつつ。



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コロナ考

2020年03月25日 | 京都編集邁進道
世間は、というか全世界が新型コロナウイルスに侵されている。
東京五輪が延期になったのは、もう仕方ないとして(すでに購入したパラ五輪のチケットはどうなるんだろう…)、日々増え続ける感染者にも歯止めがかからないし、世界中の人々がいつ自分が感染するか怯えているのは、本当に恐怖だ。
五輪開催が決まった際には、明るい未来が待っているような気がしたし、
元号が令和に変わったことも、新しい時代の到来にわくわくした。
しかし、現実はほど遠い。


この「放浪日記」は、いつの間にか旅行記ばかりのブログになってしまったが、しばらくの間は新しい土地に赴くことが難しいだろう。溜まりまくった過去の旅を思い出しながら、現在までの時を埋めていくしかないというも寂しい限りだ。


そんなウイルスとの闘いの一方、世界各地では、東洋系人種への差別発言や暴力行為もSNSなどに投稿され始めている。
海外の国々に対して免疫の少ない日本人は、よその国は品行方正だと信じている節があるようだが、一部の人たちを除き、まったくそんなことはなく、日本人でも中国人でも黄色い猿だとひとくくりに考えていることが多い。身体も小さいし、白人・黒人に対してのコンプレックスもあるので、完全になめられている。

ここで断言してしまうことは危険だが、そうした差別が当たり前にあったし、現在もあるだろう。


僕が旅をしているときは、アフリカで「チャン、チュン、チョン」と通りすがりのイキった黒人に言われたり、中東では遠くから「ドンキー(ロバのようにダサいヤツめ!)」とクソガキに叫ばれ石を投げられた。イギリスの入国審査では東洋人だけあからさまに審査が長く厳しく、持ち金をすべてカウンターに出せ、まで言われたり…。
現在では東洋人は、「コロナ!」とののしられ、石を投げられ、問答無用に殴られているのだろう。
その人がおかれている社会状況が厳しくなるほど、窮地に陥るほど、恐怖におののくほどに、人は本性を露わにする。


開店前のスーパーマーケットやドラッグストアに列をなし、マスクや紙製品を買い込む人々。
窃盗を働いてまで人々が欲するものを手にし、転売して儲けようと企む輩。
感染のリスクを考えることなく、自身の都合を最優先し濃厚接触を続ける「忙しい」人たち。
前例となることを恐れ、判断を先延ばしにし、パニックのみを引き起こす「先生」がた。
無駄に社会の恐怖を煽り続ける情報発信者と、画面の向こう側でもっとスリリングなことが起きないかと期待する視聴者。


こんな社会でも、桜は毎年咲く。
我々にできることはなんだろう。あなたはいま何をしなければいけないのだろうか。
そして、僕は…。


世界中のすべての人が、そう問いかけられているのではないか。


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スリランカ酔夢行(2)ローカル列車で古都に向かう

2020年03月10日 | スリランカ2019
バンコクから約3時間半のフライトで、スリランカのバンダラナイケ国際空港に到着。



空港内ではさっそくブッダがお出迎え。
穏やかな表情に、この旅の安全を祈る。


仏像の前には、写真撮影の注意をうながすピクトグラムが。
仏像にお尻を向ける形がNGらしい。
おそらくこれはスリランカ全般に言えることだろうから、注意しなければ。

ビザは無料だが、事前にアライバルビザの申請は必要だった。
ネットで申し込んだ際の画面を印刷して、イミグレに提出。
笑顔でスタンプを押してくれた。
むむ、この対応のやわらかさは、国全体の雰囲気がいい予感…。

両替をして、SIMを購入。
もう、これが現地到着時のルーティンになったね。


今回の旅は、コロンボからキャンディ、ダンブッラ、シーギリヤという世界遺産の街や遺跡を巡りコロンボへと戻ってくる、いわばスリランカ観光のゴールデンルート。滞在5泊のため、これくらいの移動が限界。毎日ガンガン移動している旅人もいるけれど、本当に尊敬に値する。


まずはコロンボ市内へ向かおうとしたところ、空港内に宿泊を予定している高級ホテルのカウンターがあることに気づいた。
各地を巡ったあとに、そのホテルに泊まる予約を入れていたので、ダメもとでカウンターのスタッフに、荷物を預かってくれないかと尋ねてみると、多分大丈夫とのこと。無料送迎はないそうだったので、タクシーを手配してもらい、ホテルまで直行。
同時爆破テロの余韻がまだ残っているにもかかわらず、荷物を預かってくれるなんて。セキュリティのことを考えたら断られそうなものなのに。ホテル入口では空港並みのセキュリティチェックがあったので、それをパスした時点で安全という認識だったのだろう。
でも非常に助かった。
5つ星ホテルの大理石が敷き詰められたロビーで、バックパックに荷物を詰め替え、第一の目的地・キャンディへ出発。

ホテルを出ると、甘いものにたかるアリのようにトゥクトゥクのドライバーが声をかけてくる。
キャンディまで行くのは、鉄道かバスの二択なのだが、乗り物酔いをする嫁さんのことを考えると、線路が通っているところであれば、積極的に鉄道を使いたい。ということで、まずは鉄道駅まで。



初めての国を訪れて初めてタクシーなどに乗るとき、その国の相場がわからずぼったくられることが非常に多いが、最近はUberなどの登場によって、おおまかな料金がわかるようになり、とても助かっている。
ここ、スリランカでは「PickMe」というアプリがあり、タクシーのほかトゥクトゥクやバイクタクシーなどもチョイスできる。Uberと同じくクレジットカード決済になっているが、結局このアプリで決済することはなく、目的地までのおおまかな料金の目安を知るためだけに利用していた。

「PickMe」ではホテルから駅まで、70Rs.(40円程度)と表示されたので、100Rs.までであれば乗ろうと決めて交渉。最初は300Rs.なんてお約束のギャグをかましてくるが、100Rsだったら払うと言うと、すんなり交渉終了。こっちは交渉でもめることがないし、向こうも相場よりもちょい儲かるので、win-winの関係。
その後も、スリランカを旅している間はずっとこのやり方でトゥクトゥクやタクシーを拾っていた。ちなみに、ごく少数だがメーターを回して正直に営業しているトゥクトゥクもいた。



コロンボのメインステーション。
黄金に輝く偉いおっさんと、まったく読めないグニャグニャ文字。



鉄道駅の窓口でキャンディ行きのチケットを購入。
もうすぐ列車くるよ、急いで! と駅員に急かされホームに行くと、ジャストタイミングでホームに入ってくるところだった。
列車がスピードを落とし始めた途端、スリランカ人たちは我先にと列車へ飛びつき始めた。
これ、どっかで見たことある風景……

……そう、インドだ!
もしこれがインドの列車と同じであるならば、急がないとやばい気がする! と直感し、嫁さんに「あとからゆっくり列車に入ってきて!」と言い残し、バックパックを持ってスリランカ人の群れに飛び込んだ。
狭い通路にいる人を、現地の人と同じように押しのけ押しのけ、なんとか二人分の席を確保。
嫁さんが不安そうな顔をしながら車内に入ってきたときは、すでに満員、通路に立っている人もいる状態だった。





建設中だったロータスタワー。
中国資本。この国の経済はすでに中国に乗っ取られている。



車窓から見る風景は、まさに南国。



子どもならば一度は憧れる、ヤッターマン的乗車。
不正乗車の可能性大。



急いで列車に飛び乗ったせいで、昼飯の確保をすっかり忘れていたが、物売りから天ぷらっぽいものを購入。100Rs.(約60円)を渡したら、食べきれないほど渡された。現地の物価を把握していないと、こうなる。


ともあれ、若干の遅れはあったものの、なんとかキャンディに到着した。




あいかわらずのグニャグニャ文字だが、見慣れると愛嬌を感じてくる。



(つづく)



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スリランカ酔夢行(1)まずはバンコクへ

2020年03月03日 | スリランカ2019
2019年の夏に、スリランカを旅した。

ちなみに、今回のタイトル「スリランカ酔夢行」は、僕の好きな詩人・田村隆一が記した『インド酔夢行』のパクリだ。あ、パクってやがると思われるのもイヤなので、先に告白しておく。

旅にはまったく興味のない嫁さんをなだめ、脅し、すかしながら、アジアを中心にいろいろな国・街を巡ってきたが、僕がかつて旅した街を再訪することがほとんどだった。
そろそろ僕も(もちろん嫁さんも)初めて訪れる国に行ってみようと思い、白羽の矢が立てたのがスリランカだった。

十数年ほど前、インドを旅していたとき、対岸エリアまでは近づいたことがあったが、残念がらスリランカは北部を中心に内戦中で、インドからの航路は中止していた。空路では行けたのだが、LCCの概念がヨーロッパで出始めた頃で、アジアの空を飛ぶには、僕の予算は心もとなかった。カレーに飽きていたこともあり、そのときはスルーしてしまったのだが、スリランカという島国に行ってみたいという気持ちは心の奥底に残っていた。

毎度のことながら、移動費を安く抑えようと安い航空券を探していたら、タイ・ライオンエアがセールを行っていたのを発見。最安ではないものの、お盆休み真っ只中のスケジュールのため、荷物代込みで一人60,000円程度で手を打った。



スリランカの玄関口であり、経済的文化的中心地のコロンボへは、成田からは直行便があるものの、関空からはどこかを経由しなければ行くことができない。今回は、バンコク経由だ。
狭いLCCの移動になるが、仕方ない。
インドネシアあたりでよく墜落する航空会社だけれど、仕方ない。
とにかく、スリランカに行けるようになることが最重要なのだ。

航空券を購入して間もなく、2019年夏はスリランカのビザが無料になるという発表もあり、予算も浮いて、楽しい旅になるだろうと期待していたのだが、4月21日にコロンボなどで連続爆破テロ事件が発生した。
日本人も含め、多くの死傷者が出ており、このままスリランカも対テロ戦争に巻き込まれてしまうのではないか、旅行に行っている場合じゃないのでは、と気を揉んでいたが、旅行に出発する8月になっても、その後の大きな事件は起こらず、ビザも無料化されたことから、現地に飛ぶことにした。



バンコクは、貧乏旅行者にはおなじみの、懐かしきドンムアン空港に到着。
翌日の出発が早いことから、空港から直行できるアマリ・エアポート・ホテルに宿泊した。
これまで何度となくドンムアン空港に降り立ってきたが、すぐにエアポートバスに乗って市内に向かうばかりで、一度泊まってみたかったホテルだ。

ホテルは築年数が経っているため、古い感じはどうしようもないが、テレビはNHKも映るし、滞在するには何一つ不便なことはなかった。コンビニまで少々遠いが、空港内のコンビニを使えば問題なし。
バンコクでトランジットするならば選択肢としては全然あり。




夕食は、ホテルの目の前、線路沿いに並ぶ屋台的な店で、タイ東北部・イサーン地方の郷土料理「チム・チュム」と、ビアLEOで。
やっぱりタイのご飯はおいしい。
氷を入れたグラスにビールを注ぎ、ストローで飲むのも、おいしい。




翌朝。
まだ太陽も上っていない早朝。眠い目をこすりながら、ドンムアン空港のチェックインカウンターに並ぶ。
LCCのため、荷物は嫁さんの分をあわせて、大きなスーツケース1個にまとめている。
スリランカに着いたら、コロンボでスーツケースを預け、中に入れたバックパックで旅をしようという算段だ。
僕は一人でチェックインカウンターに並びながら、早朝ながら、驚くほど人でごった返している空港内を寝ぼけまなこで眺めていた。
嫁さんは、ホテルの部屋でまだ寝ている。それとも化粧などをしているのか。
荷物をドロップアウトしてから、一度部屋に戻って嫁さんと合流。
部屋から空港まで5分、チェックアウトの時間を考えても10分前に部屋を出れば、空港に着く距離はすばらしい。

さあ、スリランカへ。



(つづく)
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アムド高地旅(12)旅の終わり

2020年02月27日 | 2018年アムドの旅

数日ぶりに蘭州へ戻ってきた。
アムドエリアに比べればさすがに大都会を感じる。
バスがひっきりなしに走っているだけで、ちょっとテンションが上がる。
アムドへ行く前は、5つ星ホテルと付近の食堂、バスターミナルしか行けていなかったので、アムドを早く切り上げた分、蘭州観光を楽しもうと思う。

ホテルに荷物を置き、観光開始。
まずは、やっぱりここから。








大黄河!

この河を訪れるのは12年ぶりくらい。
嫁さんは初めての黄河に、やはり若干興奮気味。
チャイのような色合いも相変わらず。

川の周辺には、中国人観光客がやたらとおり、記念写真撮影に余念がない。
実は、この大河を、昔の生活そのままに羊の川をしばってつくったイカダで下ることができるのだが、嫁さんを誘ってみたら、いろんなことが信用ならんから、と一蹴。





付近は歩行者天国になっている繁華街があり、おいしい店は行列ができるほど。
活気があるなあ。




いろんなものが食べられるけれど、やはりここは迷うことなく蘭州牛肉麺を。
おいしいと評判の店に行き食べるが、やはりどこで食べても、何杯食べてもおいしい。
スープが違うんだなあ。
肉をトッピングで追加して食べるのがよろしいと思う。




スーパーで見かけたリンゴ(?)。
生長段階で型に入れているのだろうが、それにしてもまったく食べようと思えないビジュアルだ。
これ、お土産とかお見舞いでもらったら、嫌がらせにしか感じないくらいの不気味さ。
夢に出てきそう…。







夕食は、蘭州で人気のある正寧路小吃夜市へ。
ただ、こんなところで飯を食ってビールを飲もうなんて気がさらさら起きないくらい、とんでもねえくらいの混雑。
ざっと見物だけして、早々に近くの店へ避難。




北京名物だけれど、羊をよく食べるから蘭州でもおいしいのではと考え、涮羊肉(羊肉のしゃぶしゃぶ)へ。
まあ、普通でしたが。





寝酒は、青島ビールと甘粛省産のワインで。










蘭州観光2日目。
朝食は、ホテル近くの蘭州牛肉麺の名店へ。
ちなみに何度も登場する麺は、すべて異なる店を食べ歩いている。
個人的にはこんなん大好きなので、何軒でもハシゴしたいのだが、付き合わされている嫁さんは、まだ食べるの?と完全に嫌気がさしていた。
それでも2軒行ってやったけどね。





入場料が無料だと聞いて、甘粛省博物館へ。

中国が経済発展をするに伴って、これまで安価だった観光地の入場料がバブル期の株価のように高騰していっている。
最近はマシになったのかもしれないけれど、万里の長城のような有名観光地ならは2,000円くらいすることも。
しかし、一方で博物館や美術館では、入場料を取らないことも多くなった。博物館好きとしてはこれは嬉しい。
中国の博物館って、貴重なものをしれっと展示してあることも多いので、時間があったらぜひ足を運ぶことをおすすめしたい。











出土した土偶的なものから、有名観光地になった仏教遺跡の再現レプリカ、よくわからん言語の文書まで、いろんなものがあるなか、




展示の目玉の一つが、ナウマンゾウの化石!
本物!
でかい!
牙が二本!






そして、甘粛省における中国共産党の歴史をたどる常設展も。
香ばしい!
日本鬼子!
毛主席万歳!


と、いろいろと展示がある中で、目玉中の目玉は、





甘粛省武威市の雷祖廟雷台漢墓から出土した、銅製の馬!
「馬踏飛燕(馬、飛燕を踏む)」と称される、躍動感あふれる傑作!

間近で見ると、いい仕事してる!
これを無料で見れるとは!
個人的には、こっちにお金を払って、アムドの寺は無料にしてほしかったけどね!

写真も自由に撮れるので、中国人観光客が激写しまくっていた。






馬踏飛燕に大満足した僕は、観光的に満腹になったので、いったんホテルへ帰り、高層階から建設中の街並みを眺めながらビールをグビっと。

そして、この旅、最後の晩餐へ。




到着したのは、ホテルからほど近い「徳祥楼」。
羊肉がおいしいということで、ホテルのスタッフに教えてもらった店だ。
百貨店を思わせる豪華な外観と内観は、老舗の証。
結婚式を挙げているグループもいるほど。大バコ。




出てくるビールもなんか高級感にあふれている。





頼んだのは、この店の名物的な羊肉のリブと、青菜の炒め物、それにジャスミンの花の炒め物。

羊肉は、ジューシーで独特の匂いはまったくなく、日本人の口にも合うやさしいスパイスの味付け。何本でも食べられそうなくらい。
ジャスミンの花というのが食べられると初めて知ったけれど、宴会使用がデフォルトの老舗レストランのボリュームが半端なく、そして花もけっこうエグ味があって、さすがに全部食べられなかった(翌日。夫婦揃って腹を下したのは、このジャスミンの花が原因ではないかと推察している)。



調子にのった僕は、ホテルに戻って最後の缶ビール。
黄河ビール、なかなかおいしかった。


翌朝は早朝のフライトのため、早めの就寝。
これにて蘭州・アムド旅、終了。

中国の文化的侵攻と戦いながら、ある程度は漢民族化しているアムドエリア。
チベットの本丸に嫁さんを連れて行くことは、しばらくはかないそうにないので、ここを旅することで少しはチベットの雰囲気を味わってほしかった。
チベタンの心はすでに中国にあらず。自分たちの世界の中で独自に展開していっているのかもしれない。外見は漢民族と変わらない、旅人へ窓を開いてくれることはほとんどなかった。そういう意味では一抹の寂しさを感じた旅でもあった…。


(完)


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アムド高地旅(11)圧倒的存在感のミラレパ・ラカン

2020年02月26日 | 2018年アムドの旅

合作の朝。


ホテルに朝食がついていたので、階下のレストランへ。


チベット文化圏ながら、ブッフェ形式の朝食は完全に中華。
肉包や炒飯に野菜炒めを合わせて。
変なものが出てくるより、こういうものが普通においしい。



部屋に戻って荷造りをしていたら、カバンの隅に入れていたポテチの袋が膨れていた。高地にいることを実感する一瞬。下界に来たなあと思っていたが、ここも3,000m近くあるようだ。


合作の観光スポットは、町のはずれにあるミラレパ・ラカン。
チベタンに大人気の修行者・ミラレパにゆかりある寺院だ。

この町、バスがあるのかないのか全然わからないので、ホテル前からタクシーを拾う。



すぐに到着。
この高層寺院、すごいインパクト。
これまで見た寺院建築は、横に大きいものはあったけれど、縦に伸びているだけでまた別の格好良さがある。

が、いきなりメインを攻めてしまうと、やることはなくなってしまうので、まずは巡礼のチベタンと同様に、寺院まわりをコルラすることにした。



豚もいる、のどかさ。



この寺院も工事中。
どこでも工事してたけれど、それだけ修復などの手が入っているのか。修復を名目に共産党から金が下りてきて、監視体制が強くなっているのか。



巡礼路によく置かれていた土の簡易仏塔。
これを作る型も売られていて、安価に量産可能。



コルラの道のり。



寺院の裏手からは、高層建築が一望できる。



たまにはこんなドブ川の横を通ることも。
野良犬が若干怖いが、仏のご加護なのか、襲われることはなかった。


そして、大本命に足を踏み入れる。
内部が撮影禁止だったので、紹介できないのが残念だが、1階から13階まであるうち、最上階まで登れるわけではなかったが、各階にさまざまな仏像が並び、壁画もキレイに残されていた。
ここも朝早めに行ったからなのか、建物内にほとんど人がおらず、貸切状態で思う存分、仏の世界を堪能できた。





以上で、アムドエリアの観光は終了。
嫁さんは完全にチベット寺院に飽きてきており、死んだ魚のような顔で観光に付き合ってくれていたが、これ以上の延長は難しいと悟り、予定よりも少し早めに蘭州へと戻ることにした。



(つづく)
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アムド高地旅(10)合作の片隅で核心価値観に出会う

2020年02月25日 | 2018年アムドの旅

郎木寺から、次の目的地である合作へとバスで向かう。
これまで曇天続きだった旅も、ようやく青空が見えてきた。





途中、碌曲という街に寄り、客が乗り降りする。
おそらくこの街は非解放で、外国人の宿泊などはできないはず。
こうやってバスで立ち寄るくらいは問題ないので、車窓から非開放地区を見学した。




バスの中にいた欧米人を撮る。
ブサイクな中国小姐をガイド兼愛人として連れ歩いて、アムドを旅しているっぽい。
おわかりいただけるだろうか。
乗客が少ないのをいいことに、彼が思い切り前の座席に足をブン投げ出していることを。
中国人のマナーも大概悪いが、下層欧米人はそれに輪をかけて品がないわね。




あっという間に合作に到着。
当然、まずは宿探しから。
毎度のことながら、嫁さんは不機嫌そう。







バス停そばにあった、ちょっと良さげなホテル「高原明珠大酒店」にチェックイン。
いきなり訪れて部屋を所望する外国人夫婦を見て、フロントの女性スタッフが戸惑っていたが、なんとか宿泊できるように取り計らってくれた。
宿帳やレシートには、中国人名が書かれていたので、多分外国人が泊まれない宿だったのではないかと思うが…。

最近の中国の宿は、新しい感じのところだったらたいていどこでもキレイだ。
昔っからあるような大きいだけが取り柄の老舗ホテルは、老朽化していて滞在はあまり快適でないことが多い。
中国は、泊まるならば新しいところがハズレないと思う。




荷物を置いて、街を散歩。
数時間のバスの旅で、標高がガクンと下がったので、なんだか身が軽くなった気がしてスイスイ歩が進む。







ヤクのモニュメントがあったり、壁にチベタンテイストのデザインが施されていたりと、チベットを前面に押し出した街づくりが行われている。が、外国人旅行者の姿はまったく見かけない。こういう街をたまに訪れると、ああ中国に来たんだなあとワクワクする。






街には公共バスが走っているが、どこを探してもバス停が見つからない。
手を挙げたら止まるのかもしれないと、呼び止めてみようとするが、完全に無視される…。恥ずかしい…。
上の写真が、どうやらバス停っぽい。
地面に書いてあるだけだし、中国語表記だし。
これ、そうとうわかりづらいよ。

また、街には共産党が示した24字(12個)の社会主義核心価値観のポスターを見かけた。
チベタンテイストになっていて、なかなかおもしろい。












いろいろ探し回ったけれど、「富強」「文明」「和諧」が見つけられなかった。
残念。
その代わりに、ほかのスローガンをコレクション。






「こういうものがあるということは、こういう考え方を強制的に根付かせたいってことよね」と嫁さん。
いい勘してる。
チベタンからすればこんなスローガンなんて大きなお世話と言いたいところであろうが、現状は口が裂けても言えないだろうから、渋い顔で眺めているんだろうなあ。


(つづく)
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アムド高地旅(9)鳥葬、松の廊下

2020年02月21日 | 2018年アムドの旅
翌朝、「なんとなく頭痛いかも…」という嫁さんの一声で起きる。
富士山に登ったときはなんともなかったが、やはり多少の高山病の症状が出てきたのかもしれない。
こういうときは無理は禁物だが、動けなくなるほどでもないらしく、観光は行くと言う。

昨日は四川省のキルティ・ゴンパを見ているので、この町では、あと甘粛省にあるセルティ・ゴンパを見れば、特にいる理由もなくなる。
時間はまだ6時ごろだったので、午前中にさっさと観光をすませ、予定より1泊早く下界へ戻ろうではないかということに決まった。


朝、まだ誰もいない静かな町の片隅で、朝食の屋台を見つけた。

中国の朝食といえば、こんな感じ。
豆乳に油条(揚げパン)が嫁さんで、包子(肉まん)とゆでたまごが僕の分。
これまでに数えきれないくらいの朝を中国で迎え、同じ数だけ朝食を食べてきたが、この豆乳と揚げパンという組み合わせが、どうも好きになれないでいる。
本当においしいものを食べたら好きになるのだろうか…。



荷物を宿に置いたまま、セルティ・ゴンパへ。
まだ朝が早いこともあり、観光客はほとんどいない。
そして、チケットカウンターも開いていないので、チベタンと同様、無料での拝観となった。
メインの寺院の付近は絶賛工事中。

一部の情報によると、この寺には鳥葬を行う場所があるとのこと。
鳥葬を見たいとは思わないが、そういう場所があるのであればぜひ見てみたい。

寺院のまわりをコルラする感じで進んでいくと、



丘の上へと道は続いているが、鉄条網が張られている場所があった。
ただ、漢民族の観光客は平気で鉄条網をくぐり、奥へと進んで行く。
鳥葬台への道だろう。





道は丘の間を縫うようにさらに続く。
朝から高地でのハイキングはなかなかしんどいが、ここまできたらどうしても鳥葬台を見たくなってきた。
道の途中には、観光客相手に土産物を売るたくましきチベタン女性もちらほら。
こういう人がいるってことは、やはりここは観光ルートなのだろう。
じゃあ、鉄条網張るなよって言いたいが、もしかするとあの鉄条網は人間用ではなく、何かの獣を防ぐためなのかもしれない…。




しばらく進むと、タルチョがはためくスポットに出た。
そしてそのまわりには、大勢の人と車が十数台。
ここが鳥葬台に違いない。

近づいていくと、観光客の一団が鳥葬台から距離を置いていることがわかった。
観光客を対峙するように、ヤクザちっくな屈強なチベタンが数人立っている。

どうやら、この日、鳥葬台では本当に鳥葬をしているようだった…。

屈強な男たちは、漢民族に向かって中国語で近寄るな、写真を撮るな、と注意している。
人の隙間から遠巻きに鳥葬台を眺めていると、数人の僧侶が読経をしており、おびただしい数のハゲタカのような大型の鳥がそのまわりを囲んで羽を広げていた。

そして、時折、僧侶の背後から何かが投げられ、それをめがけるように鳥が集まり、いなないている。

読経。
鳥の声。
宙を舞う赤い肉片。
沈黙のまま見つめる僕。
そして読経。


時代を経ても、この地では変わらない光景が繰り広げられていた。
近くで見ることはかなわなかったが、こうして鳥葬という儀式に触れら……


●▲◎●×●×●▲×▲●!!
■×▲◎▲×●●×◎×▲!!


物思いにふけっていたら、いきなり目の前で罵声が。
観光客の監視をしていた屈強なチベタンAが、ものすごい勢いで漢民族のオッサンに飛びかかり、いきなり殴り始めた。
おいおいおい、一体どうなってるの!
オッサンの連れらしいオバハンは金切り声を発して、屈強チベタンAの腕にすがって止めようとするも、一瞬で振り払われて草原に投げ倒された。
まわりにいた屈強監視チベタンBが、とりあえず止めようとするも、バイオレンスは止まらない。
転びながらも逃げるオッサン、それを追いかけながら屈強チベタンAは腰に差していたナタのような刃物を抜いた!

殿中でござる、殿中でござるぞ!
すわ刃傷事件!
甘粛省の片隅で、まさかの松の廊下!!

オッサンは死に物狂いで逃げ、屈強チベタンAはBやCに羽交い締めにされて、なんとか追うことだけはやめたが、ものすごい勢いで罵詈雑言をオッサンへ浴びせている。

なにやったんだ、このオッサンは…。

それでも屈強チベタンAの怒りはおさまらず、そのほかの漢民族へと飛び火しかけた。
こんなところで吉良上野介になるわけにもいかず、ここは三十六計逃げるに如かずと、嫁さんをかばいながら、一目散に逃げ出した。






鳥葬を見に行ったのか、チベタンが漢民族を殴るのを見に行ったのかわからなくなるくらいのインパクトが頭に残っていたが、観光は続く。







昼に近づいてくるにつれ、寺は観光客で活気に満ちていた。





建物の片隅にあった、コルラの回数を数えるそろばん。
そりゃ、何回目か忘れるよね。





寺から戻り、ホテルをェックアウト。
少し早めの昼食として、青椒肉絲ぶっかけ飯をかきこんで、バスへと乗車。
いざ下界へ。






(つづく)


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アムド高地旅(8)格爾底寺を観光した夜は駄ビールで〆る

2020年02月21日 | 2018年アムドの旅
腹ごしらえを終えた後、高地に来ていることもあり、ホテルでゆっくり休憩するかと思っていたが、嫁さんが思いのほか体調が良さそうだったので、予定を変更し、観光をすることにした。

郎木寺は小さい町だが、甘粛省と四川省の境界付近に位置している。
観光の目玉は2つの寺で、甘粛省側にある色止寺(セルティ・ゴンパ)と四川省側にある格爾底寺(キルティ・ゴンパ)だ。

どちらから行ってもいいのだが、たまたま昼飯を食べた清真食堂に近かったのが、四川省側のキルティ・ゴンパだったので、まずはこちらから。



入場料は30元。



入口の門を入ってすぐのところに商店が。
寺の敷地内ため寺院直営なのかもしれない。
坊主や巡礼のチベタンが群がっていたので、珍しいものでも売っているのかと覗いてみたら、アイスクリームを購入していた。




寺の敷地は広く、観光客を受け入れているようなスポットへは徒歩15分ほど。
富士山の山頂ほどの高地なので、ゆっくり散歩。



巡礼者とともに、丘の上の寺院を目指す。
なかなか遠いぞ。







ようやく到着。
とりあえずデカイ。
高い壁の周りを、巡礼者たちは祈りを捧げながら、時計回りにぐるぐると何周も巡る。
中は撮影禁止のため、写真はないが、とにかく仏像がデカかった。







メインとなる観光を終えたが、巡礼者という巡礼者がもっと敷地の奥に進んで行くので、我らもそれについて行く。
草地が広がり、坊主が時間を潰していたり、ピクニックにも適していそうな森が広がっていた。
休憩時間なのか、小坊主たちが木のまわりで遊んでいた。カメラを向けると撮るんじゃねーと怒られる。



せせらぎの水流を利用して回り続けるマニ車。
何もしていなくても、お経を読んだ功徳が勝手に積まれていって、非常に効率的。



さらに奥に進むと、洞窟があったりして、完全にハイキング気分。
標高4,000m近いのに、水量も豊富で、緑もしっかりあるのがすごい。





建物のまわりをコルラした巡礼者は、その後、寺院の敷地のまわりを巡りだす。祈りを捧げながら。
もちろんヒマなので、これについていって散歩を続ける。



観光もコルラも終えて、寺を出ようとしたら、急にスコールのような大雨に降られた。
近くにあった商店の軒先に逃げ込み、雨宿り。
約30分近く降り続いた。
坊主や巡礼者も逃げ込んできて、商店の軒先はすし詰め状態に。




雨上がりの郎木寺。
心なしか、空気がおいしくなった気がする。
湿度のおかげか?




道端にいた毛玉のような野良犬。
正直、汚いよね…。






夕食は、観光客も多く入っているホテル近くの食堂へ。
辛いけどうまい「水煮肉」と空心菜の炒め物を食す。
それなりに値段が張るのが厳しいが、どんなに僻地を訪れても、そこそこのレベルの中華を食べることができること、この1点のみに関しては、チベットが中国に取り込まれてよかったと思える。それ以外は、まったくメリットないけれど。
食堂の壁には、訪れた旅行者たちが貼り付けた付箋(99%中国語)が。





帰り道、商店で購入したビール。
「釣魚島ビール」って…。
どんだけ愛国的なんだ、この国は!
ちなみに、2本目を買おうとはけっして思わない駄ビールであった。


(つづく)






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アムド高地旅(7)郎木寺の清真おふくろの味

2020年02月14日 | 2018年アムドの旅


夏河から郎木寺に向かうバスは、とても快適で、いつのまにか眠ってしまうほど。


高速でかっ飛ばすバスの窓からは、風にはためくタルチョや見晴らしのいい丘、のどかに草を食むヤクの集団などが見える。


こういうところにフラリと立ち寄れば、人がいないアムドの本来の風景を堪能できるのにと思うが、いかんせん公共交通機関はそんな観光っぽいところで停まるわけもなく。


ただ、中国人観光客は別。
ランドクルーザーなどの四駆を自分で運転し旅しているため、美しい景色スポットなどがあれば車を停め、記念写真を撮っている姿をよく見かけた。



4時間程度で郎木寺に到着。
新しい町に着いた時はまず宿探しなのだが、嫁さんからすると、これがたまらなく不安らしい。



高地でウロウロして体調を崩されても、これからの旅に支障をきたすので、バスが停まったすぎそばにある郎木寺賓館にチェックイン。「地球の歩き方」にも載ってるということが安心感につながるらしい。同じことが僕は不安につながるのだが…。

チベタンテイストのフロント。人がいなかったので、呼んでみたが応答なし。


10分ほど待ったら、人が来た。
のんびりしている。


部屋に荷物を置いたら、昼飯を食べに町に出る。
どこかいいところあればいいなと散歩を兼ねて歩いていたら、あっという間に町外れになってしまった。
この町唯一の見所である寺には明日行こうと考えているので、今日は町歩きで時間をつぶす予定だったが、それも終わりそうだ。

どうやらこの町もすっかりツーリスティックになっているようで、どの店も軒並み飯が高い。
地元の人が入っているような店はないかと探していたら、観光客なんて誰も歩いていないような路地裏にポツンと飯屋があった。


回族の家族が経営している宿兼飯屋で、客は自分たち以外誰もいない。


ご飯食べられる?と聞くと、大丈夫との返事。


子どもたちが宿題や遊びに使っていたテーブルが、急な異邦人たちに明け渡された。
突然の外国人に興味津々の子どもたち。興味はあるのだが話しかけることもなく、一定の距離を保ったまま、こちらを凝視している。こういう雰囲気、なんか久しぶり。
奥からブ厚いメニューを出してきた。一攫千金的な気持ちが前面に出ちゃいすぎて、オススメは●●鍋ですと言われるも、昼飯に100元も出せないよ、おばちゃん。

こういう店で突拍子もないメニューを注文しちゃうと、できないと言われるか、注文後に買い出しに出かけて延々と待たされるので、空腹のここは、無難に絶対にすぐできるだろうメニューを選択。


トマトと卵の炒め物、白菜のニンニク炒め、そして白ご飯。
メニューを聞いて、おばちゃんはキッチンへ。


客もいないし、子どもは遠目から見ているだけなので、キッチンまで入り込んで写真を撮ったりして時間をつぶした。
味はいたって普通。いや、むしろ薄味か。おふくろの味。


(つづく)
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アムド高地旅(6)ハダカムギと文明的中国汽車

2020年01月28日 | 2018年アムドの旅
夏河や合作、郎木寺などのアムドエリアに、高速鉄道が通るらしいという情報を見た。
僕が旅をした2018年には、夏河や合作までは鉄道工事をしていたけれど、もう少し路線が伸びて郎木寺まで通る時代になってくるとは。
バスでチョコチョコ移動している時代は終わりそうですな…。


という話題はさておき、旅の続き。


拉卜楞寺の観光を終えて、町を散歩していたらスーパーを見つけた。
明日の移動用の食料や水などを買っていたら、


酒のコーナーに、こんなにおいしそうな甕が並んでいるではないか。

チベットでよく飲まれているという青稞(ハダカムギ)の酒だ。
高地にいることは知っていたが、息がきれるほどではないので、大丈夫だろうと、試しに購入。量り売り。


ポリタンク的なものは大きいけれど、お試しで500ml程度(お試しの量ではない…)。

宿に戻って飲んでみたが、喉元でカーーッとなる、白酒のような。
風味もめちゃくちゃいいということもないので、酔うための酒って感じ。
嫁さんは高地順応のため、まったくアルコールは飲んでいなかったので、一人で空けようと思ったが、さすがに無理で青島ビールに逃げました。



夜は、我が寝床の隣に建つゲストハウス的な飯店付属のレストランにて。
英語メニューも置いているので、欧米人も客が多かった。


夏場だが、夕方になるとほどよく冷え込んできたため、鍋物を注文。



セロリとキクラゲの炒め物。
こんな高地でもセロリ採れるのかと思ったが、もちろん下界からの輸入品。



そして、チベットの主食といえば、このツァンパ。
これも酒と同様、ハダカムギからできていて、粉をバター茶やお湯で練って食べる。
正直いうと、僕が人生で食べてきたもののなかでも、主食という枠内では、ワーストにまずい。こんなものを一生食べなければいけないチベット人の生活は、まさに修行だなと心から思う。
レストランでは、一応何かの型で美しく形成されていた。
もしかしておいしいのかもしれないと、一口食べたが、口の中で脂っこいものがモッサモサといつまでも居続けるその味は、ザ・ツァンパであった。
嫁さんは、これを案外イケるわーとおいしそうに完食。まじかよ。



翌朝。


バスターミナル横の飯屋で肉まんの朝食をとり、いよいよ出発。



バスは、普通に近代化したもの。
そういえば、僕が中国を旅し始めた20年ほど前は、長距離バスといえば寝台バスで、最後尾には5人か6人が雑魚寝するタイプのベッドがつけられていたり…。車内でもタバコの煙がモックモクでえらい苦労したり…したことがあったが、さすが21世紀、中国も文明的になっておりました。


今回驚いたのは、バスに乗る際に大きな荷物はバスの下の荷台に入れるのだけれど、中国人の荷物が軒並み少なめになっていたことと、乗客がさっさと自分の荷物を荷台に入れたら、すぐに座席に座って車内で発車を待っていたこと。
荷物が少ないってことは、目的地の田舎でも物資が簡単に手に入るようになっているからだろうし、荷台から目を離しても安心しているのは、盗人の類がいなくなっているからだろう。
それに、マナーの悪い連中がほとんどいなかった。
もう日本で長距離バスに乗っているほうがマナー悪いやつを目にするくらい。





バスが出発したら、たいてい町を離れる直前でガソリンスタンドに寄って給油したり、道端で手を挙げる農民どもをこれでもかと途中停車で乗せまくったりするのが、田舎のバスだと思っていたが、今回はこれもなし。
なんか拍子抜けするわ。
座席の間隔も広いし、ガンガン飛ばすけれど、道はフラットだし。
楽になったなあ。


(つづく)
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2019年私的映画ランキング

2020年01月10日 | 電影
あけましておめでとうございます。
オリンピックイヤーの2020年。
毎年年始恒例の記事、昨年観た映画をまとめてみました。

2019年に観た映画は、34本。
2018年は36本だったので、ほぼ同じくらい。
昨年は映画館に比較的足を運んでいた気がする。そして、新作ではなく往年の名作を見る機会が多かった。
題名の後ろに★が付いているのは、映画館で観賞したもの。



「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
「イップ・マン 葉問」
「バジュランギおじさんと、小さな迷子」★
「キャタピラー」
「さらば、わが愛/覇王別姫」
「八甲田山」
「ちいさな独裁者」★
「2923」★
「小死亡」★
「WHOLE」★
「ブルブルは歌える」★
「イップ・マン 継承」
「アクシデンタル・スパイ」
「私を月に連れてって」
「イップ・マン 葉問」(2回目)
「イップ・マン 序章」
「ゴジラ FINAL WARS」
「ゴジラ」★
「キングコング 髑髏島の巨神」
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」★
「ブラックスワン」
「突入せよ!あさま山荘事件」
「Petta」
「Tiger Zinda Hai」
「真田幸村の謀略」
「ゆきゆきて、神軍」★
「学校」
「時計じかけのオレンジ」★
「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」
「ロボット 2.0」★
「ジョーカー」★
「野火」
「ロボット 完全版」★
「バイオハザードIV アフターライフ」




以上の映画から、2019年の私的ベスト3を発表。
今回は非常に迷った。
おそらく2019年を代表する映画といえば「ジョーカー」だと思うんだけれど、いろんな解釈がある中で、あえて次点にした。もう一度観たら違うのかもしれないけれど。


ということで、
まずは第3位。



「イップ・マン 葉問」




イップ・マンは、ブルース・リーの師匠としても知られるカンフーマスター。
実在した人物だが、物語は彼の生涯に大幅な脚色を加え、見事なカンフーアクション作品に昇華している。
カンフーといえば、ブルース・リーよりもジャッキー・チェン世代の僕。
観る前はどうせまた適当なカンフー映画だろくらいのイメージだったが、主演のドニー・イェンのキレッキレの動きに魅了された。
詠春拳、超かっこいいっす。
そして、なるべく戦いを避けるのがポリシーのイップ・マンが、戦いに巻き込まれその拳を振り上げる際の悲しげだけれども威厳のある表情がまたいい。
脇を固めるサモ・ハン・キンポーも最高。
この作品に魅了され、シリーズ3作品すべて観賞。なかでも、2作目のこの作品が秀逸だなあ。
今年5月に最終作が劇場公開されるらしい。これは映画館に行かなければ!







そして同率3位。



「バジュランギおじさんと、小さな迷子」




久しぶりにインド映画がランクイン。
作品には、喜怒哀楽に加え、宗教・政治、家族関係、そしてなんといってもダンスがてんこ盛りの、これぞマサラムービーという大作。
近年インド映画もオシャレな雰囲気のものが多くなっているけれど、こういうのがいいんだよ。
エンターテイメントっていうのは、こういうことなのよ。
主演のサルマン・カーン、ヒロインのカリーナ・カプールの組み合わせは、20年前かよ!とツッコミたいくらいの組み合わせだけれど、逆にそれがいい味。
個人的には、オープニングのハヌマーン神の前でのダンスだけで大満足。youtubeで何回観たことか。









続いて、第2位。



「さらば、わが愛/覇王別姫」




もう今さらながらって感じ。
中国映画を代表する名作中の名作。
これまで断片的にしか観ておらず、通しで観たのは初めてだった。
40代になってから観る映画じゃないよ、これは。もっと早くに観ておけばよかったと心から思った名作。
とにもかくにも、レスリー・チャンの美しさったら、もうシビれちゃうくらい。
この作品のために生まれてきたのかと信じたくなるほどの当たり役。そして切ない。
彼のその後を知っているだけに、それは余計に。
ただただ京劇、そしてレスリーの妖婉さに見惚れる観賞でございました。
一度スクリーンで観ておきたい作品。





そして、2019年の私的映画ランキング第1位。





「ちいさな独裁者」




昨年に続き、ナチス関連の作品を選んでしまった。
いやー、本当に好きなんだと思う、僕。
これも実話がベースになっているようで、部隊から脱走した兵士が偶然に将校の制服を見つけてしまい、それを着てなりすますように。嘘を嘘で固めつつ、どんどんと勢力を拡大していくさまは、観ていて映画のような展開(映画なんだけど)。
一つ狂ってしまった歯車は、どんどんと連鎖して、後半はかなりショッキングな描写も増えていく。
カラー映画だったのだが、後々調べたらカラーなのは日本公開版だけで、世界で公開されたのはモノクロらしい。
観ていないので断言できないが、おそらくモノクロ映像のほうが映画のリアルさを、より伝えているように思えた。






なんだか年の前半に観た映画ばかりになってしまった…。
2020年もいろいろと観ていきたい。


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アムド高地旅(5)牛肉麺と拉卜楞寺

2019年12月27日 | 2018年アムドの旅
中国は朝が早い。
なぜ中国人はあれだけ朝早くから動こうとするのだろうか。
よくわからないが、中国を旅していると、つられて朝早く起きてしまう。


夏河の朝食だが、昨日街を散歩している際に、蘭州牛肉麺の有名店の支店を発見したので、そこで2日連続の牛肉麺を食べることにした。

東方宮。
蘭州で行こうと思っていたが、夏河で食べられるとは思わなかった。

チケットを購入し、並ぶ。
漢民族が多いが、チベタンもちらほら。



その場で麺を伸ばし、茹で、熱々のスープをかける。
提供直前にラー油と香菜をかけてくれる。
ラー油は本当に辛いので適量、香菜多めが僕のスタイル。


蘭州牛肉麺!
間違いない味。
いい朝食は、一日の活力。




そして、夏河のメインである拉卜楞寺(ラプラン寺)へ。
チケットセンターが、寺かと思うくらいデカい。

チケット40元。
高けーなー。
学生のときに来ていたら無料に近い値段だっただろうに。
でも、外国人料金などもなく、中国人の列に並び、統一価格で購入できることを考えると、高いなんて言っているのは僕くらいだろう。


チケット売り場横にいた、ヤク(のぬいぐるみ)。
これ、どこかで売ってないか探したが、非売品だった。


寺に入場するために、並ばされる。
もちろん全員、漢民族(と外国人)。チベタンは無料でスルー。


時間が来たのか、何なのかわからないが、並んでいた人たちと一緒に境内へ。
先頭にはガイドっぽい人がいるので、どうやらガイド付きで、この人たちと一緒に回らないといけないようだ。
まあ、放っておくと中国人がいろんなところでいろんなことしちゃうから、秩序を守るためには仕方ないことなのかもしれない。
自由に巡りたい身としては、いささか不満だが。



むむ。いい雰囲気になってきたぞ。



壁の雰囲気もいい。



寺院に到着。
これからいくつか巡るようだが、



寺院前にはこの人だかり。
出入口は一つなので、もうしっちゃかめっちゃかになってる。


だから、人多いって。
もう信仰の場ではなく、完全に観光地やね。


寺院内部は撮影厳禁なのだが、唯一、バターで作った仏像を展示するところだけは撮影OKだった。
こういう極彩色を使えちゃう感覚って、すごいと思う。


境内は、どこを見ても漢民族の姿が。
これを、現在のチベットの状況を重ね合わせて憤っているのは、たぶん僕くらい。




ガイドさんについて、次へと進む。
それにしても、建物ごとにガイドが説明してくれるのだが、当然何を言っているのかわからず、さらに結構なスピードで次へと進んでしまう。
もう少しゆっくり見たいのに。

途中から、いろんなグループが境内にいることを利用して、何度も観れるのではないかと気づいた。
まず今のグループで一巡して、ゆっくり観たいところは再訪する作戦に。



境内を巡礼する老婆。
やはりここは信仰の場である。


モップのような犬もコルラする。


ガイドに連れられてのツアーも、30分程度で終了。
中国人たちは、記念写真を撮ったあと、終わった終わったと、寺院から去っていく。

一通り巡って気がついたのだが、漢民族たちは寺院の中に入り、大迫力の仏像を目の前にしても、拝むどころか手を合わせることもせず、ざっと見回して次へと進んでいた。100人いたら、手を合わせているのは2〜3人くらい。
さすが共産党! しっかり教えが根付いていますね!


こんな光景が毎日繰り広げられている修行僧たちのことを考えると、いたたまれなくなってきた。









中国人ツアーをはずれて、自分のペースで巡り始めると、ガイドコースに入っていないエリアでは、漢民族の姿を目にしなくなった。




高地の空気の薄さと反比例するかのような、目に焼きつくような色合いが美しい。





寺院の外周にはマニ車があり、チベタンはグルグルグルグルと回しながら、コルラしていた。
当然、僕と嫁さんも、ガイドに説明されるものなんかより、こっちのほうが楽しいのである。



寺は広いので、商店などもある。


山道をコルラ。
チベタンの世界。
心なしか、進む人たちの顔がやさしいような気がした。

山道をコルラしていると、数人のチベタンから話かけられたりした。
街なかで散歩しているときは、僕たちも漢民族に見られるようなので、そういうことはなかったが、コルラをしている=仏教徒という同族意識があるからだろうか。



少し小高い丘から寺院を眺める。
一周30分ほどの小旅行。




仏塔のまわりも、グルグル回る。


そして、板の上では五体投地をして、ひたすらに仏に身も心も委ねていく。
オムマニペメフムという真言が、寺院に響いていた。





(つづく)




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アムド高地旅(4)秋桜咲く夏河

2019年12月27日 | 2018年アムドの旅

夏河の街を散歩。


道には当たり前のように僧侶が歩く。




道端で遊ぶ子どもたち。
お尻はパックリ割れているのは、昔から変わらないチャイニーズスタイル。
顔立ちからすると漢民族だろう。





街には、ショッピングセンターも。
土産屋ばかりが軒を連ね、開店休業状態が多い。


館内でオッサンたちがトランプに興じる。

マネキンは、チベタンテイスト。
目がイッちゃってる。




お腹がすいてきたので、見かけた適当な食堂に入る。
店内にはチベタン僧も食事にきていた。
普通にシャッターを押したら、この中の一人に、写真撮るんじゃねーよ!とキレられた。

店のメニュー。
だいたいどれも15元前後。高いっちゃ、高い。
でも、地元の人も食べにきている小汚い食堂なので、ローカルプライスであることは確か。
物資が少ないから高いのだろうか。
それにしても、大小の値段の差がほとんどないのはなぜだろう。


麺を適当に頼んだところ、運ばれてきたのは、まさかの麺on麺。
小麦麺の上に、具として米麺がのっている。
これまでいろんなところを旅してきたけれど、これは初めて。炭水化物祭り。




食後も、さらに散歩。
高地順応されるためにも、適度な運動は大切。


高地だけあって、8月なのにコスモスが咲いていた。





中国のパン屋ではケーキも販売。
これ、バタークリーム使ってるよね。色彩といい、センスといい、中国を感じる一瞬。



(つづく)


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